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PHS でインターネット

Author: ♪きむらかずし <kimu@st.rim.or.jp>
Original URL: <http://www.st.rim.or.jp/‾kimu/palm/phs-inet.html>
Version: 0.94
Last update: Aug 7 1996
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はじめに

本ドキュメントは、 PHS にモデムをつないでシリアル接続や PPP 接続を するための情報を集めたものである。 我ながら恥ずかしいタイトルだが、そういうことなのだ。 別にパソコン通信でも同じである。 普通の電話でなら、なんの問題もなくインターネットしている人を対象としている。

使用上の注意

(1) 小児の手の届かないところに置いてください。
(2) 筆者に質問メールを出さないこと。迷惑なのら。
(3) 著作権は放棄せず、コピーフリー、転載フリー、リンクフリー。
(4) 無保証。要自己責任。

必要なモノたち

コンピュータ( RS-232C ポートがあるモノ)
モデム(電話からの電圧 46V を検出しないモノ)
PHS ( 1 円でもかまわないが、マイク端子は絶対必要)
通称セルラーケーブル(マイクジャック←→モジュラージャック)

接続先(プロバイダやパソコン通信や...)
ちなみに筆者の環境は、
コンピュータ: HP200LX (自宅: PowerPC Powered PowerBook 520 )
モデム: XJ2144 (自宅: SUNTAC MS288EF )
PHS: NTT Personal 201P (松下電器製)
セルラーケーブル: 秋葉原の若松 B1 で 3,800 円で買った。コブなし。

接続先: リムネット(東京 1 )、たまに NIFTY-Serve

説明

コンピュータ

別に SUN Sparc 10 でもかまわないが、持って歩くならノートパソコン、 サブノート、PDA の類であろう。 機種の選択は趣味の問題なので、ここでは触れない。 必要なのは、モデムを接続するシリアルポート( RS-232C ポート)、 あるいは、 PC カード型モデムを挿せるスロットだ。 もちろん、モデム内蔵の場合は、それでもよい。 また、基本的な接続試験のためには、いわゆる通信ソフトが必要である。 いきなりダイアルアップ PPP 接続を試みるのは、ちょっと無謀かも。

モデム

PHS のマイク端子を使ったモデム通信でも、9,600 bps 以上出る。 よって、 14,400 bps 以上に対応したモデムも使うことができる。 そして、モバイルするなら、そのスジで圧倒的な人気を誇る Megahertz ブランドの XJACK シリーズだ。 PCMCIA Type II の PC カードである。 特別な中継ケーブルを必要とせず、カードからモジュラージャックの 差し込み口が、ポンと飛び出す仕組み。 最大通信速度 2,400/14,400/28,800 bps の各タイプがあるが、 高速になるほど、高価で、電力消費も多くなるので注意。

PC カードだと、パソコン本体の電力を消費してしまう。 これを避けるため、自分の電池で動く AIWA のポケットモデムを使う人も。

一方で、PHS では使えないモデムもある。通常の電話回線には、約 46V?? の電圧がかかっているが、これを検出するタイプは使用できない。 PHS にはそんな電圧は出ていないからだ。 その他、PHS の機種ごとに、モデムとの相性が当然あると思われる。

PHS

マイク端子(イヤフォン端子と兼用で、径 2.5 mm のミニミニステレオジャック が挿さる)は、必要である。

最近の PHS には、「モデム通信」の ON/OFF 機能が備わっているものがある (筆者の 201P も)。 これは、マイク端子の特性を変更するもので、これを常時 ON に しっぱなしにしておいても、(マイク端子を使わない)電話としての利用には なんら差し支えもない。 この「モデム通信」機能は、たぶん、エコー・キャンセラーの類だと思われる。 このエコー・キャンセラー機能は、下で触れるセルラーケーブル のコブの部分に回路が組み込んであるといううわさもある。 エコー・キャンセラーの回路図らしきものが、 WWW で入手できる。 関連情報源を参照されたし。

ほとんどの PHS は、モデムから( ATDT123-4567 のように)オートダイアル することができない。 しかし最近、オートダイアルが可能な機種も発売された。 NTT Personal の 202S や 301S だ(ともに Sharp 製)。 ただし、202S はバイブレーション機能がない。 一方 301S は高機能なだけに、量販店でも 16K 〜 18K 円もする。

