ミラドールにて


  1. チチボラの洞窟の紫色の岩のところにきて

    ルシオン
    「ブラジオンも手に入れたし、こ
    れで、この岩が砕けるようにな
    るんだね!」
    エルゴート
    「さっそく、使ってみよう!」

  2. ミラドールの町に入って

    <お前達は何者だ!>
    <ヤツらの仲間か?>
    ルシオン
    「ちょっと待って。
    一体、何のことを言ってるの?」
    <シラをきる気だな。
    みんな、こいつらをアーヤ様の
    ところに連れていこう!>
    <そうだ、そうしよう。>

  3. アーヤのところに連れて来られて

    アーヤ
    「何ごとですか、騒がしい!」
    「怪しいヤツを捕らえました。」
    エルゴート
    <あ、お前はっ!>
    アーヤ
    <あなたは・・・っ!!
    そう・・・助かったのですね。
    ・・・良かった。>
    エルゴート
    <何が良いものか!
    お前達獣人が私達の村を襲った!
    私の家族も、村人達も、みんな
    お前達獣人に殺されたのだ!
    その上、お前のせいで、私は獣
    人になってしまった!
    さぁ、元の体に戻してもらおう
    か!
    それから、お前達によって流さ
    れた私の家族の血を償ってもら
    う!
    お前の命で!>
    アーヤ 「あなたがそう望むのなら・・・。
    だけど、私達はあなたの村を襲
    ってはいません。
    あなたの村は、私達のせいでは
    なく、伝染病で滅んだのです。
    私達は、あなたを・・・あなた
    達を助けるために、あなたの村
    へ行ったのです。
    でも、私が着いた時には、もう、
    手遅れで・・・村の人達はほと
    んど亡くなっていました。そし
    て、あの村で、わずかに息が残
    っていたのが、あなただた。
    だから、あの時はしょうがなか
    ったのです。
    あなたを獣人にすることしか、
    助ける方法がなかったのだから。」
    エルゴート
    <うそを言うな!
    村は獣人によって滅んだのだ!
    私を助けてくれた隣村の人々が
    そう言っていた!>
    アーヤ
    「見間違いです!」
    ルシオン
    「ねぇ、どういうこと?」
    アーヤ
    「彼の村に伝染病が発生したので
    す。
    私達は、彼の村を助けようとし
    たのだけれど、結局、村人のほ
    とんどは伝染病にかかって死ん
    でしまったわ。
    彼も病気になっていて、命が危
    なかったの。
    それで、私は、彼を獣人にする
    ことで命をつなぎとめようとし
    たのです。
    獣人化することで得られる生命
    力で、伝染病を治すことができ
    るの。」
    ルシオン
    「ふゥ〜ん。」
    エルゴート
    「口では、何とでも言える。
    それに、お前の言うことが、本
    当だったとして、どうして、私
    の村を助けようとした?
    私の村と、お前達の村とは何の
    つながりもないというのに!」
    アーヤ
    「・・・。」
    エルゴート
    「どうした、言葉を忘れたのか?」
    アーヤ
    「・・・確かに、私の村とあなた
    の村の間には、何の関わりもあ
    りません。
    でも、私は、あなたに・・・。
    あなたに個人的な関心があった
    のです。」
    エルゴート
    「・・・個人的な・・・関心・・
    ・?」
    アーヤ
    「あなたは忘れているらしいけれ
    ど、私はあなたと何度かお会い
    しています。
    もう一つの姿の時に・・・。」
    エルゴート
    「もう一つの姿・・・?
    ・・・あッ!!まさか、あの時
    のッ!!」
    アーヤ
    「思い出していただけまして?
    そう。
    私は、以前、狼の姿でいる時に、
    猟師のしかけた罠に捕らわれて
    動けなくなっていました。
    出血と痛みが私を襲い、もう駄
    目だと思った時、あなたが私を
    助けてくれたのです。
    私の傷の手当をし、私のために
    狩りをしてくれた。
    私をあたためるために抱いてく
    れた。
    私の傷がなおるまで、ずっとそ
    ばにいてくれた。
    狼は、一度受けた恩は忘れませ
    ん。
    ましてや、それが、命の恩人と
    なれば、あなたのために命を捨
    てることさえ喜んでします。
    狼の絆は、それほど深いものな
    のです。」
    エルゴート
    「・・・そ、それが仮に本当だと
    して、ならば、何故、他の村や
    町を、獣人が襲っているという
    噂がある?」
    アーヤ
    「・・・確かに、そういうことも
    していました。」
    エルゴート
    「ふ、ふん!
    語るに落ちたな。」
    ルシオン
    「でも、何かワケがあるんでしょ?」
    アーヤ
    「はい。
    実は、ブラック・ウォーリアに
    私達の村の子供を人質にとられ
    てしまっているのです。
    命令を聞かなければ子供達を殺
    す、と言われ、仕方なく他の村
    を襲ったこともあります。
    でも、信じてほしいの。
    私達だって、好きでやってるわ
    けじゃないわ。」
    ルシオン
    「ブラック・ウォーリア?」
    アーヤ
    「はい。
    ある日突然現れて、子供達を・
    ・・。」
    ルシオン
    「これから、どうするの?」
    アーヤ
    「従うしかありません・・・。」
    ミミナガ
    「きっと何度でも同じことをさせ
    られるよ!」
    ルシオン
    「人質かぁ。」
    エルゴート
    「・・・ルシオン、何を考えてる?」
    ルシオン
    「にゃは☆
    いいこと考えた!
    あたし達が、人質を助け出して
    きてあげる。
    だから、これ以上、他の村や町
    を襲うのはやめて、ね?」
    アーヤ
    「ほ、本当ですか?」
    ルシオン
    「大丈夫、じょぶ☆
    ね、エルゴート、ミミナガちゃ
    ん。」
    エルゴート
    「・・・。」
    ミミナガ
    「ボクはルシオンについて行くよ。
    仮にもモールベアの戦士が女の
    子を一人で危険な場所に行かせ
    るワケにはいかないよ。」
    ルシオン
    「ありがとう、ミミナガちゃん。
    エルゴートは?」
    エルゴート
    「・・・わかった。」
    ルシオン
    「決まり〜!」
    アーヤ
    「ありがとうございます。」
    エルゴート
    「こ、これだけは言っておく。
    私はルシオンのために行くのだ、
    お前達のためではないからな。」 アーヤ
    「・・・はい。
    それでも・・・ありがとう。」
    エルゴート
    「・・・。」
    ミミナガ
    「やれやれ、素直じゃないね、人
    間ってのは。」
    ルシオン
    <よーし、じゃあ、ブラック・ウ
    ォーリアにさらわれた子供達を
    助けに行こう!>
    ミミナガ
    「おーっ!」
    ルシオン
    「・・・。
    あれ?
    子供達ってどこに閉じ込められ
    てるの?」
    ミミナガ
    「ルシオンったらぁ〜。」
    アーヤ
    「レギオンタワーです。
    村の西側から出る橋を渡ったと
    ころにあります。」
    ルシオン
    「そっか!
    よぉし、いくよ、みんな!」
    ミミナガ
    「目指すは村の西側から出る橋を
    渡った先にあるレギオンタワー
    だね。」

