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1996.9.21(SAT) 日比谷野外大音楽堂


ドナ・サマー96

By 小出紀子
 1.Summer Breeze
 2.ジェット・コースター日和
 3.Oh Baby
 4.崖
 5.マイクロ・マシーン
 6.METAL LUNCHBOX
 7.ビーチ・ボール
 8.Little J の嘆き
 9.Under the Dog
10.嫉妬
11.Madness Blue
12.Sampedoro Gold
13.腰抜けマシーン
14.G-Surf
15.DISCOMAN
16.エデン特急
ec1.Cruel World to Heaven
ec2.Not Fade Away
   Open My Eyes


 久しぶりのワンマンライブ。ツアー最終日。そして初の野音。そう、ワンマンでこんなに広いところは初めてなのだ。どのくらい人が入るのか?少し心配だった。人の多い少ないにライブの善し悪しが左右されるバンドじゃないことはわかっているけど、やっぱり沢山の人の前で演って欲しいから。  でもいつもの例にもれず、私の心配は無用だった。そろそろスタートかという頃に後ろの方を見渡すと、座席は人でびっしり埋め尽くされていたのだ。私の見た限りじゃ後ろの隅っこのほうまで気持ちが悪いくらい人がびっしり。スゴイ、アイツらやっぱりタダ者じゃないよ。ライブ前から圧倒されてしまった。ライブの度にGREAT3には驚かされてばかりいる。一体、どれだけ驚かせば気が済むのだろう。これだからGREAT3のライブは、やめられないよね、うん。

 一際大きな歓声が空いっぱいに響いたと思うと、3人が姿を現わしていた。喉の調子が心配な(私の大好きな)カタヨセ。名古屋〜大阪ライブで見ている女の子たちにため息をつかせまくったとモッパラのうわさの女殺しのケンイチ。見ているだけであったかい気持ちにさせてくれ、それでいて官能的VOICEの持ち主キヨシ。うっすらと明るさが残る中、あたり一面にカタヨセのギターが鳴り響いた。

 「1.Summer Breeze」がオープニング。ちょっとコレ反則。いきなり切ないじゃん。もしももう少し夕暮れ時で、空が雲に覆われていなかったら絶対に泣いてたと思う。それでもちょっと曇った天を仰ぎながら聴いていると涙がこぼれ落ちそうになった。3人から繰り出される音と(カタヨセのハープ聴くのは久しぶり)、時おり頬をなでる風のバランスが、心地よく、素晴しい夜になるに違いないという予感をさせるには十分な始まりだった。

 次ぎはラジオ番組中に演りたいと言っていた「2.ジェット・コースター日和」だ。ここでお馴染みのサポートしてくれている仲間の登場。3人だけっていうのもナカナカだけど、ライブはこのメンバーじゃなきゃ面白くない!〜モウニドトゼツボウシナイ〜とゼツボウで強烈にシャウトするカタヨセ。喉は大丈夫?空を見上げると灯りを点滅させている飛行機が飛んで行った。ああ、ジェット・コースター日和。

 続く「3.Oh Baby」はオリジナル・バージョンだ。3曲も続けて泣かせてくるとは、、、。(でも実はこの時私は前の席の二人連れの背の高さのせいでうまくステージを見るポジションを取れず、おまけにこのカップルは顔を寄せ合って喋ってばかりいるもんだから隙間から見ようにも見えなくて、別の意味でも泣きたくなってしまった。)

 大阪ライブの後、かなり重症の風邪を引いてしまっていたカタヨセの病状報告(注射をうちまくってすっかり良くなった)に続いては、「アルバム”メタル・ランチボックス”を買ってくれたみんなのために」ということでアルバムのオープニング・ナンバーでもある「4.崖」が始まった。心配なのはカタヨセの喉。あの声が出るのかなあ、、大丈夫、ライブ・マジックだね。ちょっと痛々しいけどバックにほりえ君の鍵盤と及ちゃんの打鳴らす音がいい感じに響いて。後半はキヨシとケンイチのコーラスが支えている。いや、支えているというよりうまく混ざり合って、バランスが取れている。この3人の声って重なり合うと良さが10倍増しになるんだよね。じっと目を凝らして見入ってしまった、ああ。曲が終わったその後、あたり一面から虫の声が響き渡っていた、、、と、夢のような一瞬の静寂を、ハンマーが叩き壊すかのような、ケンイチのドラムが耳をつんざいた。

