1996.12.10(TUE)  Triple Tripper 渋谷

  

<30>


「Great 3」<<片寄明人/高桑圭/白根賢一>>
01DISCOMAN
02Glass Roots
03METAL LUNCHBOX
04Under the Dog
05エデン特急
06I Believe In You
  


1996.12.10(TUE)  Triple Tripper (渋谷公会堂)


                         By 小出のり子

 DONNA SUMMAR'96の日比谷ライブ当日、寝坊した金沢在住のTMに対し、「なんで寝坊するかなあーこういう大事な日なのに、、」と思っていた私だけど、いやーやっちゃいましたよ、あっさりとね。

 この日の朝、余裕を見て7:28am発のバスに乗って、駅に向かおうと予定したにもかかわらず、「会社に遅れるわよ」と母に起こされた(起こされるなんて学生時代以来のことです、ホント)私の見たものは、7:15を差し示す時計だった。「ウソ、マジ?まさか〜!?」とベッドから飛び起き 、Tシャツを脱ぎながら洗面台へ走る。寒いはずが焦る余りか皮フの下からふつふつと汗が湧き出てくるのが分かる。「えー、もおー、どうするー」さいわい荷物の準備はしてあったので着替えたら、鏡の前で少々格闘すればいいだけのはずが、髪がすごくハネている。こんな時にどうしてえ〜!?でも7:48amのバスに乗らなちゃ絶対マズイっていうんで、あとは列車の中で、、と家を飛び出した。

「今夜は会社のセンパイ宅でちょっと早い忘年会だからね。
明日の昼過ぎには帰るから、行ってきまーす」


 東京へ向かう列車にはなんとか予定通りに乗り込んだ私は、約1時間、右に左にと揺れながら、髪をなおして、お化粧して、、と席を離れていた。、、こんなはずじゃあなかったのに〜朝からもうボロボロ、東京に着く前に一日ぶんの疲れが出てしまった!?なんか落ち着かない、このままGREAT3に会うのか〜なんかイヤだなあ。こんな私の気持ちを察してか、渋公の裏口でGREAT3を待っていたのに、カタヨセだけはいつの間にか正面から会場に入っちゃったのよ。会えなくて残念だったけど、「あんまりオレに見られたくないよな〜」って思ってくれたのかも、、なーんてね、訳ないんだけど。

 OPENまでTMと私は食べることに専念した。デザートまでしっかり。さらには「中華がいいかなあ〜」なんてライブ後の食事場所選びまでそつがないTM、、さすが。ビールもいいけど、パフェうまかったッス。

 OPENしてから中に入り、1階の後ろから数えたほうが早い席に腰を降ろした。うーん、ちょっと遠い。。。ステージ上に黒いギターが見えた、、最初はGREAT3じゃないのね。「ひょっとしたら、私たちの前って誰も来ないんじゃない?」TMがいう。よく見れば、私たちはPAスペースの後ろの3列目。2列目まではそっくり空いたままじゃない、あともう少しで始まるっていうのに。「えーすごく見通しいいじゃん、すごいイイ席だね、ヤッタね。」ずっと、後ろの席だ〜ってブルーな気分だったのに(カタヨセにも会えなかったし)いきなり有頂天の私だったのだ〜。回復したよ、いっきに。


PLAGUES〜カッコイイ、でもカワイイ、岡本達也さんに一票〜


 プレイグス、もうカッコイイ。カッコイイのは知っていたつもりだけど、プレイグスらしいカッコよさがある。うん、カッコ良さに圧倒。でも、印象深かったのがベースの岡本さんのアクション。すごくかわいいぞー。私の中では、「寡黙にベースを操るオトコ」ってことになってたのに。すごくかわいい、、話がちがーう。なんか楽しいゾー。こんなに楽しくていいのかってくらい。前のトリプル・トリッパー以来、プレイグスの中ではドラムの後藤さんとベースの岡本さんは私にとってどちらも同じ位魅力を感じてたんだけど。でもねえ、この夜決定しました。パンパカパーン!岡本達也さんに一票。私はタツヤって名前に弱いのかもしれない。ブランキーだってドラムの中村達也さんがお気に入りだもん。あっそういえばバフアウトのプレゼントでブランキーの達也さんのソロ・プロジェクトのTシャツが当たったんだよ前。ここだけの話、バフのプレゼントは当たる確率が高くてオススメです。MILK BOYのライター、達也さんのTシャツ、Betty's blue のヨーヨー。今のところ3戦3勝です。皆さんも送ってみてはいかが?美しいポストカードのDMも届きますよ。、、と話が逸れちゃった。「Good-bye」を生できいてみたかったなあ、、。でもホントにカッコよかった。他のバンドにはないカッコよさだよね。うん。


