1997. 6.21
1 . START ME UP
2 . ヤァ!ソウルボーイ
3 . ON THE BEACH
4 . UNDER THE CHERRY MOON
5 . スマイル
6 . THE ARGUMENT
7 . VERTIGOGO
8 . HAPPY MAN
9 . BLOCK ROCKIN' BEATS
10. BABY IT'S YOU(INSTRUMENTAL)
11. DON'T DO IT
12. 経験の唄 |
番組のオープニングにピッタリのリクエスト、ありがとうございます。
片寄くん(片);それではおまたせしました、今日のゲスト・ナビゲーター、僕たち
と一緒に番組を進めていただき
ます、佐野元春さんです。
佐野さん(佐);こんにちは。
片;佐野さん、こんにちは。どうも、お久しぶりです。
佐;久しぶりだね。
片;いやーでも、僕はちょっと佐野さんと番組やるっていうのはねえ、夢のような感
じなんですよねえ。そう、僕、
結構、中学生くらい、、、かな、中学校の1
、2年ぐらいから高校、大学ぐらいまでかけて佐野さんのラジオを
ずーっと
愛聴してて、で、ほら、僕、長男なんですよ。なんで、こう音楽を教えてくれる人っ
てのがいなかっ
たんだ、まわりに。だから僕にとっては会ったことはないけ
ど、お兄さんの、音楽を教えてくれるお兄さんっ
てね感じだったんですけど
ねえ。
シルビアさん(シ);何年前にこう知り合ったんですか、おふたりは?
片;実際にお会いしたのは、たぶん僕がデビューしてからですから、、、
佐;そうだね。
片;前のバンドで、93年とか、そんぐらいかな? うん。
佐;でも今、片寄くんが言ったその番組の話なんだけれども、だいぶ長い間続いた番
組だった。で、彼が、まだ高
校生くらいだったと思うんだけれども、その高
校生の彼が、僕の番組にリクエストを、リクエストカードを送
ってくれてた
んだよね。で、片寄って名前はそんなによくある名前じゃないから、僕もずっと記憶
に残ってい
て、で、よく彼のリクエストナンバーをかけていた。で、何年か
たって、僕もソングライターとしてデビュー
して、彼もデビューして、偶然
どこかで会ったとき、片寄くんが僕のところにきてね、「実をいうとその番組
を聞いていた。リクエストも何曲かかけてもらった。」ってね告白してくれたんだ
な。で、その時僕はすごく
うれしかった。ラジオっていうと、どうしても、
んー、こうやって話していても、誰が聞いているのか、相手
が見えないぶん
、不安になるときがある。でも、ああ確かに聞き手がいたんだなってね確認できて、
でーすご
くうれしかった。
片;最初はね、カタヨリアキヒトだったんですけど、読まれた時は。2回目にはカタ
ヨリアキトになって。で、最後
にカタヨセアキトになったのを憶えてるんで
すよね。
佐;どうもね漢字がうまく、、、よく間違える。
片;(笑)それはね、僕の名前は誰も読めないと思う。大丈夫。
シ;ではリクエストです。『今日は私の大好きな佐野さんがゲストということでめち
ゃくちゃ楽しみです。私にと
って佐野さんはGreat3を知るきっかけをくれた
人であり、高校の時から今までたくさんの歌とライブをくれた
人であり、フ
ァンクラブを通じ知り合えた友達との仲介人であり、とにかく私にはなくてはならな
い存在です。
そして片寄さんと同じく、佐野さんのDJスタイルはかっこよく
て、素敵で、毎週楽しみでした。ありがちなラ
ンキングやDJのしつこいおし
ゃべりがないクールなんだけどホットな、かける曲に対する心があった佐野さん
の姿勢は片寄さんにもあって、そう感じると、、、』
片;今、佐野さんうれしそうな顔してますね、ひそかに。
佐;とてもうれしい。
シ;『、、、この番組もとても気に入っています。とにかくこんな素敵なシチュエイ
ションがあるなんて素晴しす
ぎる。』と、うれしいですねー。
片;音楽がね、いっぱいかかる番組だったからね、うれしかったね。
佐;そうだね。はい。
片;無駄なねえ、当時、無駄なしゃべりって言っちゃあれだけど、こう、おしゃべり
が9割ぐらいの番組とかいっ
ぱいありましたからねえ。
佐;当時はいっぱいあった。で、その曲のテンポにあわせて、曲をつないでいくって
いうスタイルもほとんどなか
ったし。“Less Talk More Music”っていった
コンセプトの番組もなかった。だから、まあ僕はできるんだ
ったらできると
こまでやってみようかなっという、そういうテーマがあったな。はい。
片;いい番組だったんですよ。
2. ヤァ!ソウルボーイ 佐野元春
片;これもいいナンバーですよね。すごく。
佐;クリス・レアはね、とっても素晴しいソングライターだね。詞も素晴しい。
片;いいですよね。ヨーロッパではいまだに絶大な人気を誇ってらしいですね。はい
、ここで佐野さんへの質問が
たくさんきてますので。
『質問1:仕
事のない日は何をしていますか? 普段の生活を教えてください。』
佐;仕事してないからね。
片;最近?
