ヘロデ王
救世主となるべき赤ん坊が生まれたと知ったユダヤのヘロデ王は、ベツレヘムとその周辺一帯にいた2歳以下の男児をすべて殺させました(p. 20)。

聖書のせいでヘロデ王といえばとにかく「悪者」というイメージですが、歴史的に見ると、「ヘロデ大王」と呼ばれるほどの活躍をした王なのです。エルサレムに巨大な神殿を建てたり(現代でもその基部が残っています)、ユダヤ人がローマに抵抗するため最後まで戦った「あの」有名なマサダの要塞を築いたりと、ユダヤでこれだけ業績を残している王をほかに知りません(ダビデやソロモンの業績は形として残っていないので)。それが今じゃ世界中のキリスト教徒からの嫌われ者と思うと、ちょっとかわいそうな気がします。

しかし、世界の歴史全体から見ると、アレクサンダー大王とかナポレオンみたいに大活躍したわけでもなんでもない、ユダヤというほんの小さなエリアを一時期治めていただけの王の名が世界中の人に知られているなんて、本人としては冥利につきるのかも?

ちなみにサロメに頼まれて洗礼者ヨハネの首をはねたガリラヤ領主がまた「ヘロデ」なもんだから、さらに悪者のイメージが加速されていますが、こちらはヘロデ・アンティパスといって、ヘロデ大王の息子なんです。念のため。

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