筆者は、使えるエリアが広いというウワサを信じて、NTT Personal を購入した。 それにしても川崎市郊外の自宅の窓際で使えたのはラッキーであった。 (後で知ったのだが、利用可能エリアを確認するために、1 日貸出しをしてくれるらしい。) 一方で、DDI POCKET は、単位面積あたりの中継局数が少ないかわり、 電波の出力が強いので、移動に強いとのウワサである。 中継局が切り替わるときに、通信が切れやすいからだ。 アステルは JR の駅に強いとか。

セルラーケーブル

高いモノから安いモノまでいろいろ。ケーブルの途中にコブ(回路内蔵)が あったり、なかったり。よくわかんない。 筆者のヤツは最初に触れた通り。

接続先

当然だが、接続先となるインターネット・プロバイダやパソコン通信に 加入しておかないと話にならない。 そして PHS で接続する前に、普通の電話で十分、経験を積んでおくこと。 接続実験の手順としては、可能ならば、 まず手動によるシリアル接続(従来のパソコン通信の接続方法)で で接続の確認をするとよい。 PPP 接続はその後である。

筆者はプロバイダを選ぶとき、( PPP 接続だけでなく)シリアル接続で UNIX マシンにログインできるので、リムネットと契約した。


使い方の例

ちなみに、ISDN 公衆電話(通称、グレ電)でも、同じ技を使える。

普通のシリアル接続の場合

通信ソフトで、インターネット・プロバイダや、パソコン通信につないでみる。 普通の電話で実績があるところにすること。
ATZ
ATX3 ... ダイアルトーンを検出しない設定
(必要ならば、通信速度を 9,600 bps に固定する AT コマンド)
ATD ... ダイアルしたフリ
すかさず PHS で電話を書ける(電話番号は登録しておくとよい)。
CONNECT xxxxx ... と出たら接続成功!
ログインプロンプトが出たら、万歳!
PHS (オートダイアル可能な機種は知らないけど)は、 ダイアルトーンを発しないので、 ATX3 が必要。 ダイアルトーンとは、普通の電話で受話器を取ったときに聞こえる、 「ポー」という音のこと。 普通のモデムの設定では、この「ポー」で電話が正常かどうか判断している。

マックの PPP 接続( FreePPP の設定)

下記の様に設定し、Config PPP の [Open] をクリックした後に、 PHS をダイアルする。
Port Speed: [9600]
Flow Control: [CTS&RTS ]
Phone num [ATD ]
Modem init [ATX3 ]
その他の設定は、普通の電話と同じ。
通常のシリアル接続の場合と同じことを、自動化しているだけである。 別にマックでなくても、基本は同じである。

近未来、デジタル通信

PHS は、もともとデジタル通信であり、 32k bps の帯域幅があるのに、 現在は、マイク端子にモデムをつないでアナログ通信するしかない。

本命のデジタル・データ通信規格は、やっと決まったようだ。 詳細は、関連情報源にある、NTT Personal の Web ページにて。 関連製品と関連サービスが本格的に登場するのは、来年春頃になるという。 NTT を経由しないで、プロバイダに直結するサービスも可能だとか。


関連情報源

Kansai PHS Janker's Club は内容充実。[PHS de パソ通] は必読。
<http://www.mahoroba.or.jp/‾tukanana/phsindex.htm>
NTT Personal Home Page
<http://www.nttphs.co.jp/>
NTT-P 提供、『PHSモバイルコンピューティング』の標準化レポート
<http://www.nttphs.co.jp/CHO/mv_index.html>
DDI POCKET 系販売店ポケットショップ原のページ
<http://www.infosite.co.jp/pocket/pocket.html>
上記のお店提供、『秘義伝授-PHSでインターネット』。回路図が!
<http://www.infosite.co.jp/pocket/phs-int.html>

歴史

Aug 7 1996 0.94 加筆
Aug 6 1996 v0.92, 0.93 加筆。ファイル名変更。関連 URL 追加。
Aug 5 1996 v0.91 体裁を整える。タイトル変更。
Aug 4 1996 v0.90 初版。palmtop-pc ML、akiba ML へも流す。

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