小出紀子 <DATE : Mon, 23 Nov 1998 20:44>
アンコールは全部観れないかもしれない。でもそれでいい。仕方ないんだ。
私の選択はその日に家に帰ることだったんだから。
ライブを観ていると、エラソーだけど、うまくなったなって思う。
カタヨセの声の出し方だとか、ギターの音なんかにそういうのをすごく感じた。
カタヨセばっかじゃんって言われても、だってそうなんだもん。
だって、「カタヨセ、ノド、ヤバイじゃん」って思っても、
ちゃんとダメなりに最善の方法を見つけて歌ってたし、
MCを挟めばちゃんと立て直してきたし。
そう、最初、始まったと同時に下のフロアは2メートルは客が移動した。
すごいんだってば、その光景。
満員の客を見ただけで、すげーって思ったんだけど、
でも、その光景、すごくて、すばらしかった。こわいけどきらきらしていた。
どこでも同じセットリストで演っていたことを、カタヨセは
『これが今のオレらのツボにはまる』と言っていた。
確かにツボにはまっているというのはよく感じられるライブツアーだったと思う。
この夜の目からウロコは「Whopper Goo!」の歌詞のこと。
(ハンバーガーのことだという以外は)ずっと意味不明だったけど、
Whopperがバーガーキングのメニューのひとつであること、
ケンイチがニューヨークでWhopperを食べたくてオーダーするけど
発音が難しくて全然通じなかったこと、
そんな話を聞いて、歌詞の全部がすごくリアルに響いてきて、
歌詞の意味がわかった瞬間、この曲がいっぺんに大好きになった。
ケンイチのボーカル、
イマタベタイ/スグタベタイ/デモタベタイも、
カタヨセの歌う、
ナンカイイッテモツウジナイ/キングノテシタも、
すごく切実!
キングの手下って言われて、ずっとアリスのトランプがぐるぐるしてたから、
バーガーキングの店員がキングの手下っていうのは、、、
とにかく気に入った!!!
ライブを通して思ったことは、
私はカタヨセのつま弾くギターの一音一音や、
力いっぱい叫んだ時の声の裏返りなんかがすごく好きなんだということ、、、
GOLFのイントロ、
ジェットコースター日和の〜ゼツボウ、
DISCOMANの〜誰よりもうまくやってやるさ/baby/きっと/もっと
Cruel World To Heavenのラストに叫ぶ声、
目をこれでもかってくらいに、つぶっているか、
これでもかってくらいむき出して歌う、
そういうカタヨセが好きで、それを観るだけでかなり満足する自分がいるということ
。
アンコールのStar Toursを気持ちよく聴いて、
終わったと同時にステージを降りるところなんかそっちのけで、渋谷駅に走った。
結局、全部聴けたみたい。ラッキー、ついてたね、ほんと。
これで次はいつライブがあるかわからないけど、すこぶる調子が良いのなら、
きっとライブをやりたくてやりたくて仕方なくなるんじゃないかと、
勝手に思っている(ほとんど、自分の都合のいい期待)。
なんか曲出来ちゃったんだよね、ちょっと聴いてよなんて、
そういうのはないのだろうか、、、
調子がいいってどういうことなんだろう、、、、、
調子がいいっていうことは、
いろいろ頭ん中に浮かんできて、
それがおさえられなくて、
曲なんかも出来てしまって、
それがまた、自分でもすごく気に入る『最高』と思える出来で、
やばいよー、こんなかっこいいの出来ちゃったよ、
自分たちだけで楽しむのってもったいないから、みんなに聴かせようぜ、、、、、
なんてことかなって思ったりするんだけど、
それはあくまでもファンの幻想にすぎないのかな。
そして、その幻想が彼らを苦しめる?
セットリストはツボにはまっていて、他には変えられなかったと言っていた。
ツアーの中で何か新しい変化があるのならそういうのが反映されてくるバンドだと思
っている。
だから、「あの曲やろうか」っていう変化は何も生まれなかったんだろうな。
何も思わないほどツボにはまっていたということなのか。
ツアーで何かが生まれてほしいと思うのもファンの勝手な感情なのかもしれない。
あれもこれもって望みすぎてるし、期待しすぎてるのか。
でも、ファイナルといわれた渋谷で、
ツアーでやっていないアルバムの曲を聴けなかったのはなんだか物足りなかった。
やりたくないならやらなくていいけど、
(例えばリクエストが多かったからと
無理にLast Songをやるようなイベントはやっぱりうそだと思う。
あのとき、その曲をやりたくなかったのなら、やらないほうがよかったよ。)
でも、やりたくなるような気持ちにツアー中では変わらなかったってことは
なんていうか、うーん、そんなものかのかなあという、、、。
残念だったとまでは言ってはいけないけど、、、ちょっとそんな感じ。
もちろんライブはよかったし、ツアー中に観たライブはどれもすばらしかった。
特にUnder the Dogのすばらしさを再発見できたのは私にとっては大きな事だった。
だけど、
新しいアルバムの曲を全部ライブで聴きたかった。
どうしてそう思うのか、それは彼らのライブがすごくいいから。
CDよりもライブ。断然ライブ。
そう思うからこそ、ライブでどうなるのか、聴きたいって思う。思ってた。
私の大好きな曲のひとつにファーストアルバム収録の「Summer's Gone」がある。
でももう何年もこの曲をライブでは聴けてない。
きっと今の彼らが歌えないっていうのは感覚ではわかっているつもり。
言葉では説明できないから説得力に欠けるけど、今の彼らには歌えない。
歌いたくないんだろう。
でも、聴きたいなって思う。
どうしてかっていうと、ライブではハープをカタヨセが吹くから。
ブックレットに載っている部分を歌うカタヨセと
そこには何も載っていない部分をハープで歌うカタヨセがいるから。
カタヨセのハープでこの曲が聴きたい。そして、聴くことが出来るのはライブだけ。
CDじゃ終われない、ライブで完成する何かを感じたいだけなんだ。
なんていろいろ言ってみたけど、
まず彼ら自身が楽しんでツアーをやっていたことが一番重要だから、
そう考えるとこのライブは、ツアーは本当によかったんじゃないかと思う。
自分たちがやりたいようにやるツアー、
一番気に入ったセットリストでやるツアー、
そこにはうそはないから。
いろいろ希望を言ってみたけど、
もしもその通りに彼らがやってくれていたら、
それはそれでがっかりしたかもしれない。
なーんだ、あたしの思うとおりのことしかできないじゃんってね。
だから、これでよかったんだと思う。
だってまた次に出してくるカードのことをあれこれ考えることができるから。
曲以外でもこんなにもあれこれ考えさせてくれるバンドなんてそうそうないよ。
ちょっと休んだら、またライブやってほしいな。
アルバム出さなくていいから、ライブ、やってほしい。
ライブやってよ、ねえ、ねえ、ねえ。
1ヵ月間、お疲れさまでした。素敵な夜をどうもありがとう。
今思ったこと、、、
ツアー中に変わらなかったってことは、
ツアー中に感じたことは全部彼らの内側に入り込んだのかも、、、だとしたら、
今ごろ爆発してるんじゃないかな、、、
それとも、抜け殻のようにぼーっと毎日を過ごしているのかな、、、
うーん、、、わからない。
爆発しそうだったら、もう一度ライブやるといいよ、ね。
、、、爆発しそうな彼らへの私からの処方箋でこのレポートをしめます。
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