Nov.23 (Thu) "モデナの豚"


今日はモデナ、パルマを経てミラノへとアウトストラーダを車で移動する。
光さんは新藤さんと列車でミラノへ。男三人の珍道中というわけである。
今夜はミラノの新藤さん宅で宴会の予定である。

9時に平野さんが我々のホテルに来ることになっている。 8:30頃目が覚めると、風間さんはすでに着替えて荷物をパッキングし終えている。 どうしたの?と聞くと、昨日買ったドライビンググラブが両方右だった(^^;; ので交換しに行ってくるとのこと。

私も支度を終えると、9時に平野さん登場。ピッティ宮の先のホテルから 鞄を二つ持って歩いてきたそうで、すでにへろへろである。(^^;; そうこうするうち風間さんが戻ってくるが、店が準備中で結局交換 できなかったとのこと。(-_-;;

風間さんが、俺が運転する、と言って出発する。ボローニャまでの 山岳セクションをドライブしたいに違いない。(^^;;
距離は95kmほどであるが、山脈を横断するルートで、そこそこの ワインディングが続く。19日の夜にバスで通ったときには、数日前に 降ったと思われる雪がまだ斜面や道路脇に残っていた。

家に帰ってスパゲティ茹でてな!とどやされることもなく(本当か)、(^^;; 標識に従ってアウトストラーダに乗る。平野さんが思い出したこの台詞は、 この後何度となく使われることになる。松本葉が昔雑誌に書いたイタリアの 交通事情についての文章を引用すると…

『せっかちは、たとえ自分に関わりがない場合でも、他人のグズグズを 見ることを嫌う。縦列駐車にハザードランプはいらない。つける暇があったら、 1秒でも早く(車の全長プラス2センチのスペースでさえ)滑り込ませる ことだ。さもないと、こんな野次が飛ぶ。

「ウチ帰って、スパゲティでも茹でてな」

この台詞は、もちろん他人がグズグズした場合のみならず、自車の ドライバーに向かってさえ、容赦なく浴びせられるのであった。(^^;;

ところで、日本だったらどうなるんだ?
うーん、家に帰ってそば茹でてろ、かなあ、うどん?ラーメンか?(-_-;;

Alfa 145 はアウトストラーダを快適に飛ばし…というわけにもいかず、 2度ほど渋滞する。工事のようだ。センターのガードレールを取り払って、 上り下りの対面通行をやっているのには驚いた。

案内標識に Passo della Futa の文字を発見。Mille Miglia の コースにも使われたりするフータ峠である。どこだろう?と探してみる。 次回はそちらを通ってみるのも楽しいだろう。(刺さらなければ(-_-;)

このあたりは片側二車線である。結構トラックなども多く、あまり 平均速度は高くない。

ボローニャを経てモデナへ。Modena sud で降り、一旦市内方向に向かって からマラネロ方向へ。標識にしたがってマラネロにたどり着くが、目指すべき へらーりの本社はわからない。(そりゃそうだ、だって住所も何にも調べて ないんだから。おまけにマラネロなんつー田舎の街の地図もないし)

しょうがないのでぐるぐるまわる。ぐるぐる回っているうちにFerrari の 工場を発見する。あまり大した感慨もなかった。本社近くのグッズ店へ行く。 最初の店はどちらかというとミーハーむけであまり面白くない。 一応分家にもお布施、ということで(^^;;、歴代のGPマシンのTシャツを買う。

その隣には酒屋があるのだが、Rosso di Maranello といういかにも 観光客相手のオリジナルブランドの店だった。話の種にランブルスコを買う。

モデナと言えばランブルスコである。弱発泡性のアルコール度数の低い ワインで、故エンツォ・フェラーリも好んだそうだ。(軽くておいしいよ) 平野さんはノチーノ(詳細不明、くるみのリキュール)を買っていた。

通りに出ると遠くから甲高いエキゾーストノートが聞こえる。何の音だろうか。 ちなみにこの通りの名前は、 ing. a. dino ferrari である。

ちょっとはなれたところにもう一軒グッズ屋を発見。品揃えがおたくである。 大塚さん推薦の店はここか。ミニカーやらプラモデルやら本やらあれこれ いろいろ取りそろえてある。恵比寿の Mr.Craft を思い浮かべてもらえば よいか。田宮のプラモデルが各種取りそろえてあった。(@_@;

