[SFC]天使の詩  クラーナ


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(1)きこりの小屋からの帰り道にて
レイアード
「あれ?
 あの人は?」

{ビジュアル1}
 こもれびの中で
 動物たちと遊ぶ女の子‥‥
 いつもだったら 気にせず
 通りすぎてしまうだろう
 でも そのときはちがった
 
 光につつまれた
 彼女の姿をみつめていると
 心がやすらいで
 まるで 時間のながれを
 わすれてしまったようだった

 ぼくは その女の子に
 話しかけずには
 いられなかった‥‥‥

レイアード
「あ あの‥‥」
クラーナ
「‥‥こんにちは」
レイアード
「‥‥こんにちは
 ‥‥すごいですね」
クラーナ
「えっ?」
レイアード
「こんなに たくさんの動物達と
 友達だなんて‥‥
 みんな きみに心をゆるしている
 みたいだ」
クラーナ
「クスクス‥‥
 そういうあなただって」

クラーナがそう言うと 動物達が
レイアードのそばにあつまってきた

レイアード
「え!?」
クラーナ
「動物って ことばは通じないけど
 そのぶん心を感じる力が人間より
 つよいみたい
 あなたも 動物が好きなのね
 この子たちには それが
 わかるのよ」
レイアード
「‥‥」
クラーナ
「わたしはクラーナ
 あなたは?」
レイアード
「‥‥レイアード
 友達は みんな
 レイって呼んでるけど‥‥」
クラーナ
「お友達はそう呼んでいるの?
 じゃあ
 私も レイって呼んで
 いいかしら?」
レイアード
「あ‥‥
 ああ! もちろんさ!」
{ビジュアル1}

クラーナ
「あら いけない。
 私 もう帰らないと‥‥‥
 レイ 今日はとてもたのしかったわ
 ありがとう。」
レイアード
「あー えーと‥‥‥
 クラーナ。」
クラーナ
「なに?」
レイアード
「よかったら
 送らせてくれないか?」
クラーナ
「え?
 でも レイ いいのかしら。」
レイアード
「最近この辺に 野犬のむれが出て
 人をおそう事もあるって聞いたんだ
 そんな中 女の子が一人で
 あるいたらあぶないよ。」
クラーナ
「ありがとう やさしいのね。」
レイアード
「クラーナは
 どこまで帰るんだい?」
クラーナ
「‥‥‥
 ファーレルの街まで
 送ってもらえるかしら?」
レイアード
「えっ ファーレル?
 クラーナ ぼくはファーレルに
 住んでいるんだよ。
 そこで父さんが かじ屋をやってる」
クラーナ
「そうだったの?
 私 このあいだ来たばかりで
 まだ街のことしらなくて‥‥‥」
レイアード
「それじゃ 行こうか。」
クラーナ
「ええ。」

(2)ファーレルに戻って
クラーナ
「レイ 送ってくれてありがとう。
 もうすこしお話したいのだけど
 私これからちょっと用事があるの。
 ここで‥‥‥」
レイアード
「あ あの クラーナ。
 また 会えるかな。」
クラーナ
「ええ きっと。
 私 あの川辺に明日も行こうと
 思ってるの。
 もし よかったら‥‥‥
 そこでまたお話し‥‥しましょ?
 私 待ってるから。」

(3)旅芸人のテントにて
レイアード
「あの子は  もしかして‥‥‥」
クラーナ
「みなさんは  風の声や
  みずのささやきを  聞いたことは
  ありますか?
  大地と空の歌を‥‥‥
  少しの間だけ  おつきあい下さい。」

(4)再び川辺にて
レイアード
「クラーナは
  まだ  来ていないみたいだ。」
クラーナ
「ごめんなさい。
  待たせてしまったかしら?」
レイアード
「いや
  ぼくも  今  来たばっかりだから。」
クラーナ
「よかった‥‥‥
  待たせてしまったら悪いと思って
  はしって来たの。」
レイアード
「ここには  動物たちもいるし
  彼らと  あそんでいれば
  時間なんて気にならないよ。」
クラーナ
「‥‥本当は
  はやく  あなたに会いたかったの。」
レイアード
「え!?」
クラーナ
「うふふ
  きょうは  いい  お天気ね。」
レイアード
「あ  ああ
  そういえば‥‥‥」
クラーナ
「なに?」
レイアード
「昨日  見たよ。
  君が  旅芸人一座のぶたいで
  歌を歌っていたのを。」
クラーナ
「え!?
  レイ  見に来ていたの?」
レイアード
「ああ  友達にさそわれてね
  とっても  上手かったよ。
  一緒に見にいった友達も
  聞きほれていたみたいだ。」
クラーナ
「ありがとう。」
レイアード
「でも  まさか
  クラーナが  歌姫だったとは
  思いもよらなかったなあ。
  旅芸人っていろんな土地を
  まわるんだろう?
  ちょっとあこがれるなあ。」
クラーナ
「‥‥‥‥」
レイアード
「どうしたんだい?
  クラーナ。」