佐;んー、、、
片;っていうか音楽は仕事じゃない。
佐;音楽は仕事じゃない。
シ;Hobbyなんですか?
佐;そうだね、Hobbyでもあるし、んー、仕事ではない。ビジネスではない。どっか
ビジネスではない。
片;仕事と思ったことは、じゃあ、ない?
佐;うん。
片;エライッ!!!
佐;正直いうとね、レコード会社から「早く曲作れ」とか言われると、これは仕事な
のかなって錯覚しそうになる。
片;僕もしょっちゅうね、錯覚してますけど。でも、そういう時、打ち消そうとね、
するんですよ。
佐;でも、まあ、曲をかいたりしてない時は、泳いだりとか、もう、ひとりでリラッ
クスしてることが多い。
片;犬とか好きなんですよね?
佐;犬、大好き。
シ;そのうわさ、聞きました。
片;犬はねえ、佐野さん、犬好きなんですよねえ。あと、
『質問2:今、こ
れはという愛読書があれば教えてください。』
佐;今ね、ちょうど、創作期間に入ってる、次の新作のためのね。で、その時期に入
るとね、映画とか本とか読ま
なくなっちゃうんだね。
片;逆にシャットアウトしちゃうんですか?
佐;んー、逆にそこから影響されるのが怖いというところがあって、でー、ほとんど
そういうのに接しなくなるね。
片;僕なんか結構逆ですね。本とかは読むようになる。映画とか。まあ、煮つまるか
らってのもあのるかもしれな
いけど、そうやって気分転換してかないと、結
構自分の中に入り込みすぎて帰って来れなくなる時とかあるじ
ゃないですか
。あと、
『質問3:最近出産したので、コンサートのは行けませんでした。
(でもいいニュースですね)最近のコンサ
ートでの面白いエピソードがあっ
たら教えてください。』
佐;相変わらず僕のコンサートは、広い世代の人たちが、下は14、5歳、上は35歳く
らいまでの方が来てくれて、
みんな思い思いに楽しんでくれて、僕、ステー
ジの上でそれ見てるから、逆に楽しいんだけれども。相変わら
ずね、ええと
ー、大暴れしてる。
片;今のバンドは素晴しいバンドですよね。
佐;そうだね、ちょうど去年、えー、それまでのバンドを解散して、で、新しい仲間
を募って、で、その名前が、
去年はね、“The International Hobo King Ba
nd”って名乗っていたんだけれども、ちょっと、長い。バン
ド名としては長
いので、今年から“The Hobo King Band”に縮めて、そのバンドと一緒にやってます
。
片;佐橋(佳幸:ギター)さんとか井上(富雄:ベース)さんとかもうほんとに素晴
しい、もう、これはもう、超
一流というか、今日本で、、、
佐;キャリアのあるミュージシャンたち。しかしキャリアがあるというと、とかく馴
れたプレイをしがちだけれど
も、いつまでも、Rock'n Roll Heartを持って
る、、、。
片;っていうか、ロックン・ローラーですよね。全員。なんかスタジオミュージシャ
ンって感じじゃない、このメ
ンツは。ほんとに、僕も尊敬するような人たち
ですね。
シ;『質問4:昔、リスナーだった片寄くんのラジオ番組に出演するのはどんな気分
ですか?』
佐;そうだねー、不思議な感じは、否定できないね。んー、もし、あのまま僕があの
番組を続けていたら、必ず片
寄くんはゲストに招いていただろうし。
片;当時、佐野さん、自分の番組で、インディーズのバンドとかをレポート行くのが
あって、そん時にね、僕いた
りしたんですよ。客としてっていうか、モッズ
の、東京モッズの、東京のモッズの連中のバンドを取材しにき
た時に、僕、
後ろの方で、佐野さんだーってこそこそ見てたんですけどね。
佐;19歳とか、、、?
