飛鳥坐神社 (2)力石
●飛鳥寺跡の発掘のとき、坐神社は発掘チームの宿泊場所だったらしい。まあ、こ ういう環境に耐えてのアカデミズムか?正殿自体は、境内の他の祠に比べれば ましに見える?現在の社殿は1781年に再建されたものとのこと。その手前や奥に古びた祠 が並んでいる。手前の祠の前には昭和の匂いのする、ぴかぴかステンレスの賽銭筒 と、赤い「かな枠」に入った石ころがある。

●この石ころ、男は左手、女性は右手だけで持ち上げられれば、家内安全とかなん とか能書きに記されている。直径が20cm位の石である。恐る恐る赤いオリに手を 入れて持ち上げると、案外簡単に持ち上がった。物質主義者バニラも縁起をかつぐ の巻、である。

●神社には「力石(ちからいし)」という大きな石が奉納されていることがある。 これも、その一つだと思う。例えば近所の東京中野区新井薬師の向かいに鎮座する 北野神社にも相当に大きな石が奉納されている。中野の力石の方には、力比べが近 世のレクリエーションであった由、説明されている。明日香の地でも同様の効能が あったのかも知れない。近世都市の力石の周辺には「講」の存在も見え隠れするの だが、ここいらでは関係なさそうである。

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YABUGUCHI,Ichiro vanilla@st.rim.or.jp