どんなライブか知りたいって?


それじゃあ、ここを見ればいいじゃん!



1996.4.27(SAT)

NISSIN POWER STATION

TRIPLE TRIPPER

                                BY 小出 紀子
 27日は気が狂うほどアツかった。桜が満開のここを発つと、3時間程で東京に着いた。葉桜が目に眩しい、人、人、人でごった返しの場所に。久しぶりの「GREAT3」のライブを見ることの出来るしあわせ。それはEL-MALOを初めて見ることが出来ることも手伝って、更には、普段から仲の良いPLAGUESも一緒のイベントだから特別の何かが見られることの期待(ひとつはアンコール、あとは漠然としていてわからないけど何かあるはず)もあって、いつもよりずいぶん大きかった。半面、「GREAT3、大丈夫かなあ」なんてことを心配したり・・が、これはGREAT3の順番がくると、愚かな心配だとすぐにわかるんだけど。

 まず、EL-MALOが飛び出した。初体験。ツイン・ドラムが目に留まった。そして、音が、音が、凄い。大音量なんて言葉じゃ言い尽くせない、耳を覆いそうになるくらいの音・・・爆音?三半器官がヤラレそうになるくらいの・・・事実、一段登ったところで彼らの音に身をゆだねていたら、平行感覚がなくなり、何度か足を踏み外しそうになった。初体験の彼らには、爆音で連れて行かれてしまった、そんな印象がある。柚木さんが一曲歌い終えて、Tシヤツを脱ぎ捨てた時、ズルいなって思った。そんなのズルい。まあ、見たくないものを見せられたわけでもないし、きれいなものが大好きだから、本当は(ものすごーく)うれしかったんだけど、もう少し、想像の余地を与えて欲しかったなって、わがままに思った。だって、柚木さんはあのダンスと声だけで、もうじゅうぶん・・・。だからEL-MALOについては、爆音(ジェット機?)と柚木さんの上半身(x x x)しか覚えていない。好きな曲演ってくれたのも覚えてはいるけど。

 虹色ストラップが暗闇に確認されたから、次は「GREAT3」だと信じて疑いのかけらもなかった。が、出てきたのはPLAGUESだった(虹色ストラップのギターはほりえくん仕様)。彼らのライプは本当なら、3回目のはずなんだけど・・・きちんと全部見るのはこの夜が初めてだった。CDを聞いても、曲のタイトルにばかり感動し、曲自体にピンとくることがなかったのに、この夜は、カッコイイなーと本気で思った。カッコイイ、そして信用できるバンドはまず、リズムがイイ。PLAGUESの後藤さんも岡本さんもカッコイイ、リズムがイイ。(そして同じ基準で、GREAT3もカッコイイのだ)。フカヌーは歌って、ギター弾いて、すごいと思った。トリオ・バンドだからってGREAT3と比ぺたくなりそうにもなるけど、それは違うよねって。だってどっちも自分たちにしか出せない音をちゃーんと持っているし、出しているって、PLAGUESを見てはっきりとわかったから。きちんと見たら、彼らの良さが見えたように思った。フロアのを見て自分の再発見がひとつあった。それは、ギターの音に酔いながらもそのバンドを気に入る私の鍵は、ドラムの音にあるらしいということ。専門的なことは何ひとつわからないけど、後藤さんのドラム、イイから。

 3番サード長嶋、じゃあないけど、3番目、トリじやない。でも、EL-MALOからPLAGUESのフロアの揺れの流れを見ていて、正直言うと心配だった、いろいろと。でもね、始まったら、そんなの全然OK、大丈夫どころか、GREAT3のときフロアの揺れ、最高潮だった(見間違えでなければと少しだけ気弱)。何を演ったか、この夜のことはほとんど覚えていない。ステージに現れた3人は、ケンイチはコワイくらいにキマっていて、キヨシはやさしい感じ、カタヨセはクレイジーさが突き抜けているようにみえた。オープニングは「0pen MY Eyes」、ちょっとびっくりした。だってカバー曲で始めるなんて、この夜だけは思っていなかったから。でも、それっていつもと変わらない「GREAT3」ってことだったのかな。「I Believe In You」に続いたのも、ちょっと意外だった。でも、イタミにあふれたイカシタR&Rだからピッタリきた。そうそう、サポートは、ほりえくん、おいちゃん、おさださん、いつものメンバー。ここでキヨシが「サイコー(アクセントはサ)」を連発してたら、天使の羽根をつけたカタヨセが現れた。その羽根を見て「ゆっ柚木さん?jと目を潤ませてしまったが、聴いたことのないイントロに続いてカタヨセが歌い出したフレーズに本当に泣いた。始まった曲は[Fools」私の大好きなフレーズのあるEL-MALOの曲だ。〜時は廻る矢の様に〜大好きなフレーズをカタヨセが歌う。こんな夢みたいなことが目の前で起こっている.それだけで充分しあわせなのに、そこに柚木さんが現れた。カタヨセと柚木さんが「Fools」を歌う。この夜、一番望んでいたことは、きっとこの瞬間かもしれない、特別の何かは漠然としていたけど、この瞬間にコレだって、思った。柚木さんは「Oh Baby」まで歌ってステージを後にした。このメロウな数分間はこの夜で一番特異な空気を会場全体に満たしたような気がする。そのメロウな空気をほんの少し引きずって「Fly Like An Eagle」でシプくキメた後は・・・「Madness Blue」「DISCOMAN」と続く。EL-MALOやPLAGUESよりも重厚な音の印象が少なくどちらかというとポップ色が前面にある印象の「GREAT3」だけど、気持ちよく脳天をブチ抜かれるような音もあることをEL-MALOやPLAGUESのファンの人たちにもわかってもらえたと思う。「エデン特急」がラスト・ナンバーだったけど、やっばり「GREAT3」はスゴイって思った。彼らの歌う曲は歌詞もちゃんと聴こえているから。音だけじゃなく、彼らが言いたいことが言葉にいたるまでライプで表現し尽くされていることが、スゴイって改めて思った。本当、愚かな心配してたよ、まったく。