 「5.マイクロ・マシーン」だ。名古屋〜大阪と、ツアーを見てきた友人がライブ曲順がアルバムと同じ崖〜.マイクロ・マシーンの流れだと教えてくれていた。実は私はそんなのつまらないし絶対に嫌だと思い、友人もほぼ同意見だった。アルバムを聴きにライブに行っているんじゃないわよっ、そんな気持ち。だけど、、、だけど、この2曲をどうしても切り離せないGREAT3の想いを、この時のイントロのケンイチのドラムに感じた。アルバムをライブは全然別もの、といっても、一曲一曲に抱いている気持ちはどっちの時にも変わらないんだから、この2曲はこうして続けてライブで演奏されて初めて本当の意味を発揮しているのかも知れないと思った。9月1日の赤坂BLITZで聴いた時より、ケンイチの最初のドラムの一撃と〜Everything's alright〜のリフレインが、私のこのへん(こめかみの奥の方)を5倍は刺激したし。なんかいいじゃん。(それにしても私の目の前のカップル、目障りでライブに集中できないよ、、Help me!)。

 続くはこの夜、イチバン楽しみにしていた「6.METAL LUNCHBOX」だ。なのにごめん、この曲では前の二人がもうずっとずっと気になっちゃってもう駄目。だって前のほうにいる女の子のこと指差しながら踊りを真似して笑い転げているんだよ。何コイツラ?って怒りが爆発しそうになった。こんなことで苛々しちゃう私ってやっぱり人間小さいのかなあ?)。

 怒っていたら「7.ビーチ・ボール」が始まっちゃった。イントロで少しスピーカーにトラブルがあったけど、ああ〜、ウツクシイ。コレは何時何処で聴いたらいいのか分からない位私にはヘヴィーな曲だったけど、こうして夜空の下、風に吹かれながら聴いてみるとナカナカで、特におさださんのスチールギターが良かったなあ、、、それにほりえ君の鍵盤。この日ようやく心の底からこの曲が好きになりました。はい。

 マキシ・シングルの話からカタヨセに「もうあんなロールできないだろう」と言われたケンイチ、いきなり始めましたね、、、なんと、ここでほんの数秒間だったけどあの”Special K&K”オン・ステージ!!。やっぱりあの頃よりうまくなり過ぎの二人だった。そして、とある雑誌の〜気弱な男の心情をポップなサウンドに乗せて歌い上げるGREAT3の新曲〜というレビューに腹を立てたというカタヨセのMCに続き「8.Little J の嘆き」が始まった。カタヨセの表情に私は顔をしかめながら見とれる、うまく説明できないけど。

 名古屋〜大阪のライブ報告(名古屋では「Oh baby」でゴロゴロ床を転げる男性がいたそうだ)に続き、カタヨセの生まれて一番うれしかったことの告白。雑誌に色々書かれるのは気持ちのイイものじゃないけど、声のことで”彼の声はジョニー大倉直系の甘口ロックンロール声”って書かれていて、ほんとに嬉しかったんだって。

 「9.Under the Dog」やっぱりこの曲は「GREAT3」のカッコヨサを再度認識させてくれる。そしてコレはケンイチのドラムが私には一番の、、、。次の「10.嫉妬」と並んで、ライブ中私の身体が最も反応するところだ。こんどはもう私のこのへん(こめかみの奥を突き抜けて、胸の奥から内臓にかけて)を10倍は刺激してくれる。キヨシのギター&スキャット、、、いい。この時ばかりはキヨシばかりを見入ってしまう。私がカタヨセに見向きもしないなんてどんなにスゴイことか分かって貰えるかなあ、、。実は及ちゃんの叩く音にも心揺さぶられるのだけど。

 夢にまで見た野音の「11.Madness Blue」だ。気持ちいいなあ。。。しあわせだなあ。。もう前にいるカップルのことなんてもうどうでもいい。そう、楽しんだ者勝ちじゃん(気付くの遅すぎ)。この曲は空が似合う、広い空間が似合う。夢にまで見た野外のこの曲は想像した以上に素晴しかった。おさださんのギター、カッコ良かったな。キヨシの「Rock'n Roll!!!」のシャウトもイイ。

