11/15 (Sat) Roma


駅前のバールでコーヒーだけ飲んで朝イチでヴァチカンへ。
ローマはスペイン階段、ヴァチカン、コロッセオが見たいというのが
リクエストで、今日はヴァチカンとコロッセオへ。
ローマは今までと違って抜けるような晴天だった。

サン・ピエトロ寺院は明日ミサでもあるらしく、 電動カートでおっちゃん達が椅子をセッティングしている。 脇にある祭壇では、結婚式を挙げているカップルもいる。 親族やら友人やら20人ほどのささやかなものだった。

寺院と広場だけ見てそのままサンタンジェロ城の前を通って ナヴォナ広場を経てカンポ・ディ・フィオーリの 朝市 へ。 野菜、花、肉類、魚、雑貨など一通り揃っている野外の市場である。

乾物屋で米を探してみる。ローマでは米はあまりメジャーではないのか、 それほどみかけなかった。アルボリオあるかと聞いたら、計り売り ではなく、紙箱入りのを渡された。

石田さんは小さな唐辛子を200g買っていた。 重さ的には大したことはないが、体積的には結構なものである。

フィレンツェの中央市場に比べると、なんとなく庶民的な感じで、 トリュフはなかったし、ポルチーニもあまりなかった。 まあ、地域的なものもあるのかもしれないが。

ポルチーニは小ぶりのものがフィレンツェの倍ぐらい(Lit 50,000/kg) だったが、それより高いのは 卵茸(ovoli) でLit 80,000/kg だったから、ずいぶん高いものだ。

台所用品/インテリアの店に寄ったり本屋で料理本などを探しながら、 コロッセオまで歩こうかと思ったが、さすがに疲れて途中からバスに乗る。

コロッセオ はなんというか いつものコロッセオだった。(^^;;

人が少なければ寂寥感も増して良いんだけどなあ。
しかしこの人達は人がせっかくガイドをしてあげているというのに
あんまり感動がみえなくてガイドのしがいがない(^^;;;
ガイドモードの時はもっとわがまま言ってもらった方がいいのだが(^^;;;

朝からずっと歩き続けてお腹がすいたのでそろそろ昼飯にしようと いうことに。昼飯はピッツァと決めていたので、トラステヴェレへ。 バス停でバスが来るのを待っているが、直行のバスがない上に なかなか来ないので痺れを切らして、タクシーでテヴェレ川岸まで。

川中島のティブリーナ島を渡ってトラステヴェレへ。 入ってすぐの広場に面してピッツェリアがあったので早速入ってみる。

11月中旬とはいえ昼間で天気もいいのでテラス席でも大丈夫。

なんとなく今まで会った中では一番イタリア人的な若いにーちゃんが オーダーを取りに来る。ジャポネ?ジュードー?とか言ってるけど、 そんなのでウケるのは20年前の人だってば、つーか。

後で近くをふらふら歩いてみてわかったが、ここは賑やかな通りから ちょっと外れたあたりにあって、この辺までは日本人はあまり こないのかもしれない。食事をしている間、日本人が通りかかるのは ほとんど見なかった。ブランド店の近くにはあれ程いるというのに。

前菜盛り合わせを2つ(だったっけ?)、グリーンサラダとサラダもう一皿 (トマトのサラダだったっけ?)、ピッツァはマルゲリータ2つに、 私はルコラのピッツァ。赤ワイン。

メニューを見てみると、マルゲリータ、マリナーラ、白いの、茸、 ルコラぐらいでそれほどピッツァの種類は多くなかった。 オーソドックスなものばかりでオリジナルなどはなかった。

グリーンサラダはルコラともう一種類の青菜(忘れた)のサラダ。 ルコラは葉先が尖った形のもので、日本では見ないもの。 最初はプンタレッラ(ローマ近辺の野菜で水菜みたいな感じ)かと 思ったが、食べてみるとしっかり胡麻の香りがした。

しかしこのサラダがすっぱくてしょっぱい。

ドレッシングなんてものではなく、塩と油と酢をかけただけで、
フツーの人なら余り喜ばないのだろうが、私は、
やっぱりこうでなくっちゃ、すっぱいしょっぱい、うまい〜、
などと涙を流して喜びながら食べている。(^^;;
自分のアイデンティティが正当化された喜びというか。(^^;;;;

店内にはどこかの国の団体客がいるようで、時々なにやら歓声が 聞こえてくる。イッキ飲みをしているわけでもないのだろうが、 なんだかそんな感じの歓声だった。

ピッツァは直径30cmは超えるかという大きさだが、生地はローマ風 とでもいうのだろうか(ナポリ風のは食べたことがないけど)、 薄い生地なので一人一枚は全然楽勝。

デザートまで食べ終えて、サンタマリア・イン・トラステヴェレ広場 まで歩く。広場近くには食堂も多く、庶民的と本で読んでいたのだが なんとなくそんな感じがする。

川を渡って再度スペイン広場まで戻る。

コンドッティ通りは鬼のような混雑で、朝のラッシュの満員電車も
びっくりという感じ。まわりで話しているのを聞くと、どうやら
スパイスガールズがグッチでお買い物しているらしい。(-_-;;

