弥生の語源

 
 
家を出ると春の雨がしっとりと降っていた。
今日から弥生(やよい)の月が始まる。
弥生の語源は、弥(いよいよ)と生(うまれる)という言葉が
合わさり出来た熟語と思われる。

つまり弥生には弥々(いよいよ)、生き生きとした月が始まる、
という意味が込められているのであろう。
弥という漢字は、何か物事が、行き詰まった感じを示し、
広辞苑に従えば「確かさが増し決定的となったさま」と説明されている。
三月はまた別に「花つ月」とも呼ばれる。これはおそらく、
次々と様々な花が続いて咲く月ということで、
花つ月(花続き)となったのであろうか・・・。

今朝のそぼ降る雨を直に受けながら、春の息吹に触れた感じがして、
とても心地よかった。
連日の好天にいささか疲れ気味に見えていた白梅の花びらも
しっかりと春の雨の露を吸って、生き生きと精気が漲っているように見えたし、
公園沿いに並んでいる櫻の枝に目をやると、
蕾が微かに桃色に烟(けぶ)っているように感じた。
そしてこんな歌が湧いてきた。
 
 白梅も雨に力を得たりなばもう一花を咲かせけるかも
 春雨や花のつぼみも桃色に微かに烟る頃ともなりな
 花つ月梅の後には櫻花時の経糸(たていと)紡ぎて咲かむ

冬の名残もここに極まりて、花の盛りの季節は、いよいよ始まるのだろう。佐藤
 


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2001.3.01