宮城北部の地震の頻発と都市

 
7月26日午前0時過ぎから、宮城県北部の矢本町や南郷町などの周辺地 域で、震度6ほどの地震が頻発している。地表から10キロほどの浅いところでの直下型の地震だけに、マグニチュードの割には、揺れ方が強い。家の倒壊な ど、かなりあったようだが、死者や重傷者が出ないのは、不幸中の幸いだった。

もしもこれが東京や大阪のような大都市で起こったならば、こんなことでは済まないだろう。田舎であるために、家と家の間に空間があり、田野があって、これ が被害の拡大を防ぐ役割を果たしている。

関東大震災の再来が叫ばれる関東ではいつ大地震が来てもおかしくない。また東海大地震が叫ばれる名古屋も同じだ。その意味で、都会に暮らす人間にとって も、今回の地震は、けっして他人事では済ませない。

田舎では、意外に軽く済んだ震度6の地震でも、都市では大災害に繋がりかねない。古い民家や木造アパート、マンション、貸しビルの倒壊は、容易に起こり得 る。また高層ビルの下では、破れたガラスが、凶器となって降る注ぐ危険もある。もやは古くなってしまった首都高のコンクリートだって、補強は完全とは云え ない。もっと怖いのは、只でさえ治安の悪い現在の都市では、放火や盗難も地震に付随して起こってしまう事が危惧される。

都市に生きる者は、今回の地震を契機に自分の暮らす周囲をよくよく見て、この地震から教訓を学び取らねばならない。あなたの周囲は大丈夫か。
佐藤


 


2003.7.28
 

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