株式会社 英映画社について

「英映画社」には、このサイト(東京福袋)のみやしたゆきこの父、宮下英一(1931年-2010年)がカメラマン、プロデューサーとして長年勤務しておりました。このたび、手元に残されているチラシ等の資料をもとに英映画社に関する記憶をインターネットに残しておこうと思い、英映画社製作作品を紹介するブログ「英映画社の記録」とこのページを作成しました。欠けている資料が多く不完全なものではありますが、ご覧いただければ幸いです。
2018年10月 みやしたゆきこ

株式会社 英(はなぶさ)映画社は、1927(昭和2)創立の短編映画製作会社です。
戦前は主に教育映画を製作し、戦時中は大手通信社に企業統合されていましたふが、戦後、映画製作を再開、静岡県県政ニュース等さまざまな記録映画を製作してきました。
中でも経済復興のエネルギーの象徴ともいえる「佐久間ダム」や「御母衣ロックフィルダム」建設の記録、あるいは昭和歌舞伎の決定版ともいうべき「仮名手本忠臣蔵通し狂言」全12時間の製作など、時代のさまざまな姿をフィルムに収めてきました。
また、交通事故防止や火災予防の分野でも、実写とアニメーションで数多くの作品を製作しました。そのほか社会教育、医学映画、PR映画も製作しています。
フィルム作品だけでなく、ビデオやハイビジョンをはじめ、1990年に大阪で開催された「花と緑の博覧会」展示用のマルチ映像や、シミュレーション映像などのジャンルにも積極的に参加してきました。
 
 三重県発注のハイビジョン映像「熊野古道」は、現在も「熊野古道センター」さんで上映していただいているようです。ありがとうございます。

英映画社の歴史 

1927年

高橋銀三郎がアメリカの教育映画配給会社として英洋行を設立。その後、制作部門も持ったが戦時統合で消滅(戦後、英洋行映画部として再開し、その後英映画社となる)。

1955年

佐久間ダム建設記録 第1部」(間組)
建設大臣賞/教育映画祭最高賞/全日本PR映画コンクール最高賞

1956年

佐久間ダム建設記録 第2部」(間組)
文部省選定/建設大臣賞/教育映画祭最高賞

1960年

御母衣ロックフィルダム 第1部」(間組)
科学技術長官賞/科学映画祭賞 

1962年

日本の民家」(日本損害保険協会)
文部省特選/芸術祭賞/教育映画祭特別企画賞

1965年

日比谷279米」(間組)
第3回日本産業映画コンクール大賞

1969年

くらしを描く」(日本美術教育連合)
文部省特選/芸術祭大賞/教育映画祭最高賞

1974年

日本の稲作 ─そのこころと伝統─」(文化庁)
文部省特選/芸術祭最優秀賞/教育映画祭文部大臣賞

1979年

彫漆 ─音丸耕堂のわざ─」(文化庁)
芸術祭優秀賞/教育映画祭優秀賞

1980年

東京 ─大江戸の春─」(講談社)
芸術祭優秀賞

1981年

大阪 ─ 浪花繁昌記─」(講談社)
日本産業映画コンクール奨励賞

1984年

歌舞伎の魅力 舞台美術」(国立劇場)
優秀映像教材選奨優秀賞

1985年

型染め ─江戸小紋と長板中型─」(文化庁)
文部省選定
琵琶湖長浜曳舟まつり」(ポーラ伝統文化振興財団
第3回日本産業映画コンクール大賞

1987年

ふるさとからくり風土記」(ポーラ伝統文化振興財団
文部省選定/芸術作品賞
越後のしな布」(国立歴史民俗博物館)
文部省選定/日本映画技術賞受賞(撮影)
仮名手本忠臣蔵」(国立劇場)

1990年

能舞台 ─能の演技空間─」(国立劇場能楽堂)
芸術最優秀作品賞/教育映画祭優秀作品賞/文部省選定

1992年

にんぎょう」(ポーラ伝統文化振興財団
第1回JSC賞
飛騨古川祭 ─起こし太鼓が響く夜─」(ポーラ伝統文化振興財団
文部省選定 

1993年

飛騨古川祭 ─起こし太鼓が響く夜─」(ポーラ伝統文化振興財団
文部省選定 

1994年

歌舞伎の魅力 景清の衣装」(国立劇場)
文化庁優秀作品賞/文部省選定

1995年

山田貢の友禅 ─凪─」(ポーラ伝統文化振興財団
文化庁優秀映画作品賞 

1996年

岡山のお田植え祭り」(ポーラ伝統文化振興財団
文化庁優秀映画作品賞

2001年

「今は昔 昔は今 歌舞伎をみる 歌舞伎の魅力」(国立劇場)
文部省特選

2002年

神々のふるさと 出雲神楽」ポーラ伝統文化振興財団
キネマ旬報ベスト・テン文化映画第1位

2004年

若狹の六斎念仏」(国立歴史民俗博物館)
日本産業映画コンクール教養部門賞

  2009年

英映画社解散。