ジャーナリズムの質的変革 |
パソコンの高性能化と低価格化に加え、インターネットを中心としたネットワークの発達により、情報を発信するための環境が充実しつつある。これらの変化は、ジャーナリズムや市民運動に大きな影響を与える。
現在の日本では、モデムとパソコンを持った人の割合は少ない。だが、その率は確実に増えている。より魅力的な市民運動に参加できることがきっかけで、購入する人も今後は出てくるだろう。
もっとも大きな変化は、市民運動の側から起こる。その基礎となるのが、ネットワークまで含めた情報ツールだ。パソコン通信の会議室を使えば、時間や場所という制約を超えて、多くの人が参加する議論も可能となる。パソコンの普及に比例して、参加する人は今後もますます増加するだろう。
市民運動にとっては、インターネット上での情報発信も大きな意味がある。これまでなら埋もれていた情報が、市民の側から発信できる環境を得られる。雑誌より多くの人が見られる媒体であることも、より魅力的な点だ。
この種の変化は、市民運動をより活発なものにし、多くの人が参加するようになる。参加者が増えれば、当然のごとく影響力も強くなる。ネットワークの発達は、市民運動を新しい次元へと引き上げるだろう。
市民運動の変化によって、ジャーナリズムも改革が迫られる。ネットワーク経由で市民運動に参加する人が増えれば、ジャーナリズムも今までと同じことをしてはいられない。とくに、質的な変化が求められる。これまでのように問題点を指摘するだけでなく、解決型の記事を求められる。解決方法を提示したり、市民運動を手助けしたり、市民運動に助けてもらったりと、社会をより動かせる内容へと変化する。
以上のように、パソコンとネットワークの発達により、ジャーナリズムと市民運動は大きく進歩する。どのような方向で変化するのか、できるだけ論理的に分析する。それとともに、ジャーナリズムや市民運動が今後目指すべき方向も、提示してみたい。
(1995年9月11日)
ジャーナリズムと市民運動の新しい形を分析 |