川村渇真の「知性の泉」

本サイトの目的


早い時期に多くの考え方を知ることは重要

 これまで生きてきた中で、いろいろな人と出会いました。その中の数人には、いろいろな知的刺激を与えてもらいました。生きる上での考え方、何事にも疑問を持つこと、ただ行動するだけでなく工夫を試みること、きちんと仕事をする方法などです。これらの刺激をもとに、いろいろな工夫やノウハウを構築してきました。現在の自分があるのは、何人かとの出会いのおかげといえるでしょう。
 これらの経験や出会いを、もう少し別の面から眺めると、残念に感じることがあります。出会いの多くは、20代の中頃からです。つまり、それほど若いうちではありませんでした。もし20代の初期か、それより若い時期に出会っていたら、もっと違った人生になったと思います。当然、今よりも充実した人生にです。
 このことは非常に重要です。若い時期にいろいろな考え方を知れば、より多くのことが試せますし、より適切な判断が下せます。世の中には、古くから言われてる間違った認識などが数多く存在します。それに振り回されていると、自己の向上にとって損することが多いのです。何が大切かをきちんと知ることは、その後の活動に良い影響を与えます。できるだけ早い時期に知ることが、人生にとって重要なのです。

レベルの高いノウハウは流通しづらい

 自分を高めるために必要な考え方やノウハウは、教えてくれる人がいなければ、本や雑誌、テレビ、通信教育などに頼るでしょう。求めるレベルが低いうちは、役に立つ本や通信教育があります。しかし、自分がだんだんと成長すれば、もっと上のノウハウを求めるように変わります。残念なことですが、その段階の内容は、本や通信教育ではほとんど提供していません。
 レベルの高いノウハウがマスメディアに載らない理由は、非常に単純です。求める人が少ないので、採算が合わないからです。とくに日本では、知的ノウハウを重視しない傾向があるため、ますます載りません。あったとしても、外国の翻訳物が中心です。向こうで実績があるから、出しやすいのでしょう。
 もう少し具体的な例で説明しましょう。プロジェクト管理の実用ノウハウの解説本を出したいと思い、その企画を出版社に持ち込んだとします。たいていの場合、出版社側の編集担当者は、より多くの人に売りたいと考えます。プロジェクト管理とは何かから解説して、基本的な手順の話を盛り込むように要求します。本のスペースは限られていますから、実用ノウハウを入れる部分が大きく減り、プロジェクト管理の基本知識を解説した本に変わります。このような状況が、多くの出版の現場で行われるわけです。採算性は重要事項ですから、仕方がないのです。高いノウハウを求める読者が増えない限り、状況は変わりません。
 もちろん例外もあります。対象読者がある程度見込める内容だけは、出版できる可能性があります。その分野に関係している人数が多い、大きな産業に限られるでしょうが。全体としてみれば、レベルの高いノウハウが本や雑誌に出にくいことに変わりありません。

新しい時代への第一歩だが、検索機能が貧弱

 以上のような結果として、本当に知りたいノウハウを得られる道が閉ざされます。でも、状況は変わりました。インターネットのウェブページが実用レベルまで達したからです。ウェブページで提供すれば、ノウハウの提供が可能となります。今のところ無料での提供となりますが、ノウハウが消えてしまうよりマシだと考えている人には公開するでしょう。このサイトのように。
 数年前なら、このような情報を低コストで提供することは不可能でした。しかし、コンピュータ(とくにパソコン)とネットワークの発達により、非常に簡単に実現できる状況へと変化しました。これは凄いことです。歴史上でも、画期的な変化といえるでしょう。まさに、新しい時代へと踏み出した第一歩です。
 このようなサイトは、少しずつですが数は増えると予測します。対象となる分野も幅広くなり、無償や有償など様々な形で登場するはずです。しかし、そうでないサイトが凄い勢いで増えるため、比率では低下します。その状況で問題となるのが、このようなサイトへたどり着くための道筋です。残念ながら、この点での解決方法は当分は進まないでしょう。現在ある多くのウェブページ検索システムを使ってみてください。非常に貧弱なジャンル分けしか持っていません。たとえば、分野に関係なく「知的な」サイトを検索する方法があるでしょうか。今のところ、このようなインデックスを持とうとすらしてません。
 こんな状況ですから、無駄な時間を費やしてネットサーフィンするしかないでしょう。目的の情報へ素早くたどり着けない点こそ、現代のネットワークにおける最大の問題です。当分の間は、いろいろなウェブページのリンクからたどって、知的なサイトを見付けるしかなさそうです。

超マイナーだが、奥が深い内容を目指す

 以上のような現状を踏まえ、自分が構築してきたノウハウをウェブページで公開しようと考えました。ここで公開したノウハウを生かして、自分と同じような遠回りをせず、もっと効率的に前に進んでほしいと願います。
 紹介している内容が内容だけに、役に立つ人の割合は極端に低いでしょう。メジャーかマイナーかで分けるなら、“超マイナー”に分類できます。その代わり、役立つ人にとっては、相当に深く役立つはずです。知りたい思っても入手しづらい内容ですから、一部の人にとっての価値は大きいでしょう。
 いろいろなテーマを取りあげていることに加え、仕事が忙しくて時間があまり確保できないため、一気に作り上げるのは難しい状況です。ゆっくりとですが、充実させたいと考えています。何年かで完成させるのではなく、生きている限り永遠に拡張するつもりです。取りあげるテーマとして「最低でも10年は陳腐化しない内容」を選んでいます。一部のものは「半永久的に役立つ内容」でもあります。もう1つ、自分が若い頃に知っていれば良かったなあと思う内容を、優先して選んでいます。
 このサイトで重要視しているのは、物事の捉え方や考え方です。述べている直接的な内容だけに目を奪われず、その背景にある内容を読み取ってほしいものです。作る側としても、できるだけ考え方を含めるようにはしていますが、根本的な物の見方に関する部分は、そう簡単に述べられるものではありません。その点を意識しながら読んでください。そうすることで、知的な視点が少しずつ増えると思います。


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