  クラーナは
  真っ赤な宝石がうめこまれた
  くびかざりをレイアードに見せた。

レイアード
「それは?」
クラーナ
「私が  一座に入れてもらったのは
  両親をさがすためなの。
  これは  拾われたときに
  私のくびにかけられていた
  たった一つの  てがかり‥‥‥」
レイアード
「拾われた?」
クラーナ
「赤ん坊のときユースっていう街の
  教会の前でシスターに拾われて
  その教会で  育てられていたの。
  あれは  私が  十五才くらいのころ
  だったかしら‥‥‥
  ちょうど  各地を旅しているという
  旅芸人の一座がやって来て‥‥‥」
レイアード
「それで  連れていってもらうように
  たのんだんだね。」
クラーナ
「はじめは  何日もかんがえたわ。
  いままで  育てていただいた
  シスターに  おんがえしもできない
  まま旅に出るなんてと思って。」
レイアード
「‥‥‥」
クラーナ
「なやんでいる私を見て
  シスターはこう言って下さったの。
  「あなたはあなたのもとめる道を
  ゆきなさい」って‥‥‥
  それでけっしんがついたわ。
  座長夫婦は  私を  まるで
  ほんとうの子供のように
  可愛がってくれたわ。
  ある日  私が歌っているのを
  聞いた座長さんが
  ぶたいで歌ってみないかって
  言ってくださったの。」
レイアード
「クラーナは  やさしい人たちに
  かこまれてそだったんだね。」
クラーナ
「レイ
  長い話につきあわせてしまって
  ごめんなさい。
  私  こんな話をしようなんて
  思ってなかったけど‥‥‥
  あなたは  とくべつみたい。」
レイアード
「いいんだよ  クラーナ
  ぼくも  きみのことを
  よく知りたいし。」
クラーナ
「レイ‥‥‥」
レイアード
「もうこんな時間か。
  クラーナ  送って行くよ。」
クラーナ
「ありがとう。
  お言葉に  あまえさせてもらうわ。」
レイアード
「クラーナ  また  会えるかな?」
クラーナ
「時間があるときは  いつでも
  ここにいるわ。
  ここの景色
  とっても  気に入ったから。」

(6)数日後
レイアード
「今日も  クラーナは  川辺に
  いるのかな?  すぐ行こう!」

(7)クラーナの旅立ち
(7-1)川辺にて
ミリア
「‥‥‥クラーナ!  それって
  レイには  もう言ったの!?」
クラーナ
「‥‥‥いいえ。まだ‥‥‥」
<レイアードの存在に気付くミリア>
ミリア
「          ‥‥‥レイ!          
  そ‥‥それじゃあね!クラーナ。」
クラーナ
「ええ。」
<クラーナに歩み寄るレイアード>
クラーナ
「‥‥‥」
レイアード
「クラーナ‥‥どうかしたのかい?」
クラーナ
「うん‥‥‥
  じつは  ファーレルの街を出て
  いく日が  きまったらしいの。」
レイアード
「‥‥‥!」
クラーナ
「四日後のひるすぎに
  ファーレルの街を出て
  つぎの街へ出発するみたい。
  せっかく  お友達ができたと
  思ったのに‥‥‥」
レイアード
「‥‥‥クラーナ。」
クラーナ
「レイ
  何も言ってくれないの?」
レイアード
「‥‥‥」
クラーナ
「‥‥‥」

