第六章 いよいよライブ

 基本的なところをおさえたら、いよいよ発表会です。まだコードを3つ覚えただけでいいのかと思われる方も多いでしょう。よくはないです。しかし、人に聞いてもらえてこそ、上達があるというものです。批評や批判を恐れてはいけません。批評批判があってこその芸道です。
 家族、友人、仕事の取引先など、相手の顔色など気にせずどんどん弾いてしまいましょう。うまく弾ければお慰み。うまく弾けなきゃその時はその時です。そのまま後ずさりして退散しましょう。
準備
 あなたが、エリック・クラプトンか小泉今日子でもないかぎり、ウクレレを始めて間もない人間の演奏を聞きに来てくれる人はいないでしょう。基本的に「流し」のスタイルを守って、いつでも歌える準備をしておく事が大切です。ウクレレは軽く右脇で押さえ、左手は軽くネックを握り演奏に備えます。このポーズで出発です。
 ウクレレとは不思議な楽器で、大切な商談や、愛のささやきに割り込んでくることはありません。いつもただ、「なんとなくそこにある」という感じです。この特性を利用して、常に小脇に抱えておくのがいいやりかたです。
 あなたが小脇にかかえたものが、赤ちゃんだったり、猫ちゃんだったりしたら、大抵の人間は「あーらねこちゃん、かわいいでちゅねー」などというものですが、ウクレレは、ただ見ただけで一般ピープルのハートを能動的に揺り動かすという事はないようです。大抵の人間は、あなたがウクレレを持っていればこう思うはずです。
「あ、ウクレレだな、小さいな、軽そうだな、でも何で持ちあるいてんの」
「あ、ウクレレだ、やだな、聞かされるのかな」
 いずれにしても、敵は約1秒の考察タイムです。
 そこです、そこがわれわれのつけめなのです。第5章でピックアップした推薦曲「きらきら星」「タフア・フワイ」「風に吹かれて」の3曲をみっちり勉強しましょう。そしたらいよいよ、ストリートライブ・オブ・ナガシのスタートだ。


究極のテク「弾かない」

ともかく人に聞かせよう!というのがこの章のテーマですが、そうそう指が動かない時もあるでしょう。そういう時は、別にワープロを叩いているわけではないので、忠実に音をトレースしようとしても、誰も誉めてくれません。あくまでも、その場のリズムに乗る事の方が大切です。まずは歌で相手を圧倒しましょう、指が追いつかなくなったり、わからなくなったら、一層大きな声で歌いましょう。ウクレレは弾けずとも、歌は死なずです。ウクレレで伴奏をするなどと思っちゃいけません。歌のそえものとしてウクレレがある。と考えておけばいいでしょう。この技をマスターすると、最初の一小節のコードだけ覚えれば、どんな曲でもOKという事になります。便利な技なので、ぜひマスターしておきたいものです。

手抜き演奏


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