GREAT3〜プロみたいby TM、、まとまっちゃってもカッコイイやつら〜


 次のステージのセッティング中、カタヨセのチープなグリーン色のムスタングが見えた。。その瞬間叫び出す、TMと私。前のほうにいる伊東さんや馬場さんが振り向いて、こっちに茶々が入る「早ーい」って。大大好きな「So Much In Love」のメロディに似たコーラスグループのボーカルが場内にひびき渡る。ああ、待ち望んでいた彼らの登場だ。メンバーは3人プラスいつもの面々、パーカッション:及ちゃん、キーボード:ほりえくん、ギター:おさださん計6名。始まったのは、

<DISCOMAN>

 だ。おお、カッコイイじゃん。 プレイグスと張り合ってる?やっぱりバンドのサウンドでコレってカッコイイんだな。ストアイベントも良かったけど、今夜はまとまり具合がカッコイイ。またホレ直しちゃったなあ、GREAT3。次は、

<GLASS ROOTS>

 顔を見合わせてTMと二人喜んだ私だ。ほら「'のりこ'えないと」ってうたうじゃないだから(By 紀子)。でもそれよりもこの曲、ライブで聴くとますますいい感じになるから、歌ってくれることが本当に嬉しかった。ギターの弾き方も歌い方も凄くいいよ、カタヨセ。次はさ、いきなり始まったんだ。

<METAL LUNCHBOX>

 が。インストア・イベントの感じをすごく気に入っていた私だったけど、あのねえ、訂正します。この6人フルで演る感じ、やっぱりカッコいい。うまいよみんな。バンドらしく、まとまってる。まとまっちゃうのって私は嫌いなんだけど、このまとまり方はいい。カッコいい。まとまってるけど壊れているって感じって、分かってもらえるかなあ、そういうの。あのギターのリフ、やっぱりなきゃダメ。うん。そうそう。ライティングがさ、またカッコよかったんだ。ギターのリフの時、ストロボ・ライティングになるの。もうバッチリ。うますぎるよ。やっぱりスゴイ奴らだよ、まったく。ガイジン化したキヨシのMCもいい感じ。ここでカタヨセが「ずっとライブはないけど、もしかしたらウォーミング・アップを兼ねて、小さいところでライブをするかも知れない」なんて嬉しいことを言ってくれた、、ただの思いつき発言ぽいけど、そうなることを願うよ。

<UNDER the DOG>

 は、やっぱりケンイチのドラムだね。身も心もうーんと満たされた。ああ、エンディングに向かうにつれ、ますますいい、、、ケンイチ。

<エデン特急>

 は歌うしかないね。これは。キヨシのベースが鳴ると私の心は、エデンモード、そう、歌ったよ、大きな声で。歌う度にこの曲の良さは揺るがないものになっていく。これで終わりかと思ったら、

<I Believe In You>

 だって。久しぶりだね、コレ。一緒に歌い始めたけど、途中で絶句した。また深読みしちゃったよ、カタヨセの心情。えっそんな深読みするなって?そーだよね。でも痛くて泣きそうになったよ、ここでのこの曲。ラストがこれで本当にうまくまとまったけどさ、、あっ深読みはヤメロって?そうだね。いいライブだったからこれで全てヨシだよね。