片;そん時に、佐野さんが取材してた中に、で、今デビューしてるのが、コレクター
ズとか、そういうバンドがそ
うなんですよね。
片;これ、映画もねえ、すごかったよね。なんかこれ、白黒の映画じゃなかったかな
ー、確か。面白いんで、もし
観てなかったら、観てみてください。
片;ホフディランとは一緒にライブ、やったんですよね。佐野さんと。
佐;去年の夏、THISイベントで彼らを紹介して、それはそれはユニークなステージを
やってたね。
片;そのあと、僕もそのライブに出たんですけど、それのフォローでなんか佐野さん
の特集番組があって、コメン
トを僕らもとったんですけど。で、ホフディラ
ンはなんか、前の日僕んちへ電話してきて、「もとはるちゃん」
って歌作っ
たんだけど、これやったら佐野さんに怒られないかなーって僕に相談してきたんです
けど、たぶん、
大丈夫だと思うよ、佐野さんは、、、って。
佐;それはきいた。
片;ききました? どんな歌だったですか?
佐;歌の出だしは、がんばれがんばれ元春とかなんとかそんなような、で、僕の「In
ternational Hobo King」とい
う曲をもじって、そのメロディにのせて、だ
んだん聴いてると、がんばれがんばれ猪木になって。
片;なんで猪木なんですか。
佐;たぶん、そのインターナショナル・ホーボー・キングのインターナショナル、プ
ロレス団体名に引っかけてる
んじゃないかと思ったんだけど。
片;ああ、はいはい、彼らならやりかねないね。変わってる連中なんですよ。
シ;ここではいち早く最新の音源をご紹介するコーナーにいってみましょう。そして
、今日は片寄さん、佐野元春
さんに一曲ずつピック・アップしていただきご
紹介したいと思います。それでは両先生、お願いします。
片;はい、このコーナーは最新の音源の中から自分の気に入ってるナンバーを選ぶと
いうコーナーなんですが、今
日、僕がもってきたのはですね、これ佐野さん
とか知ってますか? ザ・シー・アンド・ケイクっていう。
佐;知らない。
片;えーとね、なんて言ったらいいのかな、最近のシカゴ、シカゴの例えばドラッグ
シティレーベルとか中心にな
っている、んー、音響派とかいう日本の雑誌で
は括りをを、まあ、よく括りたがりますよね、日本の雑誌はね。
音響派とか
言われてるのに入るのかな。で、このジョン・マッケンタイアって人がメンバーにい
るんですけど
も、彼はステレオ・ラブのプロデュースをしてて、かつ、レッ
ド・クレオラっていう、60年代のサーティスト・
フロア・エレベータと同じ
頃に活動してたサイケデリック・グループがいて、70年代にはラフ・トレードを作
る人なんですけども。そのレッド・クレオラにも今、参加したりしてるんです
ね。
佐;ぜひ聴いてみたいね。
片;あと、元カクテルズのメンバーもいるんですよ。
佐;あ、じゃあ、モンドかな。
片;モンドでちょっとラウンジな感じもすると思います。
6. THE ARGUMENT THE SEA AND CAKE
片;なかなかこれ、ちょっとイントロ、長かったですね。でも、クラブとかでかかる
と、このくらいの長さが気持
ちがいいんじゃないかな。
佐;そうだね、詞もなんかユニークな感じだし、ドラムン・ベースの要素も入ってい
て、また、裏っかわでテクノ
のテーマが流れていて、すごく不思議な感じ。
片;でも、結構、こういうサウンドだけど、メロディはメロウっていうのが、やっぱ
り今のアメリカのインディー
バンドの特徴でもあるっていうのかな。メロデ
ィの復権ってのがすごくあると思いますよ。カクテルズにいた
ギタリスト、
アーチャーってのがこのグループにいるんですけども、基本的には変わってないんだ
けれども、
なんかテクノの要素とかも取り入れて、すごくね、古く感じさせ
ないってのかな、いろんな要素を、こう、再
構築して、いろんなものを新し
くきかせるっていう、そういうイメージがありますね。次は佐野さんの選曲を。
佐;今かかってたこの曲も、ちょっとラウンジミュージック的な要素があって、で、
それに対抗するレコードをも
ってきた。
片;おっ、戦うつもりですね。(一同笑)すいません。失礼しました。
