MC6800 CPUが含まれます。詳しい方はMC6800専用のクロックジェネレータがないことに気付くと思いますが、入っていません。ワンショットを2個使用したCR発振器を使ってクロックを発振させ、それをバッファリングしてMC6800を駆動します。水晶発振回路を使用しないチープさです。
MCM6830L7 Mask ROM (MIKBUG, MINIBUG入り)
MCM6810 128 Byte RWM 2個
MC6820 PIA 2個
MC6850 ACIA 1個
バインダの表紙の下部でタイトル部分。厚いバインダにLSIの資料と基板とキットに使うチップセットを挟み込んだ形で販売されました。バインダに納められた大量の技術資料が付属します。このキットに使用していないLSIや各種ソフトウェア開発環境のガイドまで。結局は、これで勉強してMotorolaのLSIをたくさん使用する製品を作ってくださいなってことなんですが。
LSIは、バインダに入れることができるように厚紙の上にラミネートというか真空パックというか、フィルムでぴったりとくっつけた形で提供されています。こんなふうになっています。
どのチップも1976年製です。各チップの横には説明文がありますね。MC6800だけは新パッケージで、他の周辺LSIは旧型のセラミックパッケージになっています。2個のMCM6810は銀メッキ表面が黒くなってしまっています。あ、なんでこの状態で残っているかというと、このキットは未組み立てだからです。
その裏面はこのようにM6800シリーズの長所が並べてあったりしますけど、読めますか?
で、これが基板の部品面。下の右端の40ピン部分がMC6800の場所です。その左側がすべてメモリ部分。上部がクロック作成と入出力部分になっています。メモリとカードエッジコネクタの間にはICがなく、パターンをよく見ればMC6800の信号がバッファなしでバスに引き出されているのがわかります。RWMは256 Byteが標準ですが、基板上にオプションのMCM6810のパターンが4ヶ所用意されていて、合計768 Byteまで増設できます。それ以上必要なら、カードエッジコネクタを通して別の基板でメモリを増設します。
しつこいかな。これが基板の裏面。材質は両面ガラスエポキシでスルーホール加工でピン間1本の基板なんですが、ソルダマスク(ハンダが部品を半田付けする場所以外のパターンに付着しないように塗布する特殊な耐熱塗料)がまったくなく、錫メッキのパターンそのままです。銅箔パターンでICの番号が読めるようになっていますが、シルクスクリーン印刷もありません。手貼りのパターンであることがわかるでしょうか。実装密度も現在とは違いますが、微妙な不規則のある中途半端な角度の曲線でパターンが引かれています。コンピュータ上でプリントパターンを設計したりはしていないのです。だからなんなんだといわれても困っちゃいますけどね。
さすがにMC6800とクロック作成回路付近のグラウンドパターンを太くしています。
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