GTA の(例の)本もあったが、高かった(2万円近くした)。ショウケースの 中にディスプレイされたとてもきれいな ABARTH 1000 のミニカーがある。 マスプロダクションの ABARTH Simca 1300 もあったのだがそれとは大違い。 これ買って、ABARTH 買ってきた、ちゅうのはだめっすかね?つーか。(-_-;

だがいかんせん 21万リラもしたので(15,000円、今考えれば大した金じゃ ないとも思えるが)結局買わなかった。平野さんは日本で買えないような Giulia のレーシングバージョンのミニカーを(光さんをずいぶん 気にしながら(^^;;)買っていた。

その隣には博物館があったのだが、昼休みで閉まっていた。 外から中を伺うと、275GTB/4, 過去のGPマシン、最近のもの(このへんは どうでもいい)などが見えた。閉まってるものはしょうがないので、 あきらめて飯を食うことにする。

ぐるぐる回っているうちに袋小路に突き当たる。と、その突き当たりの先は PISTA DI FIORANO、その筋では有名な フィオラノのテストコース、というやつである。(^o^)
先ほどの音はここからであった。

一同柵にへばりついて中の様子を伺う。が、この辺はうまくしたもので、 走り去る車の影しか見えない、という感じ。トップ部分はなぜか緑色 である。F1 のテストチームはこの時期スペインのエストリルでテスト中、 というのは事前にわかっているので、F1ではない。

348 challenge か?と思ったがちょっと違うようだ。ずいぶん速い。 333SP ではないかという話になる。ずいぶん甲高い音といい、それなら 説明がつくか。甲高いといっても今年までの F1 V12 ほどではない。 来年からあの音が聞けないかとおもうとちょっと残念。

ひとしきりテストコースを眺めた後、再度飯屋を探して出発。 マラネロの町中で探すがあまりいい所がない。雰囲気がよくなかったり、 店の前にメニューが出ていなかったりとかでいま一つ決めかねるまま、 モデナ市街へ戻りつつ探すことにする。

街道脇に車を止めて探すもみつからず、再度走り出す。すると右手に RISTORANTE の文字が。とりあえず寄ってみる。店の前にはBMWなど 止まっている。郊外の豪華レストラン、といった雰囲気。

店の前にもメニューが出ていないので値段の見当がつかない。ちょっとこわい。
まあいいか、探すのにも疲れたし、多少高くても何とかなるさ、と 入ることにする。駐車場も広いが平日の昼ということで数台しかいなかった。

店内はずいぶん広い。中央の丸テーブルでは10人近い3家族ぐらいの 団体が食事を取っている。他にも何席か埋ってはいるがすいている。 ずいぶん落ち着いた雰囲気である。壁には写真パネルが何枚か貼ってあり、 そのうち一枚はお約束でエンツォ・フェラーリであった。(^^;;

イタリア語わかりますか?いんや、ほーんのちびっとだけ。
うーん、ここは全然英語駄目みたいね。といいつつ頼むものは頼む。
メニューをみると全然高くない。大都市じゃなくて田舎だからかなあ。 パスタの各種盛り合わせがお薦めですよ、とのことだったが、 結局一品ずつ頼んだ。

ワゴンに載せられている前菜各種2、風間さんがほうれんそうだかルーコラ だかのリゾット、私と平野さんは(懲りずに(^^;;)パスタ・エ・ファジオリ。 豆とパスタ、といってもいわゆるパスタではなく、豆のスープというべきか。 例のごとく、どろどろで重いやつである。下の方にマカロニを刻んだような パスタが入っていた。
トスカーナを出てエミリア・ロマーニャでもこういうものは出るのね、と 調子に乗ってオーダー。

セカンドはやはり地の物を、ということで、牛フィレのバルサミコソース。 イタリア料理に欠かせないバルサミコ酢もモデナの特産だそうだ。 樽で何十年も寝かせたものはずいぶん値段も高いらしい。

あとはキジか鹿かなにかわからないけど肉にベリーなどの入った フルーツソースと、豚の各種(各部)盛り合わせ。

ワインはどうします?赤?白? 赤。
発泡?そうじゃないやつ? 発泡。
じゃランブルスコ?うん。というわけでミーハーではあるがランブルスコ。
軽いのでがぶがぶ飲んでしまい足りなくなったが、すぐ車を運転するので 残りは水であきらめる。

前菜はワゴンを持ってきて好みのものを盛ってくれる。豚の脂身を からっとあげたものがちょっと固かったがおいしかった。簡単にできそう。 調子に乗ってたくさん食ったら気持ち悪くなりそうだけど。