 すぐにおさださんのギターが鳴り出した。「12.Sampedoro Gold」。アルバムで聴くような落ちて行く音(私にとってはThe Smithsの「How soon is now」)は無く全体的に軽い感じなところに、ほりえ君の鍵盤の音が響く。〜壊せるなら/壊してみなよ/立ち直れないくらい/それくらいじゃ/痛くもない/もっと/もっと/やれよ〜 このフレーズがアルバムいち好きだ。すんなりと理解できる言葉じゃないけど、頭の中で一人の男子像が浮かび上がってくる。理解なんかできないけどわかる。ヘンだけどそうなんだ。〜今宵その夜/机の上の/イエス・キリスト/オレンジ色の/プラスチック製で/15センチ/車の助手席に/今夜は乗せてゆく〜 キリストという言葉とそれがプラスチック製だということに深読みをしたこともあったり。ニール・ヤングの「Tonight's the Night」の邦題が「今宵その夜」だと、札幌の山崎さんに教えてもらって胸の詰まる想いをしたこともあったけど。それよりも”オレンジ色”と”助手席”のところで胸が締め付けられるのは何故なんだろう。それがこの時、一番気になっていた。

 もう後半なんだと「13.腰抜けマシーン」が始まる。飛び跳ねる私。否、みんな、だ。カタヨセやキヨシと一緒に「Hey!」って叫ぶのが楽しい。あっ「14.G-Surf」が始まった。ライブ初体験。この曲が「ひみつのアッコちゃん」のエンディングテーマ曲「好き好きアッコちゃん」みたいだと思ってるのは私くらいだろうけど、ねえキヨシ、コレ好きになったよ、ライブで聴いて。この曲はキヨシの作詞だからキヨシが歌うのはわかるけど、今夜これを聴いて思ったのは、他の「GREAT3」の曲でキヨシが歌うところは、確かにまさにキヨシが歌うべきところなんだなってこと。うん、そんなこと思った。

 カタヨセのバリバリにはみ出てコワレタ歌い方の「15.DISCOMAN」に続いては「16.エデン特急」。もはや隠れることのできない「GREAT3」の名曲、3人も私たちも大好きな曲だ。コレって、つい大声張り上げて歌っちゃうよね。一緒に歌ってはじめて完成されるような気がする。これが本編のラストを飾った。やっぱりGREAT3はコレでしょう。毎回のライブで、しかも大事なところで演ってるけど、オキマリっぽくは全然聴こえないもん。

 あって、良かったアンコール。思ったより早くに応えてくれたアンコール。ここでサポートしてくれている仲間の紹介を、、、えっ、まだ紹介してなかったっけ?今夜、キヨシは外人になるのを忘れてはなかったけど、カタヨセってば、もしかして忘れてた?そういう訳でもないか。まずキーボード。札幌では京本政樹さんに似ていると言われ、10月25日にはNEAL&IRAIZAというデュオでアルバム「I LOVE N.Y.」をエスカレーター・レコードからリリースするほりえ君。ほりえ君とはStudio Apesで一緒にやっているパーカッションは及ちゃん。そしてギターはDr.Strange.Loveの長田さん。