時々二階のテラスに出てきて手を振ると、通りに詰めかけたファンが ワーワーキャーキャーうるさいうるさい。(-_-;;

昨夜ウィンドウでみた靴に一目惚れしてしまったのでそれを買いにいく。 よりによってゼニアの靴なので高いがしょうがない。(^^;;

石田さんもジーンズが欲しくて昨夜見た店を探すのだが、
どうも見つからない。やっぱり見つけた時に買え、かしら。(^^;;

歩き続けてどうにも疲れてしまった。石田さんが買い物に走るかと
思って期待しているのだが、昨日のサッシカイアショックが
尾を引いているのかどうもその素振りが見えない。
疲れたせいかなぜか気が立って、行きたいところがないなら帰る、と
言って帰って寝てしまう。みんな律儀について来ずに買い物でも
してればよかったのに。

少し寝て目が醒めるが疲れは取れず、食欲がない。 イタリアvsロシアのプレーオフは20:30から。

20時ちょっと前に夕食に出る。とりあえずホテルの近所を
うろうろしてみて、適当な店に入ってみる。

駅の近くということで観光客も多く、少し後にフランス人らしい 若者三人組が入ってきた。我々はいつもワインとガス入りの ミネラルウォーターなのだが、彼らはカラフェの水道水である。 う〜ん、やっぱりフランス人はけちなのかしらとひとしきり盛り上がる。

食堂はおっちゃんおばちゃん、兄ちゃんねーちゃんの4人でフロアを 仕切る家族っぽい店で、どことなく冴えない、テルミニ駅前に よくあるような店とでもいうか。

店の奥にはたぶん9型ぐらいの小さいテレビがある。試合時間が 近づくとサッカーの中継になったがまだ始まらない。 私の席からはちょうど逆向きでおまけに食器棚の陰なので 体をひねって乗り出して遠いテレビの画面を見ている。

みんなで画面をみていると、どうも中継が気になるらしいおねーちゃんが ボリュームを少し上げてくれる。いよいよ試合が始まると おっちゃんもおにいちゃんも気になるようだが、時々足を止めて ちらちら、という感じでそれほど熱が入っているようでもないのが 少し拍子抜けというところか。

イタリア語の中継を聞きながら飯を食う。 ここでも前菜の盛り合わせを2つ。やはり食欲は復活しないので スープ類(トルテリーニ・イン・ブロードだったかなあ)だけで 石田さんとしましまのセコンドを少し分けてもらう。 とはいえ石田さんとしましまが何を食べていたか覚えていない。

しかしなぜかデザートを食べる元気はあるようで、タルトか 何かを食べて店を出る。前菜が何かうまかったような気がするが 特に印象に残らない店ではあった。 体調よくなかったからしょうがないか。

寝酒にカンパリを買ってあったので、つまみになんかほしいねと しましまが言うので、まわりを探してみるが、トラットリアやバール 以外の店はしまっていて、人通りもほとんどない。 もともとテルミニ周辺の界隈は夜になれば閑散としているのだが、 みんな家でサッカーの中継を見ているのだろうか。

ようやくバール兼惣菜屋みたいな店があったので、しましまはサラミを 買っている。店の中はかなり込み合っていて、入口付近の天井近くにある テレビをみんな食い入るように眺めている。

そうだよ見たかったのはこういう場面なんだよと思いつつも実際は
怖くてなかなか入っていけない。

おやじが、Forza, Casiraghi!! などと叫んでも、まわりの客が応えて 盛り上がるわけでもなく、レジのねーちゃんに、静かにせんかいと たしなめられている。なんだかちょっと違うような…

そういやイタリア人っぽいのは少ないかも…

とっととホテルに帰ってサラミをつまみながら中継を見る。 前半は0-0で終了。後半カシラギがワンチャンスを決めて1-0で イタリアが勝ってフランス行きの切符を手に入れた。

よおおし、前回決勝でブラジルに破れた雪辱を果たすのじゃああああ。

あと気になるのは明日の日本vsイランのゲーム。 誰かに電話して結果聞こうかなあ…

TVで良く見るような若者が車やスクーターに皆で乗り込んで 街を走り回るわ、爆竹は鳴らすわというまるで暴動かというような 場面を期待していたのだが、テルミニ付近は全く静かなものだった。 ああいうのはどこに行けば見られるんだ…と思いつつイタリア 最後の夜は更けていくのだった。

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text and photo: nigel@st.rim.or.jp