平泉高館周辺写真集16

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平泉周辺の写真をみることによって、高館をめぐる景観の意味について考えてみたい。
(少しずつ増やしていきます。また文章も追加されますので、随時ご覧下さい。)

2003年3月22日撮影

平泉わがふるさとの平泉羽をもがれし白鳥のごと


変貌した高館を記録に納める紳士がいた

旅人や変貌凄き高館の景観記録す紳士在りけり


 
高館から北上川の向こう岸を見れば新しい河床が掘られている

夢跡の現実見れば悲しくて「これも悪夢(ゆめ)」とぞ思いたくなる

これが私の知っている平泉なのか。
本気でそう思う。高館から観る景色は余りにも変貌してしまった。
寂しさを通り越して悲しくなる。
平泉は、羽をもがれた白鳥のようにして私の前にある。

ふと横を見れば、もう一人、
ぼう然と立ち尽くす人が私の前にいた。
初老の紳士だ。
手には使いこなした古いカメラを持ち、遠く束稲山に焦点を当てている。

その人が、しばらくシャッター音を響かせていたが、
くるりと振り向き、「変わったね」と言った。

私も「そうですね」と答えた。

通り一遍のあいさつを交わし、一期一会の出会いを終えた。
紳士の遠ざかる後ろ姿には「もう二度とここには来ないぞ」と言っているように思えた。

「変わったね」という短い言葉を残して紳士は高館を後にした

「変わったね」と短き言葉残しつつ高館を去る人の思ひは・・・

まさにとうとうここまで来たという感じ。
現代の万里の長城(平泉バイパス)は北へと伸びる

何故こんなにも大切な自然を取り壊し、何を造ろうというのだ。
渋滞緩和のバイパスだって。
洪水を防ぐ堤防だって。
一方では、世界遺産のためと言いながら、地域住民には、転居を迫り、他方では、住民を守ると言って堤防を造る。大いなる矛盾ではないのか。
とうとうと、ここまで来たなといふ外はなし平泉バイパス
 

旧高館が消えて柳の御所の枝垂れ桜は孤独に立ち尽くす 

柳の御所に移動する。
その場に立って絶句した。旧高館橋が消えていたからだ。高館橋の前にあった桜
もし必要ならば、あらかじめ危険な地域の人たちを
安全な場所に越して貰えば、いいのではないのか。
そうだ。その方が、ずっと財政的にも安く済む。財政逼迫の折り、この無駄遣いだって納税者のサイフから出ていることを感じている人などいない・・・。
茫然と立ち尽くすなりこの景色余りに痛し桜に旧友(とも)なく
 

けばけばしい色をした工事機械に平泉はなすがままにされている

もうじきに咲くと思ゑど桜たち何を思ふやむき出しの地に

 
ここから旧高館橋は向こう岸に橋脚を伸ばしていた

古き橋ここから伸びて向こう岸連なり居りし古きを思ふ

川は移動させられここに「道の駅」が造られるのだとか?!

自然をば征服せんと奢る者君が信じる神何処なり

 
 

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2000.10.29
2003.3.27 Hsato