Nov .8 (Mon)
Como(Cernobbio) - Milano - Firenze
8時前ぐらいに朝食のために食堂に降りていく。ほとんどの客は7時半の送迎バスで
空港へ向かったようで、食堂には誰もいない。片付けられていないテーブルがあちこちに
みられる。きれいなテーブルをみつけてセルフサービスの食事をとる。
ここは夜はラウンジになるようで、ドラムセットやグランドピアノがおいてある。
うーん、高級…
我々の送迎バスは10:30出発のためまだまだ時間があるので、
コモ湖を散策することに。ベッド脇に置いてあったお薦めジョギングコース図を
前夜見たところ、ホテルからヴィラデステまで約2kmということが判明、
これはぜひとも行かなくてはと一人でひっそり盛りあがる。
知っている人は知っているあのヴィラデステである。
現在は超豪華ホテルであるが、ルネサンスマニエリズムの庭園で有名でもあるし、
車好きにはそこで行われる車のコンクールで有名でもあり、
アルファロメオにはその名を冠した名車が存在する。(6C2500 Villa d'Este)
30分ぐらいかけてゆっくり歩きながら
ヴィラデステの門の前まで到着。
入ろうとすると守衛に止められる。宿泊客じゃないので入れてもらえない。
ラウンジでお茶だけでも、つーわけにはいかないわなと思いつつあきらめて帰る。
文献によれば、週末には一般公開されているとのこと、タイミング悪し。
庭園を見ることはかなわずふらふらと来た道を戻り、バールでエスプレッソをひっかけ
コモ湖畔でぶらぶらする。
シーズンオフの初冬の月曜の朝なので人気はまったくない。
鴨だけが元気に湖を泳いでいる。
湖畔には船着き場やカフェや遊園地が
あってメリーゴーラウンドまである。
メリーゴーラウンドといっても乗るのは馬でなく、よくわかんないバギーに
蛇やフィアットのエンブレムがついている車だったり、モデナナンバーの
フェラーリF40だったりマジンガーZだったりするのが
イタリアの懐の深さである(うそ)。
適当にきりあげてホテルに戻り、送迎バスを待つ。
10:30の便の乗客は我々と一人旅らしき日本人男性が二名。
メルセデスのミニバンで新装なったマルペンサへと向かう。
朝はどうかなと思ったが天気は良く、北西に雪をかぶったアルプス?が見える。
途中渋滞などもなく1時間とかからず空港へ。
フィレンツェ行きの便は登場手続きが始まっていたのでとっとと
手続を済ませ荷物を預けて空港内でぶらぶらする。
なぜか寿司特集のイタリアの料理雑誌をゲット。飯の炊き方、酢飯の作り方から
魚の捌き方までまじめな特集で、ヨーロッパでの寿司ブームを感じさせるものがある。
でも特集記事はどうでもよくて他の記事が見たかったからではあるが。
なんだかんだでお昼近くになったので昼食をとることにする。
空港内に食事を取れる店は何軒かあるが、どこも似たような
カフェテリア形式の店でどれもいまいちである。
ペックも出店しているがそそられず。
最初からこの一食は捨てているので(^^;; あきらめて2階のカフェテリアで
ブレサオラ(牛の生ハム)、ラザーニャなどを食べるが特に論評するものではない。
飯を食べつつ横にあるフライトインフォメーションを見る。
どれどれ、搭乗は始まっとるかの、と思いつつ掲示板を見ると
cancelled
目が点になりつつそそくさとトレイを片付け、再度チェックインカウンターへ。
これってキャンセルか?と尋ねるとやはりどうもキャンセルのようである。
カウンターのねーちゃんは何度か電話を掛けて確認しながら次の便の手続をしてくれる。
んー、次の便は3時間後の16:xx分発ね。
げろげろ。どうやって時間潰そう(^^;;
えー、荷物もう預けちゃってあるんだけど大丈夫かなあ。
そちらに振り替えるようにしたから大丈夫と思うんだけど、バゲージの
タグがこのままでいいかどうか、下の搭乗口のカウンターの係員にきいてちょ。
だめなら新しいのにつけ変えますから。