Theatre Brook   ああ、カラダがとっても満たされました〜


 初体験シアターブルック。見たくてもこんな機会でもなきゃ一生見られなかったかも知れない。ラッキー。もしかしたら3バンドの中で未知という意味では今夜いちばんの期待度だったかも知れない。その期待は裏切らなかった。CDの声より数倍ライブの方がよかった。加えてタイジさんのたたずまい。カッコイイ。「ハイ」って返事しちゃいそう、この人になら、どんなことでも。そんな気持ちでカラダを揺らし腰をくねらせる。たぶんこのバンドの音がいちばん私のカラダに合っていると思う。すごく気持ちがいい。ぜいたくな空間で踊り続けたって感じがした。ホント、カラダにいい音楽だった。自分でもびっくりするくらいぴったり合致したの。ココロは?わからない。たぶんココロは無かった。気持ちいい感情だけが存在して、泣きも笑いもどこかへ行っちゃった。気持ちいいのは好きだけど、私はやっぱり泣いたり笑ったりしたい。ココロも満たされたいよ、カラダだけじゃあ、、。でも、もう一度ライブを見たい、絶対に。


アンコール   赤白対抗大玉送り、、、?
新行役は洋ちん(長身)よっ〜


 ぞろぞろとステージに戻ってくるTriple Tripper たち。左の端っこで背の高いスラっとした男の人がしゃべり出した。「アンコールは一曲だけ、タイジくんと白根くんが考えたゲームを赤白に分かれてやって、勝ったほうのチームだけが演奏します!」。なんとその進行役の人は、ロッキンオンJAPANの編集長、洋ちん(命名TM)だった。

 ゲームとは、紅白の巨大なゴム風船ボールをステージから送り出して、客席を後ろまで行って、早く戻ってきた方が勝ちというものだそう(プーッくくくくっ)。こんなこと考えてくるなんて予想外。びっくりした。赤チームはプレイグス後藤さん、GREAT3片寄くん、シアターブルックタイジさん、ナカジョウさん、堀江さん、プレイグス&GREAT3サポートのほりえくんの6名。白チームは残りの他10名。

 でねえ、ゲームの結果は必死の客席も巻き込んだ熱闘の結果は、赤チームの勝ち!よくやったカタヨセ。タイジさんがどうしてもと選曲した曲だけど、リハーサルは1回しか、してないらしい。その曲について「ニューヨークって感じでねえ」なんてイメージで延々説明した後、はじまったのは、ビリー・ジョエルの「Just Way You are」だった。いやあーん、かたっち。私の目はハートマーク。まさかカタヨセの歌うコレが聴けるなんて、タイジさん、ナイス選曲!カタヨセとタイジさんの対照的なボーカルが強烈に心に残った。タイジさん、ホンモノかと思った。カタヨセのボーカルは涙を誘った。アナタの言っていた幸せな気持ちってコレなのね。すごくよかった。

 カタヨセは「泣くなりわめくなり地団太踏んで、白組にもやってもらうのは勝手にしてくれ」って言うから、みんなで泣きわめいていたら、やっぱりやってくれた。「発案者がなんで出られないんだって、白根くん怒ってます」とは、洋ちんいわく。さあ、白チーム登場!みんな大喜びだ。マーチが流れたかと思ったら、すごいハードな音が鳴り始めて、これ、踊るっていうより、頭をShakin'って感じ、私には。曲はプレイグスの十八番、ジーザス&メーリーチェインの「Gimme Hell」だ。わーっ!水を得た魚と化すケンイチ。ずっと上下にカラダがゆれてるよ。キヨシはギターを弾いている。うれしそう。
 終わってみれば白チームが後で、、負けてよかった気がする。幸せな気持ちになってから狂って、そして幕をおろすのが私にはよかった。

 慾を言えば、やっぱり3バンドそろってお互いの曲のセッションをして欲しかった。めちゃくちゃなMCと併せて。愉快にわいわいと。そのへんが少し物足りなかったな。3バンドそれぞれのライブが良かっただけに、もっと入り乱れてやっても欲しかった。なんたって天下のTriple Tripperなんだから。あとポスターなんかもほしかったなあ、、いや、ライブはよかったんだけどね。


エピローグ 乾杯の飲み代はけんちゃんのおごり!?ごち〜


 これで当分GREAT3のライブはない。さみしいような、ちょっとホッとしたような。'96年ラスト・ライブはすごくいいライブだったので、半とし待って次のライブの蓋を開ける時が本当に楽しみ。プディングの味は食べてみなけりゃわからないけど。。。ああ、ワクワク!私は充分休養して、彼らにどんなカード出されても負けないカードを揃えておこう。