シ;すごいですよ、ここ、火花が散ってますから。
片;いやいやいや。
佐;時々僕は映画を観ていて、で、やはりその映画のストーリーも大切なんだけれど
も、その映画でどんな曲がか
かっているか、特に、過去の曲がかかったする
場合には、何故、この場面でこの曲がかかるのかな、なんてい
う作り手の意
図を考えたりする。で、最近の映画監督の中では、、、クエンティン・タランティー
ノ(片;う
まいですよね、彼は。)、、、彼の作る映画での、その音楽の使
い方っていうのは、なかなかこう、僕でもわ
かるくらいに的を得ていて、素
晴しいなと。映像だけで説得させるんじゃなくて、その音楽がなければその画
は成立しない、その画がなければその音楽は成立させないという微妙なバランスを
、こう、呈示してくるとい
うか。その点でやっぱり新世代の監督なんだな、
ロック世代の監督なんだなって。
片;「パルプ・フィクション」の時はサーフィン・ミュージックをうまく使って、リ
ンクレイン(?)みたいな、
ああいうものとか、それやっぱり新鮮だったし
。デヴィッド・リンチなんかもそういうのそういうのうまいで
すよね。「ブ
ルー・ヴェルヴェット」とか。
佐;で、僕はこれまで知らなかったんですが、そのタランティーノ監督はやはり自分
で自分の映画の挿入歌を決め
て行く。その点ではすごくすじの通った人だな
って思う。そんなところへ、まあ、レコード店へ行ったらば、
「タランティ
ーノ・コネクション」というタイトルで、MCAレーベルから彼が選曲したコンピレー
ション、い
ろいろな映画で使ったものを編集したものだった。で、これはお
買得だなと。その中から一曲。これは映画
「フォー・ルームス」挿入歌とし
て使われた、きっとラジオをきいている人も観た人もいるかもしれない、と
ってもユニークな曲。僕は、今日、これが聴きたい。
7. VERTIGOGO COMBUSTIBLE EDISON
片;これはいいねえ、このフックのトゥルルルっメロディ、佐野さん好きそうな。
佐;もう、くすぐられっぱなしだったね。
片;リクエストです、『初めてこの曲をきいたとき、私も楽天的な人になろうと(一
同笑、佐;それはいいね。)
思いました。それは実現できています。』とあります。ありがとうございます。
・・・俺、この曲好きなんだよな、後ろに流れているやつ。
佐;「Fun Time」!
片;いっぱいきてるんですよね、質問とかが。
『質問5:佐野さんは音楽を
作る時、詞と曲とどっちを先につくるですか? また、どんな時につくることが
多いですか?』
佐;そうだね、んー、曲によって違うけれども、たいていは曲も詞も一緒に思い浮か
びます。特にその曲の中で一
番大切なところが、言葉、音楽、編曲の具合と
かひびきが、いっぺんでこう出てくる。
片;その話はね、僕ね、伊藤銀次さんからきいたことがあるんですけど、佐野さんが
昔、すごい興奮して、すごい
曲が出来たーってきて、で、佐野くん歌ってみ
てよって言ったら、「サムデイ」だったのかな、で、その♪サ
ムデイってい
うサビの部分だけが出来てて、他んところはどういうとこなの? ってきいたら、い
やまだ全然
出来てないんだーって。
佐;全然出来てないんだけれども、僕の頭ん中ではすでに完成してるんだね。だから
人に説明しにくいんだ。そん
な感じかな。
シ;素朴な質問があるんですけど、佐野さんはギターで曲を作ってるんですか? そ
れともピアノ?
佐;それも曲によって違うんだけれども、メロディアスな曲はどちらかというと、キ
ーボード、ロックン・ロール・
タイプだとギターで作る場合が多いです。
片;佐野さんのピアノで作る曲もすごく好きだなあ、なんかランディ・ニューマンと
かトム・ウェイツみたいな感
じの。
佐;そうだね、僕は70年代の初期のソングライターの曲をよくきいていたからね。
片;すごくねえ、そういう感じの曲もねえ、また聴いてみていですね。作って下さい
。
佐;僕もああしたピアノでのソロ曲というのかな、好きなので、また気が向いたらね
、レコードに入れます。
片;レコーディングの話もあるんですよね?