   この夜の特別な何かのもうひとつ、アンコール。人柄の良さをうかがわせるI-GONのMCのあとはEL-MALO+PLAGUES+GREAT3+ほりえくん+おいちやんによる大メドレー大会。PLAGUESの曲「Blues from the Bathroom」で始まった。カタヨセが歌ったり、柚木さんが歌ったり、キヨシはギターを持ってた(もちろん弾いてた)。これはイペントの醍醐味だと思うけど、ここまで演る側、見る側、作る側の全員が心から楽しんでセッションできるイペントはなかなかないと思う。I-GONが初めに、このイペントのいきさつを話してくれたけど、発案者であるYS Corpの山中社長をはじめ、作る側の全ての人たちに、見る側からは感謝の気持ちでいっばい。だってこんなに楽しいアンコール、そうそう拝めないもんね。あの面々で「エデン特急」やっちゃうし、次はEL-MALOの曲?この曲すっごく感じがよかった。間に挟むMCも笑えた。汗が渇いて寒くなるまで喋ってたな。3バンド併せて新しいバンドでやってくなんて冗談も飛び出して(バンド名は「ほりえ」だって)、大爆笑。カタヨセがアンコールではTシヤツ脱いでたんだけど、オーバーオールの胸当てがあるところがカタヨセらしくて気に入ったんだ(一説にはホッとしたというか、、)。実は、本編では柚木さんが脱いで、後藤さんと岡本さんも脱いでいて、もしかしたらカタヨセってば触発されて「オレも」なんて上半身ハダカだったらどうしようなんて心配してたんだけど・・・。本編の時はTシャツ着ていたし、アンコールで脱いでるけど胸当て付き、もしかしてカタヨセは自分のことすごくよくわかっているのかもしれないとまでこの一件では思った。
 さて、大メドレー大会第2弾は、「腰抜けマシーン」から、もうバカみたいに楽しい。次の曲はEL-MALOの「Blind」。CDで聴いたよりもずっとずっとカッコイイ。で、次の曲、PLAGUESの「Ride,ride,ride」、よく「名曲」なんて言われていたけど、どうしてなのかわからなかったのに、この夜ようやく、しかし、いとも簡単にその謎が解けた。もうドラムの音が聞こえただけでイイと思えた。歌われていることも伝わってきたんだ、すごく。魔法にかかったみたいに心にしみたんだ、ほんと。息つく暇もなく、もう一曲って「Richmond High」を歌った。あの面々が。この曲の感じはステージにいる総勢l0名の言いたいことや抱えていることに符合するような気がした。疾走感、クレイジーさ、叫んでも叫んでももの足りない感じ、あらゆるものを蹴散らして、でも、どこかで泣いてる、こっそりと、そんなイメージ。最後の一曲、いろんな想像をかきたてられた。

 27日は本当にアツかった。EL-MALO、PLAGUES、GREAT3。目撃者というよりも彼らに連れられて、一緒にジェット・コースターに乗り、空を飛んでぐるぐる廻っていたような気がしてる。それはなんだか不思議な感じだった。夜の冷えた風に当たり、全てが夢だったような気持ちがする中で、気が狂うほどのアツさだけは、冷えた空気にもかき消されることはなかった。


<このライブレポートを書くにあたって>

 今日、何気なく手に取った音楽雑誌を買って、帰途についた。自分の部屋で、目次も見ないで、パラパラとそれをめくってみると、突然「GREAT3」の文字が目に飛び込んできた。これまではいつだって、「GREAT3」という文字を確認してから、どんな音楽雑誌も買っていたのに、「GREAT3」のことが掲載せれていることを全く期待しないで買ってみると、「GREAT3」の記事が突然、目に・・・しかも当然のように掲載されているヤツが・・・飛び込んできたのだ。「えーーーーっ!」そう絶叫しながら、食い入るようにページを見入る。泣きながら訳も分からずうなずいていたが、ページの隅っこにあったセカンド・アルバムの曲目を見た瞬間、頭のなかが見事なまでにクリアになり、ひとつの想いが駆け巡った。「スゴイ、ゼッタイ、ダイジョウブ」。そして今、その雑誌のページに半ば、けしかけられた感じで、椅子に腰掛け、今キーボードをたたいている。 (小出紀子)

 (注: 何気なく手に取った音楽雑誌とは、"WHAT's IN?(es)" 6月号、P52にインタビュー掲載)


GREAT3
これまでのライブ一覧に戻る!>
次ぎの頁へ行く!>
インデックスへ戻る!>



インデックスへ戻る!


あなたは、1996.5.12から数えて、人目の素晴しいお客さまです!



まったく最高だぜ!グレイト3・ホーム頁sunchild@ppp.bekkoame.or.jp