川村渇真の「知性の泉」

知らないからできない状態を打開する


良い方法を知らないから悪いやり方が続く

 現在の世の中を広く見渡すと、レベルの低いことが平気で行われている現象を多数発見できます。たとえば、国会、テレビ討論、いろいろな電子会議室です。きちんと議論しているとは到底言えず、単なる言い合いにしかなっていません。公共事業の計画書も、第三者がレビューできるレベルには達しておらず、計画する側にとって都合の良い数値を並べただけの、まるで子供だましのような内容です。好き勝手に税金を浪費しても済まされる制度なども、納得できないことの1つです。
 こうした現象は、ごく一部だけで行われているのではなく、世の中に数多く存在しています。しかも、それがずっと続いているのです。このままだと、永遠とは言わないまでも、かなり長く続くでしょう。また、日本だけの現象ではありません。程度の差こそあれ、世界各国で起こっています。
 改善されない最大の原因は、適切な方法を知らないからです。きちんと議論する方法を知っていれば、現状のような言い合いを議論とは呼ばないし、まともな議論をやろうとするでしょう。ちゃんとした評価方法を多くの人が知っていれば、第三者がレビューできるような事業計画書を書くはずです。そうしなければ、周囲の多数の人から、まともに評価できないと文句を言われてしまいますから。他の件に関しても同様で、適切な方法を知らないために、レベルの低いやり方を続けています。知らないから、できない。非常に単純な構造です。
 また、本人たちは、レベルの低いやり方だと気付いてもいないでしょう。何となく「上手にやれてはいない」と感じているかも知れません。しかし、良い方法を知らないため、既存のやり方だとレベルが低いと思うのは難しいはずです。この点も、改善されない原因の1つといえます。

適切な方法を知って試すしかない

 適切な方法を知らないのは、なぜでしょうか。一言で表すなら、教えてくれるところがないからです。本来なら学校で教育すべきですが、狭い意味の学問しか対象としていないため、取り上げるつもりはないようです。
 議論手法や評価方法などは、何をするにも役立つ非常に大切な能力なので、社会人になってから勉強する人が少しだけいるようです。可能性は低いでしょうが、もし貴重な習得者が近くにいるなら、直接教えてもらうことができます。そうでない多くの人は、関係する単行本を読むなど、独学するしかありません。しかし、良い本がとても少ないのに加え、独学だけでは難しいため、習得できる人は相当に限られています。このような状況が、今の世の中を作り出しているわけです。
 根本的に解決する方法は、学校の教育内容に含めることです。けれども、その方向に進む気配はほとんどありません。ことの重大さについて、ごく一部の人しか気付いていないのも、大きな要因の1つでしょう。
 仕方がないので、自分で勉強することになります。その際、教材はどうすればよいのでしょうか。困ってしまいます。しかし、ここからが本サイトの出番です。議論手法、評価方法、汎用的な設計術、マネジメント手法など、いろいろなコーナーに含む形で説明してあります。ただし、細かく説明すると非常に大変なので、大まかな説明だけしかないコーナーがほとんどです。それでも、できるだけ要点と作業手順を示すように心掛けているため、全体像を理解するのには役立ちます。
 詳しい説明が不足しているので、“考えながら”読むのを“何度か”繰り返してください。この繰り返しが大切です。考えるながらとは、どうしてそうするのか、この工程が含まれているのはなぜか、各工程で何を作るのか、どんな点を重視して進めればよいのか、といった疑問に対して、自分なりの答えを出すことです。そうするうちに、大切な点が少しは見えてくるでしょう。また、関連する本や資料を一緒に読む方法も、かなり役立ちます。中身を細かく比べて、良い本や資料を選んでください。
 その後、実際に試してみます。最初は失敗するかも知れませんが、それも何らかの形で役立ちます。一人だと効率が悪いので、同じ興味を持つ知人と一緒に試すのが、賢い方法でしょう。仲間がいれば、楽しく進められるメリットも生まれますし。
 以上のような点に納得したら、本サイトを役立ててください。ゆっくりとですが、だんだんと内容が追加されるので、遠い将来には詳しい内容も掲載されるはずです。しかし、アナタの時間は待ってくれないため、待たずに今の内容を役立てるのが現実的な選択といえます。


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