シ;質問がいっぱいきてるんですよ。
『質問6:9月頃に発売されるというシ
ングルの話、現在レコーディング中だというニュー・アルバムの話など
きか
せてほしいです。』
佐;シングル・レコードはレコード会社がどう考えているかわからないからなんとも
言えない。ただ、次の新作は
今年じゅうに必ず届けたい。そして、次のレコ
ードは自分で言うのもヘンかもしれないけど、すごいアルバム
になると思う
んだよね。
片;これをねえ、アーティストが言う時にはね、相当自信がある時なんですよ。これ
、いいんですよね、お知らせ
しても? 現在、ザ、、、ジか、ジ・インター
ナショナル・ホーボー・キング・バンド、それを改め、ザ・ホ
ーボー・キン
グ・バンド・フューチャリング・佐野元春として、シングル、アルバムのレコーディ
ング中って
ことなんですけどね。
佐;そうだね。
片;ってことは佐野元春がメインっていうよりは、、、
佐;んー、ホーボー・キングにくっついているおまけみたいなもの。
シ;そんなー(笑)。
片;(笑)っていうか、じゃあ、ひとつのバンドとして、って感じですよね。
佐;僕らは去年会って数回ライブツアーをして、スタジオの中にも一緒に入って、で
、その中で、僕らの理想の音
楽のビジョンが、共通のビジョンが見えてきた
。で、ミュージシャンたちのバック・グラウンドを探ってみる
とね、どっか
、このアメリカの、その、ウッドストックあたりで、こう交差するっていうか。70
年代初期の、
ほんとのグッド・アメリカン・ミュージックっていうのかな。
で、そうであるんだったらば、そこに行こう、
そこでレコーディングをしよ
うという話になって。
片;それで、ここにいい情報があるんですよ。夏にはジョン・サイモンを迎えてのウ
ッドストックでのレコーデ
ィングを行う予定。これはすごいわ、知ってま
す? ジョン・サイモン。
シ;さっきちょっと資料で読みましたけど。素晴しい方ですよね。
佐;ジョン・サイモン氏は、まだ日本では知名度がそれほど高いとは思えないけれど
も、これまでの、彼のやって
きた仕事を見ると、とても尊敬すべきプロデュ
ーサーであると思う。ザ・バンドであるとか、スティーヴ・フ
ォバート、ポ
ール・サイモン、(片;サークル!)ザ・サークル、素晴しいヒット曲を作り出して
きているプ
ロデューサーですね。だから年齢的には僕よりたぶんずっと上の
プロデューサーだろうし、しかし、60年代、
70年代のいいアメリカ音楽をず
っと、こう、支えてきている人なので、彼のプロデュース方法とか間近で見れ
るのは、きっといい勉強になるだろうと思っています。
片;んー、これは絶対に楽しみだな。他にもね、佐野さんは最近、ホームページやっ
てらっしゃるんですよね?
僕ねえ、疎いんですよ。全然わからなくてね。
シ;私もダメなんです。
片;でも、この番組もね、E-メールとかでいっぱりリクエストいただいてて。
佐;そうだね、だんだん、そういうふうな時代になってくると思うな。僕のホームペ
ージの名前は、“Moto's Web
Server”といって、僕のファンの連中たちが
何人か集まって、で、とてもいいエピソードがあって、実際この
ホームペー
ジが始まったのは2年前なんですけれども、僕のファンは僕のことを喜ばせようと思
って、2年前の僕
の誕生日にこのホームページをスタートしてくれたんだ。
それまでは実際会ったことがなかったんだけれども、
実際このページが開設
されてから、数ヵ月後だったかな、みんなで会って。やっぱり彼らも僕のレディオ・
ショ
ウ聴いてくれてて、僕の音楽のリスナーであったりして、そうして新し
い世代と、こう、出会うという機会が
最近とても多い、それがすごくうれし
い。で、たぶん、この“Moto's Web Server”を運営してくれているフ
ァン
が今どっかできいてくれている。みんな集まっている。僕は知っている、どこに集ま
っているか知っている。
片;なんか会合かなんか開いてるんですか? ミーティングを。
佐;そして、そのスタッフの内の一人がアメリカへ留学することになった、コンピュ
ータ・サイエンスを学びにね。
片;すごい、どんどんそうやって広がってく。楽しみだな。
佐;今日はその、女性なんだけれども、彼女の送別会も兼ねてる。だから、この番組
が終わったら、すぐ、、、
片;行くんだ、じゃあ、よろしくお伝えください。そういうなんか、世代間の交流?