 ここで、アルバムには入ってない曲で当分CDにもするつもりもないから、ライブに来てくれているみんなのためにだけ歌う、という曲「ec1.Cruel World to Heaven」を演った。最近、ケンイチのドラムから始まるバージョンが多かったのでケンイチを見つめていたら、聴こえてきたのは、なんとカタヨセのアコースティック・ギターだった。「えっっ。。。(号泣)」もう何も言えずただただ涙を流した。この曲が大好きで大切に大切に思っているのは私だけじゃないと思うし、本人たちだってそうだと思う。デビューアルバム「Richmond High」にこの曲が収められなかった時から、彼等がこの曲とどういう風に向き合って行くのか、好きなだけに私にとっては或る種の楽しみだった。ライブの度にどんな感じでやってくれるんだろうと、この曲を待ち焦がれてばかりいた。でもいつも思うのは、もしかしたらGREAT3はこの曲とどう向き合って行くかに悩んでいるんじゃないかなということだった。ライブでいつも同じに演るのも嫌だし、CDに入れるとしてもどんなアレンジに変えたらいいものか、、なんていう風に。これまでイントロを幾度となく変えてライブで演奏していたけど、いつもその時点で精一杯は汲み取れる反面、溶け切ることのできなかった何かが心の奥底に結晶になって残ってしまったような感じを受けることが多かった。それが今夜はそのまんまなのだ。私が初めて聴いた時と全く同じ、デモ・テープに入っているそのまんま。またひとつ吹っ切れたんだ、そう思った。(知らない間にも成長している)。「Last song」で歌うところの〜これでいいんだ〜 に通じるような気持ちがこの夜この曲に見えたんだ。CDにも入れる予定は当分無いとはっきり言い切りもし、この時点での精一杯が、デモ・テープそのまんま。数年かけてGREAT3がたどり着いたと思われるこの夜の「Cruel World to Heaven」はそのまんまでありながら全く新しく完成したものだと私は思っている。ものすごく個人的な想いだけど(ちょっと想い入れが大き過ぎるきらいがあるのは分かっている)、そう自分で感じることで私はようやくこの夜の全てと自分の手中に収めることができたんだもん。〜そう/これでいい/これでいいんだ〜って。

 20:00位には日比谷を後にしないと上野発21:00の長野行き最終特急には間に合わない。あと、もう少しで時計の長針は12を差し示しそうだった。早く、もう一回出て来てよ!そう心の中で願いながら、手はさっきよりも大きな音をうち鳴らしていた。ああ、こんな頃に私のエンジンがようやく全開するなんてさ、、、。結構早く出てきてくれたように思う。私はリュックを背負い、手には地下鉄の切符を握り締め「そんな〜GREAT3のキャップやパーカーの話はいいから(キヨシが会場に投げたキャップを受け取った人ナイスキャッチ!)、12月10日のイベント”TRIPLE TRIPPER"のことも、更にはニュー・シングルのことでさえ、もうどうでもいいからハヤクヤッテクレ!」そうつぶやいていた(たぶん心の中で、、でもちょっとヒド過ぎるかな?)やった!始まった「ec2.Not Fade Away」だ。ああ、もうどうにでもして。ギャー、あー、うーっ なんて騒ぎ続ける。時計を見る。あっ20:00回っちゃった。キヨシが「もっと行くよ」って言ってる。じゃあ、もう一曲だけ見て行くよ。「Open My Eyes」だ。いいぞ、いいぞ。やっぱりコレはライブじゃなきゃね。そんなこと私たちはみんな知っているよね。またデタラメな英語で一緒に歌う(今に見てろよ)。ああ気持ちがいい。良かったなあ。今夜のライブ。

 曲が終わると、ステージを後にする6人をしっかり見送るのも程ほどに前の方にいる友人達にさよならを告げ、大急ぎで会場を後にした。まだアンコールがあったとしてもそれは仕方ない。が、ちょうど出入口を走り抜けたあたりで終演の場内放送が聞えてきた。やった全部見られたじゃん。YEAH!  霞ヶ関発20:13の地下鉄に乗り込み、私は家路を急いだ。(急いでも急がなくても家まで4時間はかかるからあんまり変わらないんだけど)。アンコールまでほんの少し物足りない気持ちだったりで、色々な想いがぐるぐる駆け巡ったライブだったけど、最後はやっぱり良かったって思えた。雨も降らなかったしね。(絶対昨日の晩作った「てるてるカタヨセ」のおかげだと信じてるバカ)。大きなところで、しかも野外で風に吹かれながら、空の下。GREAT3って野外が似合うよ。これから毎年ここで演るっていうのはどうかなあ。会場の周りを取り巻く木々、そしてその周りを取り囲む高層ビルディング、窓明り。壁と天井に囲まれたホールよりイイと思わない?いいと思うんだけどな。  さてこの続きは? Sunday Afternoon に、11月3日高田馬場で(学祭だ、学祭!)。

        ( By 小出紀子)

GREAT3


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注!

このページは、桝田陽子小出紀子の普通の社会人2名が手を結んで作りました。
桝田の担当がページ作成、小出が自分のミニコミ作成の実績を、生かしています。
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