Nov. 11 (Thu)

Mantova - Cremona - Alba

今日は移動日。
午前中に市内中央の広場近くのタツィオ・ヌヴォラーリの博物館を見てから、
昼頃マントヴァを出発してピエモンテのアルバまで、イタリア北部を横断する予定。
トリエステからモナコまで下道でいろんな街をめぐりながら旅してみたいと
つねづね思っているのだが、結果的に今回はその1/3ぐらいを
実現したことになるのであろうか。

Marchesi di Gresy のバルバレスコ(CAMP GROS か GAIUN か忘れた)を朝っぱらから飲みに行くために
広場近くのバールへいこうとすると、今日はの立つ日で、
宮殿前の広場にはいろんな店が出ていて大勢の人で賑わっていた。

広場近くのそのバールは、どちらかというと狭い店だが、
最近オープンか改装したらしくモダンでこぎれいであった。
窓際にワインの棚がありいろんなワインが並んでいるが、値札などの表示はない。

Aさんは 88 か 89 かどちらにしようかひとしきり考えてから棚から瓶をとり、
(これもどちか忘れた)白髪と太い眉毛がミック・ドゥーハンそっくりなおやじに、
これグラスでくれっす、とお願いした。

ほとんどの客がコーヒーと朝食を取っている中でおれたちだけ
朝からグラスを回してワインを飲んでいる(^^;;

しかしうまいっす。朝からこんなにうまくていいのか…
Aさんと私でそれぞれ一杯ずつとか思っていたが結局二人でハーフボトルを空けてしまった(^^;;

最初は気がつかなかったが、この店のオヤジはいろいろこだわりの人らしく、
店もvinoなんとかいう名前で、店のロゴ入りのグラスやグッズがあったりして、
一見ただのバールなんだけどワイン好き御用達ワインバーつーところか。

棚にはどうやらオヤジおすすめらしきオリーブオイルも並んでいる。
産地は忘れてしまったが、Aさんと連れはオイルを買っていた。
ここもパンを食べる時は、棚から自分で好きなのを取り出すシステムで、お勘定は出るときである。

朝っぱらからご機嫌になってタツィオ
・ヌヴォラーリ博物館を探して歩く。
宮殿前の広場に面したところにあるらしい。市の立っている広場を
ぶらぶら歩きながら探すこと十数分、案内板はあるのだがなかなか見つからない。

その辺を歩いている地元の人に尋ねてみるがよくわからない。
三人目に聞いてやっと見つけたと思ったら入口は市場のテントの裏で
今日はお休みである。詰めが甘いっす。

あきらめて街をぶらぶら歩きながらホテルに戻り、出発することに。
Aさんを駅前でピックアップ。でかいトランクがトランクにはいらないので
リヤシートで荷物と相席を我慢してもらいつつマントヴァを出発。

マントヴァはかつて栄えた北イタリアの街らしく、こぎれいでいかにも金持ちらしい
街であった。金持ち喧嘩せず、とこの街を評してAさんは言った。


昨日と同じ国道をクレモナへと向かう。昨日よりは少し交通量が多く
トラックの後ろに何台か列ができていたりする。
クレモナで高速に乗る前に昼食を取ることにする。

ICを通りすぎて市内のはずれにあるだだっ広い駐車場に車を止める。
スタジアムか公園か何かの駐車場のような感じで車はそれなりに止まっているが
あたりに人気は少なく結構ガラガラで、リアシートの荷物が盗まれないか
どうか心配になるがとりあえず飯を食いに行く。

国道を市内方向に少し歩くと食堂があったが、どうもそそられない。
もう少しぶらぶらすると裏通りにピッツェリアがあったので、
おそるおそる様子をうかがうとそこそこ客もいるようだしピッツァを食うことにした。

入口近くに釜があり、職人さんが生地を延ばすところや焼くところが見えた。
生地は厚くもなく薄くもなく、40cm弱とサイズがでかいので3人で2枚を注文。

Pizza margherita con mozzarella buffala は水牛のモツァレラを使ったマルゲリータ。
Pizza quattro stagionato はカルチョフィと牛乳のモツァレラ、生ハムと
茸かなんか、忘れてしまったがこっちはいまいち。おーカルチョフィだと思って頼んだが
水煮であった。水牛のモツァレラの方はうまかったので(もちろん牛のモツァレラの
ものより値段は高い)みなそこそこ満足した。

エスプレッソがまだだったので駐車場の方向に戻りつつバールを探す。
結局駐車場の向かいまで戻ってきて名前が悪いとみなでいいつつも
Nino というさびれたトラットリア兼バールでエスプレッソを飲んだ。

心配していたが荷物は無事で、車に乗り込みピエモンテへ。
フィレンツェ→ボローニャ間の高速ワインディングを100km/h超で
走るとすこし頼りなさがあって、やっぱり街乗りセッティングなのかなと
感じていたので(そらそーだろー)、最高速テストもせず130km/h ぐらいで巡航。
平坦な直線道路を突っ走る。

