フロントアーム、ブッシュ、ステリングロッド類の交換


はじめに
最近、ブレーキ時に軽くハンドルを取られることがまれに発生してきたので、フロント足回りのアーム、ブッシュ類は折を見て整備したいと思っていました。私のM535iは、記録簿上や私が所有してからも、それぞれ一応交換整備はされているのですが、交換時期がまちまちであるため、どこかを交換しても、またいずれ他の箇所が劣化してくるのは面倒と思い、ここは思い切ってフロントアーム、ブッシュ類とステリングロッド系統を交換しました。

交換後はとてもしっかりした感触になり、直進、ブレーキ、コーナー供実に安定した状態で、これでしばらくは足回りは心配しないで済みそうです。

こららの整備はE23,E24,E28等、ちょっと古いBMWならお約束の整備内容らしく、リフレッシュ後はBMW本来の素晴らしいハンドリングになりますので、足回りでお悩みの方の参考になれば幸いです。
今回の整備は(当然ながら)自分では出来そうもなく、部品は全て個人輸入による工場持ち込み整備でした。交換点数の割にはなかなか合理的に済んだのではないかと思います。


 
不具合の予兆と原因(私の場合)
不具合現象
原因と対処
100km/h前後でハンドルがぶれる。
または、ブレーキ時にハンドルがあばれる。

(入手直後:89,000km時点)

 

アッパーコントロールアームブッシュの劣化
左右ブッシュ交換で完治。

ぶれが酷いときは、小刻みにハンドルが3cmぐらい左右に回転振動してました。(無謀にも手放しして確認)
速度が変わると収まります。
ブレーキ時のハンドルのあばれは必ず発生するわけではなく、轍の大きい路面でときどき発生していました。あばれるときはしっかりハンドルを押える必要がありました。

詳細は昔の記事を参照方。
ハンドリングにガタを感じる。
コクリと音がする。
横すべり感がする。

(98、000km時点)

タイロッドのガタ。
オフ会会場にてヘラルドさんに診断して頂きました。下回りを覗きながら、ハンドルを軽く左右にゆすり、ジョイントの動きを見るとスムーズに動かずガタがあるのが一目瞭然でした。

左右タイロッド交換で完治

ブレーキ時に軽くハンドルが取られることがある。
(今回:134,000km時点)
センターロッドのガタ、あるいはロワーコントロールアームブッシュの劣化
一式交換で完治(どっちが悪かったかは不明)

 
準備した部品
交換のため準備した部品は
 
  • スイングアーム(左右)
  • LOWERコントロールアーム(左右)  <別名フロントコントロールアーム、または単にコントロールアーム等>
  • UPPERコントロールアーム(左右)   <別名 スラストアーム、またはリアトラックコントロールアーム等>
  • UPPER コントロールアームブッシュ2個(E32 750用)
  • センターロッド
  • タイロッド(左右)
  • アイドラアーム
  • フロントスタビライザブッシュ(左右)
  • リアスタビライザブッシュ(左右)

  • です。 

    これらの交換は、関連した部分を一旦ばらすので、交換歴が不明だったり、ある程度使い込んでいる場合は、できれば同時に交換する方が長い目でみた場合経済的に思います。

    おニューの部品。上からスイングアーム、白いアルミ製のがLOWERコントロールアーム、その右の小さいのがアイドラアーム、一番長いのはセンターロッド、下はタイロッドです。

    今回、奮発してE34用のLOWERコントロールアームを手配しました。E28とE34はこの部品は鉄製で部品番号も同じ共通部品なのですが、E34にはアルミ製の設定があるのでこれを流用、鉄製のよりちょっとお高いですが、こちらは500gばかり軽いので、まあ気分の問題でしょうか。

    ただしアルミアームは鉄製のと違い、ブッシュ部分の打ち換えは出来ないそうなので、次回はまたアーム毎の交換が必要とのことです。

    からLOWERコントロールアーム、UPPERコントロールアーム、UPPERコントロールアーム用ノーマルブッシュ。アームは交換した古い部品です。LOWERは上の画像のアルミ製にくらべて見た目に細いですが強度は同等とのことです。鉄ですから当然といえば当然ですね。

    UPPERコントロールアームは前回9万km時点で一度ブッシュ部分だけを交換しているので今回はアームごと新品を用意し、これにE32-750用のブッシュをプレスで打ち込んで使用しました。写真がないですが、このE32-750用ブッシュはE28ノーマルよりゴム量が多く、強度・耐久性が高いらしいのです。ただし、鉄芯部分を片側約1.5mmずつ、計3mm程度削らないとそのままでは使えません。はたしてどんな具合になるのか、今回の交換で一番の楽しみでもあります。

    下の2このブッシュは、新調したアームに付いていたものなのですが、750ブッシュ挿入のため打ち出してしまいました。不要なのでもし入用の方いらっしゃいましたらさしあげます。


     
    装着の様子
    画面下方が進行方向。まだセンターロッドとタイロッドは付いていません。
    白いのがLOWERコントロールアームです。たしかにストラット付け根の下側にジョイントされてますね。上側にジョイントしている斜めに黒光りしているのがUPPERコントロールアームです。スタビライザにジョイントされてるのがスイングアーム。
    画面右が進行方向。今回交換した部品のうち、アイドラアーム以外は一応全部写っているのがおわかりでしょうか。
    自分の車の下回りをじっくり見る機会はなかなかないので、こうした画像は有難いものです。

    注:撮影時点ではアンダーボディ補強バーと遮熱板は外れている状態です。


     
    装着後
    どれも一辺にあたらしくなったので、どこがどう、というインプレッションは出来ないのですが、ハンドル操作が非常にしっかりとし、また、パワステのプレッシャポイントも調整して頂いたので、直進時のハンドルの座りもずいぶんと上がった感触があります。また、不思議なことに、タイヤのグリップが向上した印象があります。
    トーイン調整のためか、高速での安定性もかなり上がりました。

    気づいたのは、路面のロードノイズがほんの少し大きくなった気がします。しかしこれはわずかな差なのですぐに気にならなくなりました。

    今回はセンターロッドにややガタがあり、これがブレーキ時のハンドルのぶれが原因だったのかもしれません。(ここだけ換えれば良かったかもという詮索はなしデス^^;) たしかに、私の車の整備歴ではここが一番長持ち(13万km)してしまったところです。他のアームやロッド類は一応、6,7万km以上は持ったことになります。
    ということで、おそらく20万km達成まではフロント足回りはこれでいけそうな気配です。


     
    おわりに

    今回の整備はすべてTWTさんにて行ないました。(足回りの他、あちこち念入りに整備して頂いたゆえ、このページだけではまだまだ足りていません^^;)
    Special thanks  TWTさん!

    2001.03.03


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