DMAC

MC6844は、もともと日立が開発したHD46504のセカンドソースをMotorolaが販売したときの名称で、M6800バスアーキテクチャ用のダイレクトメモリアクセス入出力のコントローラです。FDCのHD46503やCRTCのHD46505と同時期に発表されています。
4回路のDMA I/Oを同時にコントロールできます。

MC6844
これはその2 MHzバージョンのHD46504-2ですね。日立オリジナルの型番の他にMotorola式の型番が下に印刷されています。

当時はCRT表示を別にすればI/OにDMAを利用するってのが特殊な方でしたから、あまり使用例を見たことがありません。たとえば、フレキシブルディスクの読み書きを行うのなら、MC6800のCPU性能からしても必要だと思いますが、そのフレキシブルディスクドライブ自身が高価で特殊な装置でした。
CRT表示のためのDMAについては、M6800バスがEクロック同期式でMPUがメモリアクセスを行わないタイミングが正確に周期的に生じるため、DMACを使わなくてもCRTCの出力するリフレッシュアドレスを用いて比較的簡単に回路を組むことができます。そのため、M6800バスアーキテクチャのプロセッサを使用したパーソナルコンピュータでは、CRT表示のためのアクセスをダイナミックメモリのリフレッシュサイクルにも利用して、大容量メインメモリの一部をCRT表示用に使用する形式のシステムが多くなっています。古くはApple ][がそうですし、日立のベーシックマスターや富士通FMシリーズもそうでしたよね。

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