みたいなのは、佐野さん、積
極的にやってらっしゃることですよね。
佐;やっぱり、物を作ったりとか、何か物を感じたりする気持ち、は、それは世代は
全く関係ないからね。例えば
片寄くんが70年代のクリーデンス・クリアウォ
ーター・リバイバルが好き、で、僕もC.C.R.が好き。で、C.C.R.
を好きな気
持ちには、世代は関係ないからな。
片;うん。佐野さんのレコーディングとかに遊びに行かせてもらったことが何回かあ
るんだけど、何が一番びっく
りしたかって、ようするに、普通は企業秘密に
するべきようなことでも、全部教えてくれちゃうんですよね。
もう、全然、
なんか、隠そうとしないっていうか、伝えてくれる? それがね、すごくねえ。僕は
、上の世代
の人からそういうことしてもらったこと一度もなかったから、す
ごくうれしかったですけどね。
佐;それは、僕も同じ体験をしていて、僕の場合は大瀧詠一さんだった。彼のレコー
ディングのスタイルを見て、
つまり彼がレコーディングをしてるところをこ
っそり盗み見して、ああ、レコーディングってこういうふうに
やればいいん
だって学んだ。で、彼も包み隠さず、彼の世代でつかんだいいことや、いいものを、
僕に素直に
教えてくれた。だからその恩恵を被っているので、たまたま片寄
くんがちょっと僕より下だ、でも、ロックン・
ロール好きだっていうとね、
いろいろなことを伝えたくなるんだ。
片;僕もねえ、いつか誰かに伝えなきゃいけないなーとねえ、思ってるんですけどね
。続きましてはリクエスト、
ケミカル・ブラザーズとかはどうですか?
佐;注目すべきサウンド・クリエイターだね。
片;僕は、なんか、最近のロンドンのモッズ? モッズの連中の現代版っていうか、
90年代型モッズが彼らじゃない
かなと思ってるんですけどね。
佐;そして、ロンドンの新しいアーティストたちのサポートも積極的にして、、、。
片;してますしね、オアシスとかとでも。
9. BLOCK ROCKIN' BEATS CHEMICAL BROTHERS
片;リクエストには『今日、誕生日に大好きな人にフラれてしまったっていうね、勇
気出して告白したんだけど、
シ;ここでは普通ではなかなか手に入らないレアなアイテムをご紹介するコーナーに
いってみましょう。もちろん、
10. BABY IT'S YOU(INSTRUMENTAL) CURTIS MAYFIELD
片;結構、歌心あふれるギターってのかなあ。
佐;ちょっとさっき虚勢張っちゃったけどね、別に戦う気持ちはない。コレクターズ
・アイテム自慢、僕はない。
11. DON'T DO IT BAND
片;かっこいいですね、これ。
片;佐野元春さんをゲスト・ナビゲーターに迎えてお送りしてきた、スペシャル.ス
パー・ライン・J、早くもで
今日は佐野さんと一緒にできたから、、、なんか、月に一度は佐野元春さんってシル
ビア言ってましたけどね。
好きな人がいるみたいなんで、超ブルー入って
ます。』っていうんだけど、15歳ですよ、大丈夫、まだ未来が。
これからい
い人にいっぱい会えますよね。
【COLLECTOR'S ITEMS1】 CURTIS MAYFIELD
佐野元春さんにも一曲ピック・アップしても
らっています。
片;このコーナーは、手に入りずらいというか、まあ、できればCD化されてないもの
で、でも紹介したいナンバー
なんかを紹介するために。
佐;ゲストは毎回そういうレコードを持ってこなきゃいけないの?
