星の鏡


  1. エルコラゾン城にて

    妖精女王
    「そなた達は、この世界の者では
    ありませんね。」
    ルシオン
    「すごぉい、どうして分かったの?
    ね、どうして?」
    妖精女王
    「匂いが違う、とでも言っておき
    ましょうか。」
    ルシオン
    「くんくん・・・。」

    ルシオンはニオイをかいでみた。

    ルシオン
    「臭くはないと思うよ。」
    妖精女王
    「ほ、ほほ、ほほほ。
    お、面白い娘ですこと。」

    妖精女王はひきつっている。

    ルシオン
    「にゃは☆」
    妖精女王
    「それで、どのような用向きでこ
    の世界を訪れたというのです?」
    ルシオン
    「えっとね・・・。

    何だっけ?」
    ミミナガ
    「ル、ルシオンったらぁ。」
    エルゴート
    「この世界にある星の鏡、月の瞳
    が必要なのです。」
    妖精女王
    「それはまた、どのようなわけで?」
    エルゴート
    「我々の世界で、デス・シャドウ
    という悪者が活動をはじめたの
    です。
    デス・シャドウは魔法障壁とい
    う結界を張っていて、近付くこ
    とができません。
    そこで、星の鏡、月の瞳があれ
    ば、魔法障壁を取り除くことが
    できるというので、こうして、
    この世界にやってきたのです。」
    妖精女王
    「なるほど、事情はよく分かりま
    した。
    しかし、星の鏡、月の瞳といえ
    ば、この世界でも貴重なマジッ
    クアイテム。
    簡単にその方達に与えるわけに
    はいきません。
    その方達が、デス・シャドウと
    やらの手下とも限らないでしょ
    う?」
    エルゴート
    「それはそうですが・・・。
    では、我々には星の鏡を貸して
    いただけないというのですか?」
    妖精女王
    「さてさて、どうしましょうか・
    ・・。」
    エルゴート
    「・・・。」
    ルシオン
    <お姉ちゃんっ。>
    妖精女王
    <な・・・お、お姉ちゃんですっ
    て?>
    ルシオン
    「そう。
    美人のお姉ちゃん。」

    ルシオンはヨイショした。

    妖精女王
    「あらあら、嘘のつけない娘ね。
    何かしら?」

    妖精の女王は、お世辞に弱かっ
    た!

    ルシオン
    「お姉ちゃんは、あたし達が信用
    できない。
    それでも、あたし達は星の鏡を
    貸して欲しい。
    だから・・・。」
    妖精女王
    「だから?」
    ルシオン
    「お姉ちゃんがあたし達に試練を
    与えればいいと思う。」
    妖精女王
    「試練?」
    ルシオン
    「そう。
    あたし達が信用できるかどうか、
    試すのよ。
    もし、あたし達が、その試練を
    うまく解決できたら、その時に
    もう一度考えるってことで。」
    妖精女王
    「なるほど、それはいい考えです
    ね。
    よろしい、では、その方達に試
    練を与えることにしましょう。
    この城の西にあるインティワタ
    ナに、この女王の権威にたてつ
    く愚か者達がたてこもっていま
    す。
    彼らを見事一網打尽にすること
    ができたなら、その時、星の鏡
    をその方達に貸し与えましょう。」
    カネヨン
    「そういうことなら、俺達は得意
    だぜ。」
    妖精女王
    「では、よろしく頼みましたよ。」

  2. インティワタナの立札の前で

    立札には、文字が書かれている。

    ルシオン
    「あ、何か書いてあるよ!」
    ミミナガ
    「えっ、何て書いてあるの?」
    ルシオン
    「えーっとね・・・。」

    ルシオンは立札を読んでみた。

    ルシオン
    「・・・この・・につき・・・ち
    ・・る・・べからず?」
    ミミナガ
    「・・・。」
    ルシオン
    「・・・。」

    ルシオンには、ちょっと難しか
    ったようだ。

    エルゴート
    「どれ、私が見てみよう。」

    エルゴートは立札を読んでみた。

    エルゴート
    「警告!
    この先、危険につき、立ち入る
    べからず。
    絶対、絶対、絶対、入っちゃダ
    メ!」
    ルシオン
    「ふぅん、入っちゃダメなんだぁ
    ・・・。」
    エルゴート
    「・・・限りなく怪しい気がする
    のだが・・・。」

  3. アプサラのところに来て

    カネヨン
    「こいつが妖精の女王様が言って
    た奴か。
    さっそく、手合わせ願おうか。」
    ルシオン
    「みんな、行くよ!」

  4. アプサラを倒して

    カネヨン
    「ぜーはー、ぜーはー。
    へ、へへ、大したことなかった
    な。」
    エルゴート
    「そんなこと言って、肩で息して
    るじゃありませんか。」
    カネヨン
    「こりゃあ、お前、深呼吸してる
    んだよ。」
    エルゴート
    「そうなんですか?」
    カネヨン
    「おおよ!」

    カネヨンは強がった。

    ルシオン
    「じゃあ、エルコラゾン城にかえ
    ろう!」

  5. エルコラゾン城にて

    妖精女王
    「なんと、本当に倒してしまった
    のですか?」
    カネヨン
    「ま、ざっとこんなもんだな。」
    妖精女王
    「なるほど、確かに実力、勇気と
    もに星の鏡を托せるだけのもの
    を持っているようですね。
    わかりました。
    星の鏡を貸しましょう。」
    カネヨン
    「へへ、有難ぇ。」
    妖精女王
    「月の瞳のありかは妖精王が知っ
    ています。」
    エルゴート
    「妖精王・・・ですか?」
    妖精女王
    「そうです。
    我々の世界は、この2つのマジ
    ックアイテムを厳重に管理する
    ために、私と妖精王とが別れて
    暮らしているのです。
    あの方とは、私達がこの地位に
    就任してから、もう何世紀もお
    会いしていませんけれど・・・。」
    ルシオン
    「じゃあ、あたし達が、2つのア
    イテムを借りることができたら、
    もうアイテムを守る必要がなく
    なるんだから、ゆっくり会える
    よ!」
    妖精女王
    「そ、それもそうですわね。
    まあ、どうしましょう、私、見
    苦しくありませんかしら?」
    ルシオン
    「とってもきれいだよ!」
    ミミナガ
    「うん、ボクもそう思うな。」
    妖精女王
    「・・・まぁ、どうもありがとう。」
    カネヨン
    「よし。
    そこの美人の姫様が、大好きな
    妖精王に心置きなく会えるよう
    に、俺達でちょいと状況を整え
    てくるか。」
    ビオメルダー
    「そうですな。
    月の瞳を妖精王から手に入れて、
    彼らの肩の荷を降ろして差し上
    げましょう。」
    妖精女王
    「妖精王のお住いになるエルドラ
    ド城に行くには、このエルコラ
    ゾン城から街道沿いに、大陸を
    ぐるりと迂回していかなくては
    なりません。
    街道の上にいるかぎり安全です
    から、道を外れないように気を
    つけなさい。」
    ルシオン
    「じゃ、行こうよ!」


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