 きっとこの Triple Tripper  というイベントはこれからも形を変え、場所を変え、ずっと続いていくだろうな。そうあってほしい。前回のフィルモア最後の7日間のノリのようなポスターやTシャツ、今回も欲しかったのは私だけ?だって前のポスターの出来は最高級で、あれからずっと私の部屋の壁を飾ってくれてるし、この夏、Tシャツは何度も何度も着た。でも、そういうものはなくたっていいから、これからもずっとワクワクするようなスゴイ、イベントであり続けてさえくれれば。ケンイチのアイディアもなかなか面白かったけど(かなりエキサイティングしたよ)やっぱりねえ、お互いの曲を入り乱れてセッション、、、めちゃくちゃなMCや。

 さて、渋公を出た私たち、総勢8名は彼らの見送りにも行かずに(入り待ちで裏口から入ってくれなかったカタヨセはの仕返しなのだー私の場合)向かいにあるお店に直行した。、、やだ、ココッて2年前のD.S.L.ライブ前に友達とご飯食べて、ふたりでワインを2本+α空けてヘロヘロになってライブにのぞんだ時のお店じゃない、、ライブ後に大勢で楽しく過ごすのって初めてじゃない?すごく楽しいぞ。8人で飲めや食べれや大騒ぎ!

 テーブルについて、ひとりのウェイターのことがずっと気になっていて、思いきって口を開いてみた。「ねえ、あの人、けんちゃんに似てない?」これは見事に全員の賛同を得た。仕草とか伏せ目の表情が本当にそっくりなのだから、すごくびっくり。もうゴキゲンな私たちは近くにいたお店の人に「あのウェイターさんが有名人に似てるのでぜひ、このテーブルに呼んでください」とお願いをして、、けんちゃん似のウェイターさんと一緒に写真を撮った。誰かがbounce誌を持っていたので シャッターを押してくれた人に見せると「ああ、似てますねえ(しみじみ)でもアイツはモテないんですよ」なんて言った。けんちゃん似の彼はといえば、恥ずかしそうな笑みを浮かべて、テレまくり。私なんか「けんちゃん」ってよびかける始末。ああ、、けんちゃん似のウェイターさん、キャーキャーさわいでごめんなさいね。

 23:00お店をあとにすると、何やら支払う金額が安すぎの気が、、、レシートを確かめると、最初にオーダーした飲み代が含まれてないことが判明。Yeah ラッキー!早くここから立ち去っちゃおう。たぶんあのウェイターさんがおごってくれたんだよ、けんちゃんに似てるって言われて嬉しくなってさ(しかし彼はけんちゃんのこと知らなかったのだー)。あれだけ食べて飲んで一人1000円は本当にお得な夜だった。コレって犯罪?ううん、絶対ウェイターのけんちゃんが持ってくれたのよ「オレの給料から引いといて下さい」って。うん、絶対。

 「アレって本当にけんちゃんだったりして〜、今日のライブのほうがニセ者なの」なんて言うくらい似ていた。カッコよかったー。お店の名前わかんないけど、EGG-man の隣のビルの(いや、同じビルか、、)2Fか3Fか4F。渋谷に出かけることがあったら、是非のぞいてみては?ウェイターのけんちゃんに「GREAT3のドラムのけんちゃんに似てますね」って言えば分かってくれるはず。でも私たちのことは内緒にしてね。今さら、飲み代を請求されてもねえ、、(ぼくはそんなヤツじゃありません By 本物のけんちゃん)。

 すごく楽しかった。8名はまたけんちゃんのお店(勝手に命名するなよーBy 本物のけんちゃん)で再会することを誓合い、それぞれ帰途についた。私は渋谷の街で眠りにおちていった、幸せな気持ちで。
                    1996.DEC. 小出紀子



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注!

このページは、桝田陽子小出紀子の普通の社会人2名が手を結んで作りました。
桝田の担当がページ作成、小出が自分のミニコミ作成の実績を、生かしています。
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