片;いや、佐野さんだけですね。この挑戦にこたえられるのは、、、今までも結構ね
え、曽我部くんとかね、コー
ネリアスの小山田くんとか来たりしたんですけ
どね、今回佐野さんには挑戦していただこうかなと。
佐;わかりました。
片;で、僕、持ってきたのがえすねえ、カーティス・メイフィールドなんですけども
、彼はですねえ、70年代から、
もちろん60年代のインプレッションズを含め
るとキャリアはすごく長いですよね。もう、ソウル・ミュージッ
クの、、、
なんてったら、、、王様? 王様っていったらいいのかなあ。
佐;まあ、新しいアーティストが彼の、カーティスの音楽を聴くとみんなサンプリン
グしたくなるというね、そう
いうアイディアの宝庫でもあるんだ。
片;ラッパーの連中からもすごくリスペクトされてるし。
佐;また、一時的、一時、60年代の末から70年代の最初にかけては、その、とても、
政治的な、時期もあった。政
治にすごくコミットしていった時期もあった。
片;人権的な、そういう黒人の民権運動とかに関わってたりとか、麻薬の問題なんか
とも積極的に関わってた人です
ね。そのカーティスがですね、1985年に「We Come In Peace With A Message Of
Love」というアルバムを
出しているんだけれども、そこから、「ベイビー・イッツ・ユー」という曲をシ
ングル・カットしてるんです
よ。それのね、これね、マニアックですいません、あの、プロモ盤っていうのが
ありまして、プロモーション
用の12インチがありまして、その裏面がインストゥルメンタルなんですけど、普
通インストゥルメンタルって
いうと、ただのカラオケが入ってるじゃないですか、でもこの「ベイビー・イッ
ツ・ユー」は、自分が、カー
ティス・メイフィールド自身が、自分の歌のパートを、自分のギターでやってる
んだよね。これがねえ、泣け
るんですよ。ちなみにホーボー・キング・バンドの佐橋さんは、んー下手だなっ
て一言いいましたけどね、こ
れを聴いて。それはちょっと、聴いたみんなにお任せしたいと思います、その判
断は。
佐;そうだね、歌うようなギターのフレーズ。確かに少しこう、音がはずれたりして
、音楽的には、あれ? と思
うけれども、でも、おかまいなしだね。とても
いいプレイだと思います。
片;ボーカリストが弾いているギターって感じがしますよね、やっぱり。ほんとのギ
タリストじゃなくて。で、カー
ティスって、こう、僕、ライブ観たことある
んだけど、指で弾くんだよね、こう撫でるようにねえ、ピックを使
わないで
。すごいやさしく弾くんだ、ギターをこう、女の人のを扱うようなって言ったらちょ
っとあれかな、、、
すいません(笑)。そういう感じに弾いててね、それが
印象的だったな。今、カーティス・メイフィールド、野
外ステージで照明が
倒れてきて、首の骨を折ってしまって、首から下が不髄のような状態でね。僕はその
事故が
起きる2週間くらい前に、実は大阪でお会いしてるんですよ。ライブ
を観てて、花の博覧会ってのがあったとき
に、ゲストで来てて。で、サイン
もらって、写真撮ったりしたんだけど(ねえ、もしかして、ファースト・アル
バムのブックレットの見開きページの、たーくさんの写真の中の真ん中にあるやつ
? ずーっと誰なんだろう
って思っていたんだけど、、、どうなのかなあ。
あっ、こんなところに、失礼しましたー。by小出)。すごい
やさしい人だっ
たなあ。復活しましたよね、でもね。
佐;でも、事故に遭った直後にサインねだらないよ。
片;いや、事故の遭う直前、直前(笑)。それじゃ佐野さんは今日は何を。
【COLLECTOR'S ITEMS2】 THE BAND
でもね、さきほど、プロデューサー、次のアル
バムの、ジョン・サイモン。その彼が70年代にプロデュースし
た、そして最
も成功したバンド、ザ・バンドのねCDを今日は持ってきた。ただレコードだとちょっ
とつまんな
いから、彼らのライブ・バージョンを。
片;それはボックス・セットからですね、この間出た。
佐;まあ、レアといえばレアだけれども、でも、そのザ・バンドの、あの、演奏力が
いかに確かなのもで、力強い
ものか、このライブ・バージョンを聴くとよく
わかります。
佐;とても素晴しい。やっぱり演奏、素晴しいね。
片;このセカンドラインのリズムっていうんですか? ♪ダッッダッッダダ。
佐;スウィンギーな感じだね。
片;スウィンギーな、ニュー・オリンズの感じとか、あとキーボードのプログレッシ
ヴな感じとか、やっぱり、ザ
・バンドも、ザ・バンドもそういう意味ではい
ろんな音楽を、こう、混ぜて、、、
佐;ミクスチャーされた、もともとはカナダ人の集まり。だけれども、カナダ人であ
るからこそ、米国音楽のいい
部分とか客観的に知っていたんだろうね。だか
ら、ジョン・サイモン氏と、まあ、8月、ウッドストック
でレコーディン
グしますけれども、このザ・バンドのレコーディングの時のね、秘話とか、その辺を
仕入れて
きたらまた、この番組に。
片;来てください、ぜひぜひ。そのカナダのザ・バンドで、日本のホーボー・キング
・バンドって感じでね、視点
とかも似ているかもしれませんね。さて、佐野
元春さんと一緒にお送りしてきたコーナー、いかがだったでし
ょうか? こ
の後もまだまだみなさまからのリクエストにおこたえします。お楽しみに。
12. 経験の唄 佐野元春
すね、まだまだと言いつつ、実はもう、今日最
後のリクエストになってしまいましたが、ここで、佐野元春さ
んとはお別れ
なんですけれども、佐野さん、いかがでしたか?