リゾットは大きな鉢に入れて持ってきたものを、ストップするまで 皿に盛ってくれる。自分でストップかけないと駄目ですよ、といわなかったら 山のように盛られていたかも。(^^;;

隣でオーダーしていたパスタもそうであった。リゾットはともかく、 パスタ、鉢の中に余ったやつは一体どうするんだろう。うーむ。

豆のスープは豆の原形はとどめていなかった。例のごとくオリーブオイルを たらして食する。美味美味。 でも自分で作ろうと思ったら手間暇かかるんだろうなあ。

牛フィレのバルサミコソースは今回初めて見る洗練された料理。(^^;; 今までずっと飾り気のないものばかりだったので、飾り付けなどしてある のをみてびっくり。肉汁にバルサミコをたくさん入れて煮つめたソース、 といったところか。たいへんおいしゅうございました、つーか。

フルーツソースも酸味があって大変おいしかった。 平野さんは豚の盛りあわせだったのだがこれが凄かった。 長辺30cmぐらいの楕円形の器に豚肉各種の盛りあわせである。これに Salsa verde (と思ったがよくわからない)をかけて食べる。

これはちょっと大変っすね、と思ったのも束の間、同じ大きさの器に 豆を敷き詰めたものの上にザンポーネが三つ乗ったのが出てくる。(-_-;;
ザンポーネとは豚足に肉の詰め物をしたもので、やはりモデナ近辺の料理 なのだそうだ。高速のSAでもお土産で売っていた。

平野さんはザンポーネ食いたい、と言っていたので食えてラッキー、 なのだがいかんせんこの量である。 どっちか片方だったら大丈夫なのだろうが、これではいかんともしがたい。 あえなくおなくなりになってしまった。(^^;; ザンポーネをちょっといただく。大変柔らかくておいしかった。

先程から店の片隅でおばちゃんがパスタを打っている。すでに生地は 練り上がっているのでそれを延ばしている。テーブルの上にはトルテリーニ (リング状のラビオリのような詰め物パスタ)ともうちょっと大きめの おなじような詰め物パスタ2種類が並んでいた。

今夜は新藤さんちで宴会だしあれ買って帰れないかなあ、ということで チーフウェイターらしきおじさんと交渉するが、オーナーでないとダメ、 ということで交渉する。 向こうは日本人観光客と見て、日本まで持って帰ると思ったようだ。

これは大変フレッシュだから、持って帰ってもダメだよ。
今夜食うんだけど。
今夜食うのか、それならいいがどこで食うんだ、モデナか、ボローニャか。
ミラノだ。
それは遠い。遠くまで持っていっちゃダメだ。それにこれは今夜出すんだ。 持っていったらまた作らなきゃいけないだろ。

てなわけであえなく失敗。(-_-;;

レジ脇には緑の箱のノチーノと黒い箱のバルサミコが並んでいた。 (田舎のレストランのわさびふりかけみたいだ(-_-;;) 平野さんが緑のやつを一つ買おう、という。 隣のテーブルのイタリア女系三世代(祖母、母、娘、いかにもイタリア的だ) がこの緑の箱を4つだか6つだかたくさん買っていた。

これなに?
ノチーノ。ここのだよ。
(のちーのってなんだかわからないんだけどしくしく。)
まあいいや一つちょうだい。

ミラノのホテルで開けるまでバルサミコと同じく酢の類だと思っていたが、 開けたら甘いリキュールの類だった。酢と同じ大きさで隣に並べて売ってりゃ わかんねーよ、つーか。 後から調べるとやはりモデナ近辺の特産物のようである。 エミリア・ロマーニャの観光ガイドにはくるみ酒と書いてあった。

そんなこんなでモデナでは跳ね馬でなく豚にやられたのであった。(-_-;;


モデナの肉地獄レストラン(c)平野さん を無事脱出した我々は次なる目的地 パルマに向かおうと思ったがあっさりやめた。(^^;;
別に理由はない。特にパルマのどこに行くというあてがなかったので、それなら とっととミラノにいっちまおうと思っただけである。

パルマ郊外のランギラーノにいって生ハムまるまる足一本購入、と 考えてもいたが、何も予備調査をしてないのではいくらなんでもあれである。 飯を食い終わった時点で3時前という時間のせいでもあった。 あまり女性陣を待たせるわけにはいかない。

てなわけで再度アウトストラーダに乗って一路ミラノを目指す。
IC から本線に乗った直後、赤い Ferrari F50 が追い越し車線を爆走して、 あっという間に見えなくなった。Mo(Modena) の PROVA(仮) ナンバー だったような気がするが定かではない。ちなみに屋根はついていた。(^^;;

ひょっとしてフェラーリの納車前点検か?

