[SFC]天使の詩  バベルの塔


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(1)キースの家
(1-1)入口で
ギルガ
「キース!  キースはおるか?
  ‥‥‥また  けんきゅう室の方に
  こもっておるのか‥‥‥?
  まったく  カギもかけずに
  ぶようじんじゃのぉ。
  キース  じゃまするぞ!」

(1-2)キースに話しかける
ギルガ
「キース  あいかわらず
  本のムシのようじゃな。」
キース
「誰かと思えば  ギルガじいさんじゃ
  ないか!  ひさしぶりだな!
  ところで今日はいったい
  何の用だい?
  それから  そこにいる人達は?」
ギルガ
「彼らは  レイアードとクラーナ。
  バベルの塔に行きたいらしいのじゃ
  そこで  お主ならばその手の事には
  くわしいと思うてな。」
キース
「うーん。バベルの塔へ行くまでは
  何とかしてやれるんだが‥‥‥
  塔の中となると話はべつだ。
  バベルの塔の入り口には  封印が
  されていて  中に入れないんだよ。」
クラーナ
「‥‥‥それならば  バベルの塔への
  道だけでも教えて下さい。」
キース
「うーむ。そうだな‥‥‥
  ん?
  おや!?  それは‥‥‥もしや!」
レイアード
「キースさん。クラーナが
  どうかしたのですか?」
キース
「クラーナさんといったな。
  君の  そのくびかざりは
  どうやって手にいれたんだい?」
クラーナ
「‥‥‥?
  これは  私が小さなころから
  持っていたものですが。」
キース
「‥‥‥ふむ  レイアード。
  バベルの塔に行ってみるのも
  いいかもしれないぞ。
  あるいは  むだあしになるかも
  しれんがな。」
ギルガ
「なんじゃい  それは。
  はっきり言ってくれんか。」
キース
「話は  向こうに行ってからだ。
  ここでは  俺も  自信をもって
  言えないんでね。」
<キースは机の引き出しから鍵を取り出した>
キース
「これは  幻夢の鏡といって
  まよいの森の木々のまぼろしから
  真実の道を教えてくれる物だ。」
クラーナ
「キースさんが一緒に来て下さるなら
  安心ですね。
  よろしくおねがいします。」
<キースが仲間に加わり、幻夢の鏡を手に入れた>
キース
「バベルの塔は  街の西の森の中だ。
  さぁ  行こうかっ!」

(2)まよいの森にて
(2-1)入口にて
キース
「ここは  「まよいの森」とも
  呼ばれている場所だ。
  それというのも  森の精霊が
  いたずらするため  といわれている
  とにかく  つきあたりに行ったら
  この幻霧の鏡を使ってみるんだ。
  そうすれば  真実の道がひらける。」

(2-2)出口にて
キース
「幻霧の鏡の力で道が開けているな。
  さぁ  このさきがバベルの塔だ。」

(3)バベルの塔
(3-1)入口にて
キース
「ここが  バベルの塔だが‥‥‥
  この塔については  わからない事が
  おおいんだ。
  俺も  いろんな本をかたっぱしから
  調べてみたんだがな‥‥‥」
ギルガ
「キース。ここまでつれてきておいて
  「わからない」は  ないじゃろが!
  じつは何かわかっておるんじゃろ?
  もったいつけずに言ってくれ。」
キース
「‥‥‥この塔の入り口は
  天使によって封印されたらしい。
  クラーナ  君の持っている
  くびかざりを出してくれないか?」
クラーナ
「このくびかざりが  何かやくに
  たつのですか?」
キース
「たつもなにも‥‥‥
  バベルの塔の封印をとくカギは
  その赤い宝石「天使の涙」なんだ。
  君のくびかざりを見たときに
  どこかで同じ物を見たような
  気がしたんだ。
  書物で見た「天使の涙」と同じだ。
  何故  君のところにその宝石が
  あるのか‥‥‥それはわからない。
  あるいはレプリカかもしれないが
  それだけの物を  かんたんに作れる
  とは考えにくいな。
  はたして本物かどうか‥‥それは
  使ってみればはっきりするだろう。」
クラーナ
「‥‥‥わかりました。」
レイアード
「あっ!
  それじゃあ  あの赤い宝石は‥‥‥」
クラーナ
「信じられない‥‥‥
  レイ  私  なんだかこわいの。」
レイアード
「クラーナ‥‥‥
  いろいろなことがわかってきた。
  まだ信じられないけど  クラーナの
  本当の姿は‥‥‥
  いや  クラーナが何者であろうと
  かんけいないさ!
  クラーナはクラーナなんだ。
  ぼくは  いつまでも一緒にいるよ。
  そう約束しただろう?
  さぁ  行こう。」
クラーナ
「そうね‥‥‥
  行かなければならない‥‥わね。」