  レイアードの心の中で
  さまざまな言葉が
  うかんではきえた‥‥‥
  しかし  それを口に出すことは
  できなかった。

クラーナ
「さよなら!  レイ。」

(7-2)家に戻って
  レイアードは失意のうちに
  それからの四日間をすごした。
  そして  明日は
  クラーナが街を出発する日‥‥‥

(7-3)階段を降りると
ミリア
「レイ  何やってんのよ!
  クラーナをとめなくていいの?
  今とめなきゃ  クラーナが
  行っちゃうよ!
  いいの?‥‥‥二度と会えなく
  なっちゃうかもしれないんだよ。」
レイアード
「ミリア‥‥‥いいんだ。」
ミリア
「なんでよっ!!
  クラーナの事が
  好きなんでしょっ!
  クラーナだって
  レイの一言を  待っているのに
  何で言ってあげないのっ!」
クラーナ
「ぼくだって  クラーナに
  そばにいてほしい。
  だけど  彼女には旅をする
  目的があるんだ‥‥‥
  両親をさがすっていう目的がね。
  ひきとめることは‥‥できない。」
ミリア
「そんなのへんだよ!
  なっとくいかないよ。
  へんに大人ぶって
  そんなこと言うなんて
  ぜったい  なっとくできないよ!」
レイアード
「ミリア‥‥‥」
ミリア
「わたし‥‥私
  せっかく  自分の気持ちを
  せいりしたのに。
  くやしいけど  レイとクラーナ
  だったら  しかたがないって
  思うようにしていたのに。
  レイ‥‥‥
  レイアード‥‥‥
  あなたさえ  しあわせだったら
  それでいいって思っていたのに。
  レイ!
  あなた  わかってないわ!
  女の子の気持ちなんて  ぜんぜん
  わかってないのよっ!!」
レイアード
「ミリア‥‥‥
  どうして‥‥‥」

(7-4)家の外で
ミリア
「クラーナ‥‥‥ごめん‥‥‥
  レイを連れてこられなかった‥‥‥」
クラーナ
「いいえ‥‥‥
  ミリアさんのせいじゃないわ。」
ミリア
「でも‥‥‥」
クラーナ
「ミリアさん  ありがとう
  でも‥‥‥いいの。
  きっと  またいつか‥‥‥
  その時  今のままの気持ちで
  いられたら  その時は
  きっと  まよわないと思う‥‥‥」
劇団長
「クラーナ
  そろそろ  出発するぞ」
クラーナ
「はい。
  ミリアさん  アルフさん
  お元気で‥‥‥」
アルフ
「ああ  あんたもな
  たとえ  はなれていても
  俺たちは友達だからな。
  レイの奴だって‥‥‥」
クラーナ
「‥‥‥ええ  そうですね。
  ‥‥‥‥‥‥それじゃ。」

(7-4)家の中で
アルフ
「クラーナ行っちまったぞ‥‥
  本当にこれでよかったのか?」
レイアード
「‥‥‥‥」
アルフ
「どうして言わなかったんだ  レイ。
  彼女はお前のもとに
  残ったかも知れないのに‥‥‥」
レイアード
「‥‥‥いいんだ。
  これで‥‥いいんだ。」

  その日  レイアードは
  部屋にこもって
  ずっと考えごとをしていた。

  そして  レイアードにとって
  長いような  みじかいような
  一日がおわった‥‥‥

(8)再びきこり小屋からの帰り道にて
レイアード
「あ!?
  クラーナじゃないか?」
<消えるクラーナ>
レイアード
「まぼろし‥‥‥」
<駆け寄ってくるミリア>
ミリア
「レイ  どうしたの  こんな所で?」
レイアード
「うん‥‥ああ
  父さんにたのまれた  用事の
  帰りなんだ。」
ミリア
「‥‥‥どうしたの?
  何か  元気がないよ。
  もしかして  クラーナの事を
  考えていたの?」
レイアード
「‥‥‥」
ミリア
「そう‥‥‥
  レイ  ファーレルに帰る途中
  なんでしょう?
  私も一緒に行くわ。」