そういえば今回の旅ではフェラーリをいつにもまして見たような気がする。 車の移動が多いせいであろうか。フィレンツェ市内でもテスタロッサを見たし、 Modena sud IC で降りる直前にランプウェイで青い 456GT が止まっていた。 (なぜ?(^^;;)平野さんも355など見たそうだ。

ガスがなくなってきたのでそろそろ補給しなければいけない。リクエストは やはりセルフ、そしてAgipである。(^^;;一般道を走っている時点からいろいろ 探してみるのだが、なかなかうまくいかない。 ちなみにマラネロを出るときから私が運転している。

あのスタンドAgipだよ。でかいな、セルフじゃない…かなあ。
あっ、今のスタンドセルフのコーナーあった!
えっ、もう遅いっすー(;_;)。じゃ、次入るね。

SAあるっす。スタンド入るっす。セルフのコーナーは…ないっすね。(;_;)

てなわけで外しまくって結局最後までセルフはだめなのであった。 セルフだとちょっと安いらしいが、別に値段はどうでもいいのである。 日本だとできない自分で給油つーのをしたいだけなのだ。 (ぼく去年ドイツでやったからいいもーん。でもストッパがかかった後 ちびちび給油するの難しいっす。 去年あふれさせて腕がガソリン臭くなってしまった。(-_-;)

給油したあとちょっと売店に寄る。雑誌のコーナーなど覗くと、 Auto Supermarket という、イタリアのカーセンサーがあったので買ってみる。 平野さんは後部座席でさっそくチェックしている。 なかなか怪しい出物があるようだ。(^^;;

9割以上はどうでもいいが、見るべきものは残り1割ぐらいか。 さすがイタリア、色々あって楽しい。

Fiat Abarth 1000 coupe (850base) 1600万リラ、100万円じゃん、
どう?これなら買えるっしょ、あばるとぺるふぁぼーれ、でいいじゃん。(^^;;
TOPOLINO Barchetta "DISCO VOLANTE" ('50) だって、なにこれ?
価格応談かあ。怪しいなまったく。(^^;;

しまいにゃ、Alfa Romeo F1 tipo 184 (Benetton color, Patrese), tipo 182 (Marlboro color, De Cesaris) まである。これも価格応談か。

などと馬鹿話をしながらミラノへ向かう。ボローニャ以北のアウトストラーダは 三車線である。交通量は多くない。トラックが思ったより少ない。 なにが走りやすいって、追い越したらすぐさま走行車線に戻ることもあって 追い越し車線はがらがらなこと、トラックが追い越し車線へ出てこない (出てきてはいけないような標識があった)ことである。

見晴らしがいい、と平野さん(風間さん?)が言っていたが、日本だと ちょっと市街地にはいると騒音防止のフェンスがたってしまうせいでもあろう。

走行車線の平均速度は110-120km/hぐらい。アウトストラーダの制限 速度はいくつだったか忘れたが、140-150km/h ぐらいで快適に走る。 時々後ろから馬鹿ッ速のデルタやらメルセデスが来るほかはこの程度の 速度で走れば十分流れをリードして走れる。

最高速テストをしてみたが、180km/h+ ぐらいで車が振動しだしたので あきらめる。200km/h はちょっと厳しいか。

モデナ、ミラノ間は200km足らず。夕闇が迫るころミラノに到着。 モデナで一旦降りたが、ここまで合計2万リラ前後、300km走って 1,500円足らず、日本だったらその数倍か。(-_-;;
ここまではいいのだ。これから走る市内の方が問題なのである。(^^;;

まずホテルにチェックインしてから、新藤さん宅に向かうことになっている。 一応目指すホテルの場所は市内地図にチェックしてあるものの、我々の ことである、そう簡単に事が進むとは思えない。(^^;;
案の定、どこかわからないところで高速を降りていきなり迷子状態である。

毎度の事ながらしょうがなく標識の市内中心(centro)方向を頼りに走る。 ミラノ市内はフィレンツェと違って道も広い。心配だったのは道がわからない ことに加えて大都市ならではの交通環境つーかいわゆるひとつのイタリアの あぶねー(と言われている)運転に伍して走れるかどうかであった。