佐;すごい楽しかった。ラジオ番組出ること自体、すごい久しぶりだったし、で、僕
の番組をきいていた片寄くん
が招いてくれたことも、とても光栄に思ってる
よ。
片;いやー、僕はもう、異常に緊張しましたよ、やっぱり。夢のようなっていうかね
、子供の頃、きいてた人とか
と一緒に仕事をしたりとか、まあよくあること
なのかもしれないけど、この世界に入ると、でも、やっぱり、
すごい不思議
。
シ;やっぱり、尊敬して、こう、目標にしてきた方と一緒にやるのというのはやっぱ
りね、また違うでしょうね。
片;すごい、幸せ。
佐;僕なんか目標にしちゃダメだよ。
片;あ、そうなんですか?
佐;僕なんか目標にしたら道あやまります。
片;レコード会社の人に時々言われることが、、、うそです(笑)、冗談です。
シ;また、ぜひ、きてくださいね、佐野さん。
佐;わかりました。すごい楽しかった。どうもありがとう。
シ;最後に佐野さんの近況教えていただきたいんですけど。
片;はい、『THIS』っていうイベントがあるんですよね。8月23・24日。土日ですね
。場所は赤坂ブリッツで、
開場が16:00、開演が17:00という、ちょっと早
い時間なんですけどね。
佐;そうだね、新しい世代のバンド、また、僕と同じくらいのキャリアをもったバン
ド、たくさん出て、楽しい一
夜にしようと。ちょうど、夏休みの終りぐらい
なので、ちょうど、ほら、夏休みの終りってみんな大爆発する
時期じゃない
。そんな楽しいロック・イベントにしたいと思ってます。
片;去年は僕らも出たんですけどね、今年はですね、23日のほうが、COCCO、スーパ
ー・バター・ドッグ、トラ
イスラー・トップス、スモール・サークル・オブ
・フレンズとかね、山崎まさよしさん他いろんな方が出まし
てね、24日の方
にはフィッシュマンズ、TOKYO NO.1 SOULSET、リトル・クリチャーズ、おーすごい、
グル
ーヴァーズ。そして、佐野さんはこの24日の方に出るってことですよね
。
佐;で、両日とも僕が司会進行をするんだ、ヘタクソだけど。
片;いや、これがいいんですよ。佐野さん、誰よりも早くきてるんですから。朝の9
時くらいからいませんでした?
前の『THIS』の時は。ホフ・ディランの連中
が感動してましたもん、だって。すごいねえ、うれしかったです
よ。セッシ
ョンなんかも、じゃあもしかしたら。
佐;うん、ありえるね。
片;楽しみですね。8月23・24日赤坂ブリッツで、『THIS'97 NEW ATITUDE FOR JAPAN
ESE ROCK』こちらの
方もよろしくお願いします。では最後のリクエストをき
きながら、お別れです。
佐;また、遊びに来るよ。とてもいい番組。楽しかったです。
片;今日のゲスト・ナビゲーターは佐野元春さんでした。どうもありがとうございま
した。
佐;どうもありがとう。
来週は久しぶりにオール・リクエストです!!!
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