不信のトマス
トマスは、イエスの復活を聞いて「手に釘の跡を見てそこに指を入れてみなければ信じない」と言ったことから、「不信のトマス」と呼ばれている人物です。実はイエスの双子の兄弟で、イエスの語録集「トマス福音書」を書いたという話もあります。この文書は長い間幻とされてきましたが、1945年、エジプトのナグ・ハマディというところで、他の宗教文書と一緒に発見されました(p. 30)。

イエスの弟子にはいろいろな伝説がありますが、このトマスほど怪しい(?)人はほかにいません。彼はイエスの死後(というか復活・昇天後)、なぜか「インド」に渡ります。パレスチナにいた人が、アラビア半島をすっとばして一気にインドですよ(まあ、ちゃんと船で海を渡っていったという話になっているわけですが)。

で、彼はインドで布教してそこで死んだということになっているんで、今は「彼の墓」とされているところに「サン・トーマ大聖堂」なるものが建っているんです。インドへ行ってイエスの弟子の墓に出会うとは、誰が思うでしょうか。

トマスは「双子」と呼ばれていたので、「実はイエスの双子の兄弟だったのでは?」という話になりました。イエスの兄弟が書き残したものなら、「トマス福音書」もずいぶん権威のあるもののように思えてきます。これが幻のままならまあ、話はわかるのですが、実際に発見されちゃうって、どういうことなんでしょう・・・。

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