ほとんど片側二車線程度の道なのだが、センターライン以外の車線の区分が ないのでそのへんみんないい加減である。真ん中を走っている奴あり、 それを外からぶち抜いていく奴ありである。信号待ちの時も同様。 二車線分のまんなかに止める奴あり、その外や内から鼻先を突っ込む奴ありで 頭を突っ込んだもの勝ちである。

みんな信号を守らないかと思ったがやはり北の大都市ミラノだけのことはあって 信号無視して突っ込んでくる奴はいなかった。ただしローマ以南では どうか知らない。(^^;;(でも少なくともローマでもいないと思う)

ただ信号はどこにでもあるわけでなく、必要最小限、という感じ。 ロータリーなどにはない場合が多く、左右に注意しながら、うまく 自分のいきたい方向に頭を突っ込まないといけない。

そうこうしてる間に慣れたもので、流れに乗った右折(日本だと左折) ぐらいではウィンカーなんかださないようになったりする。(^^;;

一度二度ほど止まって通りの名前など確認する。目指すホテルになんとか到着。 駐車場などという結構なものはないので路上駐車である。なかなかスペースが みつからなかったものの、なんとか車を止めてホテルにチェックイン。

平野さんも書いていたが、ホテルの向かいは公設市場である。 新藤さん宅での宴会の材料を買い込むためレッツゴーである。わくわく。 フィレンツェの中央市場ほどの規模ではない。20店程度か。

イタリアに来てからほとんど青ものを食べていないので、サラダ食いたいねえ、 ということになる。フィノッキ(フローレンスフェンネル)ひとつ、それそれ。
あとね、ルッコラ三つ、違う違う、フェンネルあと三つじゃない、ルッコラ、
え?ルッコラ、わかんない?なに?これっす、これこれ。
ルーコラ(頭にアクセント)。
あ、ルーコラつーのね、三つ。

2600リラだったか。150円そこそこ。ひょえー、安ぅー。
平野さんはハム(屑肉を寄せたようなやつ)、お惣菜(なんかのゼリー寄せを せん切りにしたもののあえもの)、ラビオリ(生)、私は水牛のモツァレラの 薫製したやつなど買う。日本で食えないものは何かなあ、と考えていたら これになってしまった。結局その日は食わず、日本に持って帰ってしまった(!) のだが。外側の皮の部分が薫製されて香ばしくてよかった。(^^;;

今年の新酒を一本仕入れる。何種類かあったが、 一番ラベルのかわいかったものにした。(どの地方のものかは忘れた)

ミラノとフィレンツェの市場を比べて何が違うかと言われたら、やはり ミラノの方が洗練されてるというか、庶民ぽいフィレンツェに比べて ちょっとお洒落(あんまりいい言い方じゃないなあ)であった。

一番違いがよくわかる(と思った)のはチーズ店であった。ミラノの方が 品揃えが多い。フィレンツェはあくまでもトスカーナ近辺のものが中心である。 もっとも、モツァレラやらリコッタなどの全国区のチーズもあるのだが。

ミラノだとそれにフランスのものが数多く加わっていた。クロタン、 サンマルスランなどを初めとしてフランスものの割合が多いのが 一番大きな違いだったと思う。やはり経済の中心で各地のおいしいものが 集まってくるミラノと地方の中心都市フィレンツェというところか。 まあ地理的にフランスに近いこともあるけれど。

などとあれこれ考える間にホテルの隣のスーパーに寄って少し買い物を して新藤さん宅へ。ホテルから車で10分程度の距離である。 なんとかほとんど迷わずたどり着いた(ような気がする)。(^^;;

光さんと新藤さんがフィレンツェの市場でバゲットにフィレ肉を挟んで ベーコンとローズマリーを巻いたものを買ってきてくれていた。 ハム、お惣菜、サラダ、コンソメにラビオリをぶち込んでスープ、フィレ肉、 などあれこれわいわいがやがや作りながら食べる。

ほとんど手のかからない軽いものばかりだったが、フィレ肉はちょっと ぱさぱさした感じがあって食べ辛かった。疲れていたようで居眠りして しまう。そうこうするうち新藤さん宅を辞してホテルへ戻る。

明日はミラノ西北、アレーゼにあるアルファロメオ本社内にある博物館、 Museo Storico Alfa Romeo を訪ねる予定である。

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text and photo: nigel@st.rim.or.jp