【プロギアの嵐 サイドストーリー Vol.2】  やっと終わった……。沈んでいく敵の大将機を見つめながら、僕は思っていた。  ふと、リベットさんを見ると、複雑な表情を浮かべている。  戦いには勝利した。  だが、多くの人達を失った。  僕の父さんも死に、そして大佐も死んだ。  勝利とは何だろう。  そもそも、この戦いに意味はあったのだろうか。  僕達が倒した敵機のパイロットにも家族はいただろうに……。  ……わからない。いや、わかりたくない。 「危ないです。落磐が発生しています」  リベットさんの言葉に、ふと気付くと、洞窟が崩れかかっている。僕達も助からな いのか。それはそれでいいのかもしれない。リベットさんと一緒に死ねるなら本望だ。  そこに奇跡が起こった。そう、それは、奇跡としか言いようがなかった。僕達を、 死んだ皆が導いてくれる。「生きろ」と言ってくれている。  『生きること』  それが、戦いに勝利し残された僕達に義務つけられた道なのだと思う。 「もう会えないかと思っていました」  そんなリベットさんの、大佐への言葉が僕の心を痛める。僕の想いは単なる憧れに 過ぎないのかもしれないと思ったこともあった。でも、違うようだった。  でも、僕にはリベットさんの涙を止めることすらできない。自分の無力さを感じる。  大人になろう。僕の理想とする道を進もう。そして……。