(9)ミリアと一緒に帰ってきて
アルフ
「おい!  レイッ!!
  こんな時に  どこ行ってたんだよ!」
レイアード
「え?  なんだい  アルフ。
  そんなにあわてて  何かあったのか」
アルフ
「お前  まだ聞いてないのか?」
レイアード
「‥‥‥?」
アルフ
「クラーナのことだよ!
  旅の証人から聞いたんだが
  クラーナが  ベルンの領主の息子に
  むりやり結婚をせまられてるらしい
  クラーナは  ことわったんだが
  領主の息子は  一座を人質に
  とったそうだ。
  ‥‥‥ひどい話じゃねえか!」
レイアード
「そんな‥‥‥」
ミリア
「ねぇ  レイ。
  クラーナを  助けにいこうよ!
  きっと  レイが
  助けにきてくれるのを
  クラーナだって待ってるよ!」
レイアード
「そんなこと  言っても
  相手は  領主の一人息子だよ!
  兵士だって  大勢いる。
  ぼくが  行ったところで話にも
  ならないよ!」
アルフ
「お前  そんなこと  本気で
  考えてんのか!
  レイ!
  お前は  小さなころからそうだ!
  いいか!
  やさしさとよわさは  ちがうんだぞ
  ましてやお前  クラーナが
  好きなんだろ?
  ここは  いっちょ  こんじょうを
  見せてみろよな!!」
レイアード
「ぼくだって  クラーナは助けたい!
  でも‥‥‥ぼくは勇者じゃない。
  ただの  かじ屋の息子だよ!
  くやしいけど  まだ自分の力に
  自信がないんだ。
  ましてや  他人とあらそうなんて!」
アルフ
「レイ  みそこなったぞ!」
ミリア
「やめなよっ!  レイもアルフも!
  ケンカなんかしてる場合じゃ
  ないでしょう!!」
アルフ
「俺は  お前がクラーナが旅だつ
  ときに  とめなかったことを本当は
  感心してたんだ!
  クラーナの  両親をさがす旅を
  とめることはできないって言った
  お前のつらい気持ちも
  俺は  わかったつもりだった。
  それがどうだ!
  お前  いったいクラーナの事を
  どう思っているんだよ!」
ミリア
「レイ‥‥‥
  あなたの気持ちは  わかるわ。
  もし  戦いになったら勝てないかも
  しれない。
  でも  これだけは言える。
  クラーナは  大好きな‥‥‥
  あなたが‥‥‥
  助けてくれることを  信じてるから
  耐えられるの!
  おねがい  レイ!
  クラーナを助けに行ってあげて!」
レイアード
「‥‥‥ミリア。」
アルフ
「‥‥‥レイ  俺たちは親友だ。
  もし  ベルンに向かう気に
  なったら  声をかけてくれよ。
  必ず力になってやるから‥‥‥な。」
ミリア
「‥‥‥レイ。
  ううん  私なにも言わない。
  もう  レイの気持ちは
  きまっていると思うから。」
レイアード
「クラーナ‥‥‥ぼくは‥‥‥」

(10)主人公の旅立ち
(10-1)ミリアに会いに行く※
ミリア
「レイ
  クラーナを助けに行くんでしょう?
(10-2)アルフに会いに行く※
アルフ
「どうした  レイ
  クラーナを
  助けに行く気になったのか?」
(10-2)どこかの店に入る
レイアード
「クラーナ‥‥
  ぼくに  もう少し勇気があれば‥‥
  ‥‥‥ええい!
  どうした!レイアード
  なにを  行動もせずに
  なやんでいるんだ!
  そうだ!
  いま  自分ができるかぎりの
  ことを  やってみよう。
  くよくよ  かんがえるのは
  それからでじゅうぶんだ!
  たしか  父さんの  しごとばに
  できたばかりの  剣があったはずだ
  それをかりて  すぐ旅に出よう!」

(11)ソードブレイカーを手にすると
マクロード
「レイアード。」
レイアード
「父さん?」
<レイアードに歩み寄るマクロード>
マクロード
「行くのか?」
レイアード
「‥‥‥」
マクロード
「お前が  あの娘さんに
  好意を持っているのは知っている。
  愛するもののために戦う‥‥‥
  男が  戦いにおもむくには
  それが  十分な  りゆうだと思う。
  だが  レイアード
  今のおまえは
  あまりに  むぼうではないか?」
レイアード
「もぼうなのは  わかってる。
  でも  行かずにはいられないんだ。
  今のぼくの力じゃ
  クラーナを助ける事なんて
  できないかもしれない‥‥‥
  できないかもしれない‥‥‥
  でも  もういやなんだ。
  何もしないで  こうかいするなんて」
マクロード
「お前の気持ちは  よくわかった。
  もう何も言うまい。」
レイアード
「父さん。」
マクロード
「レイアード  お前が  いま
  手に取った剣は  護身用の剣‥‥‥
  戦うためには  心ぼそい剣だ。
  これを持っていけ。」