(3-2)最上階にて
ラファエル
「よく来たか。クラーナ‥‥‥
  そして  地上の民たちよ。」
クラーナ
「‥‥‥あなたは!?
  たしかにあなたは  わたしたちに
  この塔に来るように言いました。
  でも  ふつうの人間はバベルの塔に
  のぼることはできないはず‥‥‥
  教えて下さい。
  あなたは誰なのですか?」
ラファエル
「やはり  おぼえていないのか‥‥‥
  そしてクラーナ  お前の真の姿は天使」
レイアード
「‥‥‥‥やはり‥‥そうか。」
ギルガ
「?????
  おいおい  ラファエルさんとやら
  ふざけている場合かい!?
  あんたもこの娘さんも  ふつうの
  人間じゃないか。」
ラファエル
「信じられないか。地上の民よ。
  まあ  私はそれでもかまわない。
  ‥‥‥クラーナよ  君に
  問いたいことがある。」
クラーナ
「ラファエルさん  その前に私の話を
  聞いて下さい。
  私は  小さなころに教会で
  拾われた娘です。
  教会のシスターに育てられ  旅芸人
  として両親をさがして旅をしている
  「人間」です。
  天使だなんて‥‥‥」
ラファエル
「‥‥‥そう思うのも仕方がない。
  君は  二十年前の勇者が
  魔王を封じた後  地上人として
  生まれかわったのだ。
  ある使命をもって‥‥‥な。」
クラーナ
「‥‥‥」
ラファエル
「そこで  君に聞こう。
  「はたして地上人は  悪魔から救う
    必要のある者達なのか」とな。」
レイアード
「‥‥‥!」
ラファエル
「地上界はこれまで  何度となく
  悪魔の侵攻を受けた。
  我らが神は  かつて愛した地上を
  守るため  そのたびに我ら天使を
  つかわして地上を守ってきた。
  だが  地上人が伝説と感じる時間の
  流れの中で幾度となく  くりかえす
  愚かな行動に  神でさえも
  ぎもんを感じてはじめているのだ。
  地上人は  何度も悪魔の  ゆうわく
  に負け  己の野望ために魔王を復活
  させようとした。
  悪魔の力を自分のために使おうと
  したためだ‥‥‥
  そして  そのたびに地上界を
  けがしているのだ。何度も‥‥だ。
  そこで  神は考えた。
  もしも地上人が地上をけがすだけの
  愚かな  そんざいだった場合‥‥‥」
レイアード
「そ  そのときは?」
ラファエル
「神と天上界の持つ  すべての力を
  使ったうえで‥‥‥
  地上人  そして悪魔達を全て
  ‥‥‥ほろぼす!」
ギルガ
「いくら神とはいえ
  そんなことが許されるのか!?
  だまっておれば  好きかってな事を
  言いおってからに!」
キース
「何という事だ‥‥‥
  救いの手をさしのべるはずの神が
  地上人を  ほろぼすなんて‥‥‥」
ラファエル
「地上人よ‥‥‥人間の悪しき心は
  はやりやまいのごとく  ほかの者の
  心を悪にそめあげるものだ。
  そして  そうなってからでは
  おそいのだよ。
  さぁ  クラーナ
  けつだんの時は来た‥‥‥」
<天使になるクラーナ>
ラファエル
「クラーナ  君のけつだんは?
クラーナ
「私は‥‥‥
  私は  この地上界が好きです。
  私を拾い  育ててくれたシスター。
  私を本当の子供のように愛して
  くれた座長夫婦‥‥‥
  そして  私の心の支えになって
  くれたレイアード‥‥‥
  私はみんなが好き。
  たしかに  あなたの言う通り
  自分勝手な人もいるかもしれません。
  でも  すべての人が  そうではない
  はずです。
  地上界には  やさしい心があります
  そして  私に  人を愛する心という
  ものを教えてくれました。」
ラファエル
「‥‥‥わかった。私は言うまい。
  地上に使わされた天使は
  みな  同じようなことを言う。
  地上人も捨てたものではないと
  いうことか‥‥‥
  私は神にそれを  ほうこくすると
  しよう‥‥‥
  クラーナ。君の地上界でのやくめは
  これでおわった。私とともに天上界
  へ帰るのだ。」
レイアード
「クラーナ  待ってくれ。
  今度こそ言えるよ。
  ぼくのそばにいてほしい!
  君が必要なんだ。」
クラーナ
「ラファエル様‥‥‥
  私は地上界へ残ります‥‥‥
  ここには
  私の‥‥大切な人がいるから‥‥‥」
ラファエル
「クラーナ‥‥‥
  白き翼を捨ててまで
  地上に残ろうと言うのか‥‥‥
  私が妹  リアーナと  同じ道を
  えらぶのか‥‥‥」
クラーナ
「白き翼を捨てるのではありません。
  私は‥‥‥
  私は  地上人の一人
  クラーナ  なのですから。」
ラファエル
「‥‥それもよかろう。
  ただし  地上人によってはなたれた
  魔族が地上にあふれるのは
  そう遠くない日だ。
  地上を守りたければ  それらを
  うち倒さなければならないぞ。」
クラーナ
「やってみせます‥‥‥
  私の好きな人たちが生きている
  この地上を守るために。」
ラファエル
「よい  こたえだ。
  地上人がどれだけできるか
  見せてもらうとしよう。」
<閃光とともに消えるラファエル>
レイアード
「クラーナ‥‥‥」
クラーナ
「レイ‥‥本当に  私でいいの?
  私の‥‥‥私の本当の姿は‥‥‥」
レイアード
「クラーナ  塔の入り口で言った
  はずだよ。
  クラーナが何者であろうと
  かんけいないって。
  ぼくは  すべての悪魔と戦い
  そして‥‥‥勝ってみせる。」
ギルガ
「話はまとまったようじゃな。
  さあ  これからどうしたものかの。
  おじょうちゃんたち  だけでは
  心配じゃからな。
  わしらも  つきあわせてもらうぞ。」
キース
「さっきの天使も言っていたじゃないか
  地上人がどこまでできるか
  見せてもらおうってな。」
クラーナ
「‥‥‥ありがとう。」
レイアード
「よし  いったんファーレルに
  もどろう。」

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E-mail: shoda@st.rim.or.jp