第七章 ウクレレと嘘

 ウクレレコンサートはうまくいきましたでしょうか。
 さて、ギターやその他の音楽的知識のある人ならわかりきったことですが、わたくし嘘をついておりました。嘘はよくないじゃないかと怒り出す人もいるかもしれません。まあまあ、ちょっと、おちついてください。大人には嘘の必要な時もあるはずです。
 さて、コンサートをやろうと思って、実際にいくつかのスコアシートを入手した方は、「おかしい」とおもわれたのではないでしょうか。わたしが言った、基本の3コードとは「C」「F」「G」だったはずなのに、「きらきら星」も「ちょうちょ」も「G」ではなく、「G7」になっているじゃあないですか。
 実は基本の3コードとは「C」「F」「G」ではなく「C」「F」「G7」なのでした。嘘ついてごめん。
 しかし、嘘も方便というじゃないですか、そうしたのも何か訳あってのことでしょう。などとやさしいあなたは言ってくれるかもかもしれない。どんな嘘の裏にも、何かしら訳があるものなのよ、とあなたは小指を立てて少し冷たくなったレモンティをくるくるとスプーンでかきまわして、おもむろに私の目をじっと見つめたりもするかもしれない。
 しかし、理由は「なーんにもない」のだった。ただなんとなく、G7が私はうまく押さえられなかったからである。
 GとG7を聞き比べてみると

とまあ明らかに違うわけなんであるがそれでもなんとか弾けていたわけである。弾けてない、という人も多数いるかと思うが、自分的には弾けていると思うことの方がここでは重要なのである。
 この、何となく、あるいはむしろはっきりと「違う」のに違っていないような気にさせるのがウクレレのよいところなんである。そうすると、覚えるべきコードの量も飛躍的に減るのではないか、私はそう踏んでいるのである。所詮コードなんてコードである(←意味不明)例えばギターコードの出ているスコアなどを買ってみると、同じ曲なのに本によって微妙にコード進行が違っているという事もある。兄貴格のギターでさえこのザマである。ましてやウクレレである。

  • 押さえるのが難しいコードは簡単なコードでごまかす。
     (同じCなんたらなら、ともかくCで
    弾いてみるとかね、まあ違うんだが。)
  • それでも駄目な時はとばす(第六章 コラム参照)
  • 元気な歌声
がウクレレの3本柱でありましょう。
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