インドネシアの聖なるシンボルは部族ごとに異なり、そのシンボルはお守りのような役目を果たします。各部族の代表的なシンボルをご紹介しましょう。
アチェ(アチェ族)
北スマトラ(バタク族)
アチェのシンボルは通常植物で、六角形またはコスモスの形をしています。アチェでは偶像崇拝を禁じるイスラム教の影響が強く、人や動物がモチーフに使われることはあまりありません。
部族の一部トバでは、通常トラを用います。持ち主を保護し、苦難を撃退するとされています。一方、カロではよくトカゲを使います。
西スマトラ (ミナンカバウ族)
リアウ (リアウ族)
通常「リムパパ−」と呼ばれるシンボルを用います。これは、社会のモラルを管理する役目を果たす女性を表します。ミナンカバウ族は母系制を維持していて、女性が家長となります。
家の正面の階段のひとつひとつの段に、闘鶏が彫られていたりします。家にやってくる人、または家から出る人はその階段を踏むことになるわけですが、これはリアウの人々は戦いや争いごとを好まないということを表しています。
ジャムビ (マレー族、マレーシアと同様)
南スマトラ (パレムバン族)
3つのAと、2本の象の牙を組み合わせたものが使われます(かつてスマトラ島には象がいました)。3つのAは、「Asih(愛)」「Asuh(いたわり)」「Asah(教育)」を表します。
シンボルはスイレンです。仏教の影響により、これは忠実さ、神聖さを表します。また、スイレンの葉は苦しみを終える涅槃での8つの方法を示します。
ラムプン (ラムプン族)
ベンクル (マレー族)
シンボルは葉巻です。これは、空飛ぶガルーダの形をした花嫁のかぶりものを表します(ガルーダとはインドネシアのシンボルで、ヒンズー教ではヴィシュヌ神の鳥とされます)。また、そのかぶりものには9面あり、ラムプンの9つの一族の絵が描かれています。
コールドという植物の葉です。この植物は、心をしずめ、悪運と戦ってくれます。
ジャカルタ (ベタウィ族)
西ジャワ (スンダ族)
花と鳥のモチーフをよく使います。このモチーフは、服や家具にもよく描かれています。
西ジャワのパノラマ風景です。たくさんの美しい丘や谷が描かれます。
中央ジャワ (ジャワ族)
ジョグジャカルタ (ジャワ族)
「壊れた刃」と呼ばれるシンボルを用います。アチェ族が用いる2つの結び目のシンボルの変形。
「マウンテン」という、人形劇でよく使われるシンボルを用います。この「マウンテン」には、生命の木、人間の欲望を表す獣、ソルガロカ(ジャワ人の信仰上の天国)の門、2人の巨人、神を表すチャクラ(エジプトの太陽円盤のようなシンボル)が含まれます。
EAST JAVA (JAVA TRIBE)
BALI (BALI TRIBE)
東ジャワの家では、玄関のドアの両脇に海ヘビが彫られています。これは中国文化の影響で、お察しのとおり、家を守る役目を果たします。
バラモン階級(僧侶。最高の階級)の人々は、死ぬと牛を刻んだ棺に入れられます。クシャトリヤ階級(武士。2番目に高い階級)の出身者は、トラの姿を刻んだ棺に入れられます。
西ヌサ・テンガラ (スムバワ族TRIBE)
東ヌサ・テンガラ (フローレス族)
「ヌサ・テンガラ」とは、「東南の島」ということ。シンボルはお守りのケースです。そのお守りには、アラビア文字や古代文字が書かれていて、普通ヘソのところに結びつけます。
古代の信仰に基づき、ガイコツの木が使われます。
西ボルネオ (ダヤク族)
中央ボルネオ(ダヤク族)
戦士の兜です。西ボルネオではエンガン鳥が聖なる存在なので、戦士の一族の長の兜は、エンガン鳥の形に作られます。これは、戦の間彼らを守る、偉大なる神を表します。
生命の木です。それ以上のことはわかりません。
南ボルネオ (バンジャル族)
東カリマンタン (少数部族)
槍や盾、大砲、吹矢筒といった武器に、ワニが描かれています。ワニは彼らにとって、聖なる動物です。
屋根に竜の姿が描かれています。これは、地上に降りてきて人類を祝福する神の乗り物です。
北セレベス (ミナハサ族)
中央セレベス (モリ族)
人間の形をした「トウ」がシンボルです。「トウ」は、完璧な域に達した人類「トナース」に変化します。
現代の絹の布にプリントされているような、花と鳥がシンボルです。
東南セレベス (バトン族)
南セレベス (トラジャ族)
この地域は銀器で有名で、銀の砂糖皿をシンボルとします。
「トラジャの幾何学形」と呼ばれるシンボルを用います。90ものバリエーションがあり、家主の気分を表すために家の壁に刻まれます。
モルカス (多数の少数部族)
ニューギニア (あまりにも多数の少数部族)
漁業や真珠採りで生計を立てるモルカスの人々のシンボルは、船に彫った天使の翼です。他のシンボルも、みな海に関係したものです。
魂の柱「ムビトロ」を用います。これは、柱を上る人間の形をしていて、魂をもうひとつの世界に解き放つため、葬儀のときに立てます。
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