”ムトウハ”という妖怪の退治法

-日本の有権者の六割ほどに寄生する無党派ウイルス猛威-
 

「無党派」という妖怪が、日本中をかっ歩している・・・。

2003年11月9日の衆議院選挙でつくづくそのことを実感をした。この妖怪は、選挙のたびに現れる選挙妖怪なのだが、その特徴は、姿が見えないことだ。右に動くと言えば、左に動く、どこか「天の邪鬼」(あまのじゃく)にも似ていて、政治評論家でさえも、その行動を読むことは難しい。この妖怪の口癖は、「誰がなっても同じさ」という一言だ。

この「無党派」という妖怪を、「サーズウイルスのようだ」と言った政治評論家がいた。確かに言い得て妙だ。人の口から口へと、この妖怪は、仲間を増やしてゆく。そして気が付いたら、日本中の有権者の6割ほどの口に寄生しているという。

こうなると、何か無党派という妖怪を飼っていることが、ステータスでもあるかのような錯覚に陥っている人も現れた。さらには、「俺は無党派だけど、今回は、菅さんに入れたよ。何か小泉さんは、魔法使いのバアさんに見えてきてさ。どうせ変わらないけど、今回は取りあえずね」と。これは新種の無党派妖怪か。誠に自己主張とは言えない自己主張をし、クルクルと気分によって、右に左に、発言を変える。「無党派」とは、実に人を喰った困った妖怪である。

ところで、白状すれば、かつて私の口にも、一時期、この妖怪が、しばらく棲みついていたことがあった。そこで私は、しばし、この妖怪の弱点を探った。その結果、「政治は変わる」「変えられる」という実感を持てた瞬間に、この妖怪は、まさに私の口の中でミルクのように溶解し消えてしまった。

今や、日本人の有権者の6割ほどの人間の口に寄生したこの「無党派」という妖怪の撲滅なしに日本に真の意味で民主主義の政治が定着することは決してない。あなたの口に巣くうこのたちの悪い妖怪を退治する道はひとつしかない。すなわち「日本が変わる」「選挙の一票でによって政治は変えられる」という実感をどうしたら持てるのか。その答えは簡単だ。身近にいる政治家をよく見て、その政治家と政党に、プレッシャーを与えることだ。それで空返事やウソを付くような政治は、文字通り選挙で叩き落とせばよい。そうすればあなたの心に巣くう「無党派」という妖怪はたちどころに消えることであろう。

ほらあなたの口にも、その妖怪は棲んでいるかも・・・。佐藤

 


2003.11.11
 

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