11/10(Mon) "フィレンツェへ"


去年はなんやかんやで休みそびれてイタリアに行けなかったので、
今年は2週間休んでやるっすと勝手に言い続けて一年、今年も
なんとかイタリア(とフランス)へ行くことになった。

2週間あるのなら、シチリアからのんびり半島を北上するかとも思ったが、 同行するしましまと石田さんのリクエストも勘案して 結局前半は中部イタリア、後半はフランスという具合に落ち着いた。

2年前と違い、ミラノ(マルペンサ)からローマを経由せず直接 フィレンツェまで乗り継ぐことができるようになったらしく、 今回はそのルートを取ることにした。

偏西風が強いので早めに出発するから早く搭乗してくりっすという 言葉を信じて早めに搭乗したものの、滑走路で待たされ結局30分程 遅れて離陸。安定するとすぐ昼食が出た。

3人で(スプマンテ+白+赤)x3+赤と合計10本のワインを飲んで 下げる時にCAに呆れられてはいかんつーか。

着陸前の軽食の時にオレンジジュースを頼んで、その日本人CAに
本当にオレンジジュースでいいんですか?と3回も念を押されては
もっといかんつーか。
エコノミーなんか嫌いだああああっす。

映画はつまらんわ眠れないわ痔にはなりそうだわと三重苦を抱えつつ ミラノに到着する。乗り換えるので前の席くりっす、というオーダーが きいて前の方に座れたのでとっとと降りて国内線へ。 なぜか知らないが入国時のパスポートのチェックが以前になく厳しい。 前なんかは日本人と見ると、手を振ってぷいっ、てなもんだったのだが。

到着ロビーにはシルバーの AlfaRomeo 156 がディスプレイしてある。 おおお、写真でみるよりかっちょいいじゃん、とじろじろ撫で回そうと思ったが 乗り継ぎがあるのでおねいちゃんにカタログだけもらって出発ロビーのある 建物へ一目散。

事前にTVなどみていたところではずいぶん寒いと脅かされていたのだが、 実際に来てみるとそれほどでもない。

カウンターのおっちゃんに場所をきくと国内線は建物に入って右奥の はずれにあった。チェックインは成田で済んでいるので手荷物の検査だけ 済ませて待っている。そうこうするうち約15分前に搭乗開始。

この飛行機は定員30人程度のプロペラ機である。Alitalia ではなくMinerva (だったか?)という航空会社の機体だった。乗客の1/3-1/2が日本人だった。 前に座った三人組のねーちゃんはツアーの旅程表など見ている。ふーん。 もっと前のほうには日本人のじじばばの団体。ほぼ満席。

へろへろっと離陸してフィレンツェへ。 所々低い雲があって、夜景が見えたり見えなかったり。 遠くの雲の中で雷が光っている。なかなか綺麗だ。 そうこうするうち50分でフィレンツェへ。滑走路の様子をみると雨のようだ。

実際には雨はすでにやんでおりなんとなくほっとする。 手荷物受取の場所の窓から飛行機から荷物を降ろしている様子が見える。 その場で受け取って持ってきたほうがよっぽどはやかったりして。 などといいつつ無事に(乗り継ぎがあったにもかかわらず)荷物を受け取り市内へ。

市内までは10km程度。3人いるしタクシーでいこうということになる。 約15分、荷物込約 23,000 リラで SMN 駅近くのホテルに到着。 とりあえずなんか軽く飲んで食おうということで町へ出る。

中央市場〜ドゥオモ方面へ。どうもあまりぱっとした店がない。 機内でブロイラーのように食わされ続けていてそれほど空腹でもないので エノテカでもさがして軽くつまんで飲む、というのがいいのだが…

トラットリアのメニューをチェックしているといきなり変な外国人 (おれたちのことぢゃないよ)に、「そのレストランはべりーぐっどです」 みたいなことを言われる。彼といっしょにいる日系らしき母娘の ばーちゃんの方(ガイドとその連れと見たのだが)も、おいしいですよ、 となんだかずいぶん怪しい日本語で教えてくれるが、どうもうさんくさいな。