途中Audi TT coupe や Alfa 166 など出たばかりの高級車に何度もぶち抜かれる。
やっぱり北イタリアは金持ち多いのかなあと思いつつピエモンテへ向かう。
朝は曇っていたのだが高速に乗っている間はうっすらと
雲の間から陽が差していた。アスティまで150km弱、軽い休憩をはさんで
1時間半ほどして高速を降りる頃にはすっかり曇って雨が降り出しそうになっていた。

高速を降りてアルバまでは約20kmぐらいか、下道をのんびり走っていると
ついにぽつりぽつり降ってきた。街道沿いにでかいエノテカがあったので
入ってみる。観光客相手という雰囲気だったが、タンクからワイン計り売りをやっていた。
このタンクは一般消費者というよりは業者向けみたいな気がしたがもしかしたら違うかもしれない。

カウンターの冷蔵のガラスケースにはしっかりと白、黒トリュフがごろごろ並んで香りを放っている(^^;;
いや、ちゃんと蓋されているから放ってはいないが放っているはずなのはよくわかる。
ををををを、とりふとワインの王国へやってきたのだなあという気分をいやでも盛り上げる(^^;;

とりあえずここでは何も手を出さず、アルバ市内へ到着。
市内の入口にいかにも野菜市場という雰囲気だが今日は市が立つ日ではないらしく
巨大な駐車場になっている広場がある。Aさんのホテルはその近所らしい。
ホテルの場所はわかったようだが、一泊しかとれずに翌日はまたホテルを移らねば
ならないとのこと。我々のホテルのロビーで後で待ちあわせすることにする。

さて今度は我々のホテルを探さねばならない(^^;;
いつものように市内をぐるぐる回るとわりとあっさりみつかった。

ホテルの近所は狭い一方通行の道ですでに車がいっぱいで
止めるスペースがない。ホテルの駐車場もいっぱいで入れてもらえない。
とりあえず前に止めて荷物だけ降ろして少し先の広場へ。

一台空いたところへ滑り込ませパーキングメーターに1時間分だけ
コインを入れる。街のメインストリートが広場につき当たるところの
すぐ脇にホテルがある。道を挟んで斜め向かいにはスーパーマーケットや
ショッピングセンターがあって期待大である。

部屋に戻って一休みしてからフロントで話を聞くと、
夜の間ならパーキングメーターじゃなくても
その辺に止めて大丈夫、とのことで、車が見えないと不安なので
しばらくして暗くなってからホテルの近くに車を止める。

宿泊料は結構安かったので予約したのだが、100室近くあるかなり大きいホテルで、
ホテル前の道は狭いというのに、観光バスが横付けして観光客が
ぞろぞろとチェックインしている。

雨も止んでいるのでホテルの斜め向かいのショッピングセンターを覗く。
地下はスーパーになっている。
固形ブイヨンだのサフランだの色々とお土産用の小物を購入。
塩も自由化された昨今、イタリア食材については、値段を抜きにすれば
どうしても買って帰らないといけないというものは少なくなっている。

そうこうするうちAさんと合流。ここまで来る間に街を一回りして情報収集を
終えたようで、またこの街に10年住んでいるかのごとく案内してくれるだろう。

ホテルの近くの広場の裏手にあるレストランに行くことにする。
ここはスローフード協会発祥だか協賛だかの店らしく
(この時はうろ覚えだったが本部は隣町のブラにある。詳細は『スローフードな人生!』島村菜津、新潮社
および esquire誌日本版 2000年10月号参照)窓にカタツムリのディスプレイが貼ってある。
入ってみると予約で満員で断られる。

じゃあ、ということで明日の夜の予約をして次の店へ。
ここもいっぱい。メインストリートの方へ回るが、そちらは商店とバールはあるが、
レストランはない。商店も観光客相手の酒屋や高級ブランドなどが多くゴージャスである。
食料品店にはトリュフが山のように並んでいるが単価は書いてない(^^;;

メインストリートから1本道を入った店を覗いてみるがここもいっぱい。
あそこなら空いてるんじゃないかな、と言われたがそこはすでにダメだった
店で、その近くを歩いているうちにやっと何とかテーブルを見つけることができた。
その店も段々と混んできていっぱいになっていた。

昨日までとはすっかりメニューが様変わりして、ピエモンテ気分を満喫。
しかし内容をすっかり忘れてしまったので単にメモから羅列するだけだが、
結構違いはわかるのではないだろうか(^^;; 

野菜のフラン+バーニャカウダ
フォンドゥータ(のプディング)+白とりふ
Tajarin ウサギソース
Plin
牛バローロ煮
Uova tegamino (卵料理のはず)
Vitello tonnato(子牛とツナの煮込み)

Tajarin はいわゆるタリオリーニのような手打ち細麺で、そのピエモンテなまりかと
思われる。
プリンはラビオリみたいな詰め物パスタでラビオリ アル プリンなど書かれていた。
この二つはピエモンテをふらふらしている間はよく見たパスタであった。

フォンドゥータというのは、フォンティーナチーズと卵黄で作るフォンデュで、
ここでは型に入れて固めた上から白とりふを散らしていた。

ワインはBarolo 1991。作り手は失念。  


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Text and photo: nigel@st.rim.or.jp