(12)家を出て
アルフ
「よう  レイ!まってたぜ!」
ミリア
「レイ  行くことにしたのね。
  私  信じてた。」
レイアード
「アルフ
  たしかに  ぼくは  よわかった。
  でも  今回ばかりは  にげるわけに
  いかないって思ったんだ。
  クラーナのために  ぼくは行くよ!
  たとえ  領主の息子と戦うことに
  なったとしても。」
アルフ
「ハッハッハ!そうこなくっちゃ!
  レイ  俺たちは  何年お前と
  つきあってると思ってるんだ?
  お前の本心くらい  お見通しだぜ。
  なっ!なっ!  ミリア!」
ミリア
「もう  アルフったら  さっきから
  心配そうに  うろうろしてたのに。
  きゅうに  はじゃいじゃって!
  ねえ  レイ。あなたほどじゃない
  かもしれないけど
  私たちだって  クラーナのこと‥‥
  助けたいって思っているのよ。」
レイアード
「アルフ‥‥‥
  ミリア‥‥‥」
ミリア
「だめだって言ったって
  ついて行くんだから!」
アルフ
「レイ  お前一人を  きけんな目に
  あわせるわけにはいかない。
  お前一人じゃダメでも  三人なら
  何とかなるかもしれないだろう?」
ミリア
「そうよ  レイ。」
レイアード
「ああ。二人とも  ありがとう!」

(13)ベルンの宿屋にて
フェレル
「レイアード君  聞きましたか?
  ランネルが  クラーナさんと
  結婚パレードをするという
  はっぴょうを  したそうです。」
レイアード
「それは  本当ですか?」
フェレル
「ええ。城の前に  たてふだが
  ありました。」
ミリア
「レイ  行ってみましょう!!」

(14)ベルン城の前の看板を読む
「明日しょうごより  ランネル様と
  歌姫クラーナ様の結婚パレード
  を行なう」
と  書かれている。
アルフ
「チッ!まずいな  レイ。
  はやいとこ  クラーナの救出方法を
  考えなきゃならないみたいだぜ。」

(15)結婚パレードにて
(15-1)街の人に話しかける
レイアード
「とりあえず  ここは
  街の人にまぎれてチャンスを待とう」
ミリア
「そうね  それがいいわ。」
レイアード
「そして  少しずつ  城の方へ
  行ってみよう。」
(15-2)トニーの家の通りで
アルフ
「おい!  レイ!
  この通りには  人がいないぜ。
(15-3)結婚パレードが始まって
アルフ
「チェッ!
  調子のいいやつらだ!
  本当は  ランネルの事が
  きらいなくせに  よくもまぁ
  あんだけ言えるよな。
  感心するぜ!」
ミリア
「しょうがないわよ。
  ほら  街の人が言ってたじゃない。
  「領主の力は  ぜったいだ
    さからえば  おもいバツを
    受ける」って‥‥‥」
アルフ
「フン  そんなもんかね。
  そうだ  レイ  それよりどうする?
  とうとう  パレードが
  はじまっちまったが。」
レイアード
「‥‥‥ぼくは行くよ。
  たとえ  かなわなくても!」
アルフ
「ちょ  ちょっと待てよ!
  おい  レイっ!
  そりゃあ勇気出しすぎじゃねぇの?
  こら  レイ。待ってくれよ!」
<走り寄るレイアードたちの前にレオンが>
レオン
「待つんだ!!」
レイアード
「あっ  あなたは!?」
レオン
「君たちは  たしか昨日の‥‥‥」
レイアード
「通して下さい!
  ぼくは  クラーナを助けに
  行かなきゃいけないんだ!」
レオン
「‥‥‥なるほど
  では  なおのこと  君たちを
  行かせるわけにはいかないな。」
レイアード
「なぜです!」
レオン
「‥‥‥昨日の  君のすいそくどおり
  我々は  レジスタンスのものだ。
  今回  レジスタンスでは
  一つの作戦をたて  実行している。
  それはランネルから  歌姫を
  助けだし  領民に  その力を
  アピールするというものなのだ。」
レイアード
「!  それなら‥それなら  ぼくにも
  作杉手伝わせて下さい!
  ぼくは  クラーナを助けるために
  ここまで来たんです!」
レオン
「いや  それはできない。
  君の気持ちも  わからなくも
  ないがな‥‥‥
  ん?」
<煙幕が張られる>
レオン
「どうやら  作戦が実行された
  ようだ。
  我々に  まかせるんだ。
  ‥‥‥いいな。」
アルフ
「レイ  どうするんだ?」
ミリア
「あの人は  まかせてくれって
  言っていたけど。」
レイアード
「アルフ  来てくれないか?
  たしかに  あの人たちにまかせて
  しまえばいいのかもしれない。
  けど  ぼくは何もしないで
  待っているなんてできないんだ!」
アルフ
「‥‥‥よし  わかった!
  そうじゃなきゃ  ここまできた
  意味がないもんな!」
ミリア
「そうね!
  クラーナは  レイの事を
  待っているんだものね!」
<広場に走り寄る3人>
「何だ  何だ?
  とつぜん  けむりがっ!!」
「キャーッ!  何なのよ!
  何にも見えないわ!」
「気をつけろ!
  何がおこるかわからんぞっ!!」
「レジスタンスか!?
  みなのもの  ランネル様を
  守るのだーっ!!」
レイアード
「クラーナどこだい?
  ぼくだよ  レイアードだ!」
クラーナ
「その声は!
  レイ  レイなの!?」
レイアード
「クラーナ!」