警戒心が働き一時はやめたものの、実際はそれほどでもなさそうだと 思っていたので、もうちょっと見てみて良いところがなさそうだったら そこにしようということで探してみるが見つからず、その店に戻る。

店内は混んでおり、前に3組ほど待っている。観光客風も多いがまあしょうがない。 並んでいるレジ前にはトスカーナのワインやヴィンサントとカントゥッチのお土産 セットなど並んでいる。Vino Nobile di Montepulciano 1993 reserva が Lit 23,000 てのはいいかもねなどと思いつつ10分ほど待って席へ。

とりあえずごく軽くブレサオラ(生ハム)とルコラ、パルミジャーノ(グラナかしら)の サラダ、リコッタ詰めのカネロニなど頼む。他はそれぞれアーティチョークの リゾットとトリッパフィレンツェ風(石田)、タリアータ・ディ・マンツォ (牛ヒレ肉のグリル焼スライス、ルコラ乗せバルサミコ風味、しま)。 ワインはカラフェを頼むが足りず、1/2 を追加。

生ハムがうまい。ルコラもうまい。特にルコラが普段と違うと思うのは鮮度である。 このへんのスーパーで売っているようなルコラともプランターでひよわに育った ルコラとも違ういきの良さが口に入れるだけで感じられる。 野菜がおいしい。おお。

カネロニはあえて軽くと思って頼んだが、可もなく不可もなし。失敗したか。 メインになる前に自分の分は終わってしまったので、石田さんとしましまに 肉を少しずつ分けてもらう。

トリッパが鬼のようにうまい。今まで食べた中では一番おいしい。 当然子牛なのだろうが、臭みが全く感じられず、とても柔らかい。 分けてもらって感動しつつ食べる。

隣(というか背中合わせというか)の席に地元常連らしき若いカップルが座る。 給仕のにいちゃんとなにやら親しげに話している。彼らも同じく生ハムの 前菜を頼んでいたのだが、パルミジャーノの上にさらに何か(ポルチーニか 何かの茸のソテーと見たのだが、トリュフかなあ、違うよなあ)乗っている。 うううううう、くちょおおお。これだから常連ってやつはあああ。しくしく。

結果的にこれでもずいぶん軽く、ワインが少し余っていたのでチーズを1人前。 (とはいえ石田さんはそろそろ来ていたようだが(^^;;) ゴルゴンゾーラ(6cm x 9cm x 1.5cm)とパルミジャーノ約80g(両者とも推定)。

パルミジャーノは小さく削ったのがいくつかと、50gはあろうかという 塊がでん、と皿に乗っている。ゴルゴンゾーラは日本のデパートなどで 切り売りされているのがそのまま、という感じ。

ゴルゴンゾーラがこれまた美味。青かびのない部分はまるで熟成した タレッジオかと思うぐらいにクリーミーでこってりしている。 今までおれたちが食べていたのは何なのだ、というか。

しかしパルミジャーノ(もすごくおいしいのだが)は結局塊を半分ほど 余したので、紙に包んで持って帰ろうと思いつつ包みを忘れてしまった。

エスプレッソとデザート(しましまのみ)で締めて、軽い夕食を終える。 勘定の時に絵葉書をくれた。観光客も多い店なれど侮るべからずちゅうか。

夜で観光客も少なくなったドゥオモやらシニョーリア広場やらほっつき歩いていると 雨がまた降りだしてきたので慌てて戻ることにする。少しするうちにまたやんだ。 ホテルの前のバールでグラッパを1杯ずつ。

ずいぶんでかいグラスが出てきてずいぶん沢山注いでくれる。 三口で放り込んで帰る。

明日は一日市内観光。三人の美少女に会いにいくのだ。 といっても彼女たちは何百年も昔の蝋人形なのだが。

Go To Diary of Nov.11 1997 or Back To index


text and photo: nigel@st.rim.or.jp