個性派チーム優等生を破る  

-ボストン・レッドソックスのアメリカンリーグ制覇-
  

松井のヤンキースが、3連勝の後、四連敗してアメリカン・リーグ制覇をフイにした。三連勝までの松井の活躍はMBPものだっただけに残念だ。逃がした獲物は大きい。

優勝したのは宿敵のボストン・レッドソックスだ。何しろ、ヤンキースの上を行く、由緒のあるチームだが、どうしたわけか、この八〇年(?)ほどワールドシリーズで優勝していない。人はこれを、「バンビーノの呪い」と噂する。バンビーノとはイタリア語で「子鹿ちゃん」だが、同時にベーブルースの童顔に因んで「ぼうや」という意味があるのだそうだ。要するに「バンビーノの呪い」とは「ベーブルースの呪い」ということになる。まあ、これを試合に話題性を増すマスコミの演出だろう。

ベーブルースは、もともとボストンに投手兼打者として入団した選手だが、ヤンキースにトレードした後、ヤンキースはベーブルースを打者に転向させて黄金時代を築く。以来、ボストンは、何かに呪われたように、強豪チームと言われながらも、毎年ワールドシリーズ制覇が出来ないまま、ヤンキースに名門の座をすっかり奪われてしまって今日に至っているのである。

今年のチームは、まあ、よくもここまで、個性のある選手を集めたという位に強い個性のある選手が揃っている。一番のデイモンは、アメリカ先住民の血がはいっていると云われ、長髪にヒゲもじゃで「野人」と云われている。3番ラミレスは、リーグ屈指の強打者で、やはり長髪。4番は、キングゴングのような大男オルティス。ピッチャーには、サイババ似の頭をした大リーグ屈指の右腕ペドロ・マルティネス。また最多勝のカート・シリングもいる。

一方のヤンキースは、みんな良くタキシードが似合いそうな紳士達。もっともイメージだが、元々ヤンキースは、長髪やヒゲが御法度らしい。まさに不良に優等生の対決だった。今年は見事にボストンが、3敗して絶体絶命の状況から4連勝して、アメリカンリーグ制覇を果たした。

さてこれからいよいよワールド・シリーズだが、ボストンの不良達は、「バンビーノの呪い」を解くことが出来るか。楽しみだ。佐藤
 


2004.10.21

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