{ビジュアル2}
クラーナ
「レイアード
  来てくれたのね‥‥
  会いたかった‥‥
  とっても会いたかった‥‥
  ごめんなさい‥ごめんなさい‥」
レイアード
「クラーナ‥‥
  もうだいじょうぶだ
  さあ  にげよう」
{びじゅある2}
ランネル
「まてっ!!
  クラーナ  いいのか!?
  にげれば  一座の連中の
  命のほしょうは  ないぞ!!」
レオン
「あんしんしろ。
  もう  その心配はない。
  ざんねんだったな  ランネル。
  人質は  すでに我々の手によって
  かいほうされているぞ。」
ランネル
「ぬうぅ‥‥‥こしゃくなやつらめ。
  いいだろう。
  俺様にさからうと  どうなるか
  思いしらせてやるぞ!!」
レイアード
「ランネル!
  一座の人たちを  人質に取るなんて
  ひどすぎると思わないのか!?」
ランネル
「フン!
  こぞうが‥いきがっていられるのも
  今のうちだけだ。
  ものども  かかれっ!!」
<戦闘>
ランネル
「まぁまぁ  やるようだな。
  よし  かかってくるがいい!
  この俺様自ら  貴様らがやった事の
  おろかさを教えてやるとしよう。」
ランネル
「‥‥‥ぐぅぅぅぅ
  やられたぁ。」
レオン
「‥‥‥まずいな。
  そろそろ  えんまくが
  うすれてきたようだ。
  少年  ひくぞっ!!
  今をのがすと  だっしゅつが
  むずかしくなる。」
レイアード
「でも!?」
レオン
「君の目的はランネルを倒すことか?
  ちがうだろう?
  歌姫を助けることは
  せいこうしたんだ。
  ひきぎわを  見あやまるな!
  さぁ  行くぞっ!!」
ランネル
「‥‥‥くそおぉぉぉ!
  兵士よ!  あつまれ!
  奴らを  おうんだぁ!
  おいかけろ!おいかけろ!
  おいかけろ!おいかけろ!
  どこまでも  おいかけろぉ!!」

(16)脱出
レオン
「この地下道は
  ベルンの外へつづいている。
  俺についてくるんだ。!」
<地下道を進んで行く>
レオン
「ここまで来れば
  もうだいじょうぶだろう。
  ん?  どうした?」
レイアード
「何でもないんです  ただ‥‥‥
  剣をふってるときは
  必死で気づかなかったけど‥‥‥
  今になって剣でのきりあいの
  恐怖がおそってきたのか
  身体のふるえがとまらなくて。」
クラーナ
「レイ‥‥‥」