と言うのでしかたなく搭乗口まで降りていき係員に確認すると、
のーぷろぶれむっす、というがそれがまたさらに不安をあおる(^^;;
しかしのーぷろぶれむと言ってる以上しつこく食い下がっても意味がないと
思いそれから3時間、空港難民になることに。
あーヒマヒマ。
免税店の食材も酒もチェックしまくったし本も服も見たし、
することねーよー、搭乗まだはじまんないのかよーと
掲示を見るが表示はなかなか変わらない。
そんなこんなで約三時間経過したので搭乗口の方へと向かう気になったのは
日も西に傾いた午後4時過ぎであった。
やっと手続を終えて機体まで向かうバスが発車したのは
ちょうど日が沈んだ時だった。
今回のミラノ→フィレンツェ便は以前よりはおおきめの機体で、プロペラでなく
ジェットであった。機体が滑走路で離陸を待っているのだが、着陸機が
がんがんやってきてなかなか飛ばしてもらえない。
あたりが段々暗くなって
うーむむむ、えーかげんにせーよおんどれ
と思い始めた頃、やっと機体はミラノをとびたっていった。
フィレンツェまでは約1時間弱、低いところを飛ぶのですっかり暗くなった
下界の夜景を楽しみつつ何事もなく到着。荷物が降りるのを待っている。
荷物が出てこない。
半分ぐらいの乗客は荷物を持って出ていったが残り半数約15名ほどは
荷物が出てこなくて待っている。待っている。待っているがもう終わり、と
係員が言っているようなので(^^;;、皆バゲージクレームのカウンターへ。
おれの前に並んでいるのはかなりけばい化粧をした50代のおばはん。
ファッション関係かなんかそういった仕事なのであろうか、迎えに来た女性陣
約3名もかなりけばい。この荷物は仕事の大事な荷物なの、明日の朝一で
荷物がないと困るのよ、ちゃんとして頂戴、後で取りに来るわ、などと
叫んで去っていった。
やっと自分の番だ、予定狂っちゃったからフィレンツェには今夜一泊しかしない
ところに荷物が遅れたらどうするべなどと思いつつタグを見せる…
係員のおばちゃんはタグの名前を一文字ずつ読んでいる、すると、
これなら裏にあるから私についてきて頂戴。
とのたまい、我々を裏の忘れ物倉庫へ連れていってくれる。
果たしてそこには我々の荷物があったのだ。
むむむむ、なんで客より先に荷物がついとんじゃどないなっとんねん
実は先の便はキャンセルされていなかったのでは?だの
客だけ乗せないで便は飛んでいたのでは?だの
あれこれ想像をたくましくして考えるがようわからん。
係のおばちゃんに聞いとけ、つー話もあるがそん時は荷物が出てきて
ほっとしてそんなことはどうでもよかったのである(^^;;
市内へとタクシーで向かう。すでに19時近くになっている。
フィレンツェに着いたのは当初予定から20時間ほど後であった。
SMN駅近くのホテルにたどり着く。2年前に泊まったホテルなので
探さなくていいという理由だけで今回もここにした。定宿なんていうのは
そんなふうに決まるのかもしれない。
ゆっくり休むでもなく夕食を食べに街に出る。
ドゥオモからポンテベッキオを渡って川の向こうを歩いていると、
連れが体調が悪いので休みたいからどこでもいいから店に入ろうという。
近所にあったのはなんとあのおかんじょうオヤジの店であった。
8時をまわっていたので、周りには結構な数の客がいた。
最初のまともな食事なので気合を入れてごおごお、と行きたいのだが
連れは体調が悪くメシどころではない。
意気消沈しつつ二人で二皿片付けて店を出る。
懐かしいあのおかんじょうオヤジの顔も見えたのだが心なしか不愛想であった。
そんなこんなでホテルの近所のバールでグラッパをひっかけて
部屋に戻りとっとと寝る。
明日は昼にはフィレンツェを発ってマントヴァへと移動する予定。
マントヴァでは先に着いているはずのAさんと合流することになっている。
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text and photo: nigel@st.rim.or.jp