クラーナがレイアードの身体を
つつみこむと  レイアードの身体の
ふるえがとまっていった。

クラーナ
「レイ
  助けに来てくれて  ありがとう。
  もう  二度と会えないかと思って
  いたの‥‥‥
  レイと会えて  うれしい‥‥‥」
レイアード
「クラーナ‥‥‥」
レオン
「コホン‥‥‥
  お二人さん  かんどうの
  再会のところを悪いが。
<手紙を渡され読むクラーナ>
クラーナ
「お父さんたちはレジスタンスの
  方に  さきにこの街を出ることを
  すすめられたらしいわ。」
レイアード
「クラーナは  一座のみんなのあとを
  おうのかい?」
クラーナ
「お父さんは  自分の道は自分で
  きめるように  とも書いているわ。
  一座のみんなとも  いつかまた  
  きっと会えるはず。」
レイアード
「‥‥‥」
クラーナ
「だから‥‥‥」
レオン
「お話の途中で  すまないが‥‥‥
  クラーナ  君は  ランネルの手の
  とどかないところに  にげた方が
  いいと思うぞ。
  ランネルは  しゅうねんぶかい男だ
  きっと  君と  君をさらった連中
  つまり我々を  どうにかして
  さがしだそうとするはずだ。
  できるだけ  遠くへにげたほうが
  いいだろう。
  俺が  途中まで送っていこう。」
レイアード
「クラーナ  ぼくも行くよ。
  アルフ  ミリア
  父さんに伝えてくれないか。
  レイアードは  自分の力を
  そして  心をためすために
  旅に出たと‥‥‥」
ミリア
「レイッ!!」
アルフ
「ミリア。
  これはレイ自身がきめたことだ。
  俺たちがとやかく言う事じゃない。」
ミリア
「‥‥‥でも。」
アルフ
「かならず  帰ってこいよ。
  行くぞ  ミリア。」
ミリア
「レイ‥‥‥気をつけてね‥‥‥」
<去っていくアルフとミリア>
レイアード
「‥‥‥レオンさん。」
レオン
「ん!?  なんだい少年?」
レイアード
「ぼくは  レイアードといいます。
  おねがいです!剣術を教えて下さい」
レオン
「‥‥‥なぜ  剣を学ぼう思うのだ」
レイアード
「今のぼくには  クラーナを守る力も
  勇気もない‥‥‥
  ランネルと剣を交えたあと  恐怖で
  身体がふるえてしまった‥‥‥
  あなたがいなかれば  ぼくは
  クラーナを  助けることすら
  できなかったかもしれない。
  自分の力のなさが‥‥‥
  くやしくて  くやしくて‥‥‥
  クラーナを守るための  力と勇気が
  ほしいんです。」
<手紙を出すレオン>
レオン
「俺は  レジスタンスのリーダーの
  グレイとは  かなり古いつきあいで
  今回の件は  はんぶん俺が持ちかけ
  たようなもんなんだが
  こうして  クラーナを助けることも
  できたわけだし  あとは  グレイが
  どうにか  してくれるだろう。
  本来  俺はレジスタンスではない
  ただの旅人だ。
  とりあえず  俺の  つぎの目的地は
  交易都市「フィーン」。
  レイアード  お前に剣術を教える
  のはそこに行くまでの間だ。
  とはいうものの  フィーンまでは
  けっこうな道のりがある。
  その間に  ひと通りの事は
  教えられるだろう。
  それでも  いいなら  教えよう。」
レイアード
「はい!  それで  けっこうです。」
レオン
「よし  出発だ!」

(17)宿屋にて
レオン
「おはよう  レイ。」
レイアード
「おはよう  レオンさん。」
クラーナ
「おはようございます。
  レオンさん  レイ。」
レオン
「さて  これから俺はフィーンに
  向かおうと思う。
  そこに  俺の旅の連れが待って
  いるんだ。
  ちょうど  ベルンからはなれる方向
  だから  君達がにげるにも  都合が
  いいと思うが。」
クラーナ
「私は  それでかまいません。
  行くあての  ある旅では
  ありませんし。」
レオン
「とりあえず  行く先々で  クラーナ
  の両親について話を聞こう。
  レイアードはその間に
  剣の  くんれんだ。
  俺も持ちあわせは  おおくないが
  とりあえず  この金で二人の装備を
  ととのえるとしよう。」
レオン
「旅の途中に何があるか  わからん。
  そんなけいそうでは  自分の身すら
  守れんからな。
  フィーンにつくまでに「メイアー」
  「ターセ」「ミーアン」の
  3つの街を  通ることになる。
  レイアード  これも持っていけ。
  旅の助けになるはずだ。」

(18)ウィフティーアの宿屋にて
(18-1)フェレルに話しかける
フェレル
「やあ  レイアード君
  ベルンでの出来事を見ていましたおよ
  しかし  何故君がここに?」
レイアード
「クラーナの本当の
  両親を探すために  一緒に旅を
  することにしたんです。」
フェレル
「そうですか。いっこくもはやく
  御両親が  見つかるといいですね。」
クラーナ
「ありがとうございます。」

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