    ミミナガのセリフは説明くさい。

  4. レギオンタワーの牢屋のところに来て。

    <助けて〜!>
    ルシオン
    「あ!君達は!?」
    「僕達は、ミラドールの子供です。
    ここから出して!」
    ルシオン
    「わかった!
    今、助けてあげるからね!」

    ルシオンは、牢屋の扉を開けよ
    うとしてみた。
    ・・・しかし、扉は開かなかっ
    た。

    ルシオン
    「・・・うーん、開かない・・・」
    ミミナガ
    「あははは。
    人間の女の子には無理だよ。
    モールベアの力を見せてあげる
    よ!」

    ミミナガは、牢屋の扉を開けよ
    うとしてみた。
    ・・・しかし、扉は開かなかっ
    た。

    ミミナガ
    「開かないや・・・。
    よし、今度は本気を出すぞ!」

    ミミナガは、力一杯、牢屋の扉
    を開けようとしてみた。
    ミミナガ
    【そ〜れ!!】

    ミミナガは、やみくもに、牢屋
    の扉を開けようとしてみた。

    ミミナガ
    【う〜ん、う〜ん!!】

    ミミナガは、ありったけの力で、
    牢屋の扉を開けようとしてみた。

    ミミナガ
    【とりゃぁぁぁぁぁ
    ぁぁっ!
    ・・・
    はうっ!!
    ぷぅぅぅぅ〜】
    ルシオン
    「・・・・・・。」
    エルゴート
    「・・・・・・。」
    ミミナガ
    「・・・・・・。」

    ルシオン
    <あたし達の手でデス・シャドウ
    を倒すのよ!>
    エルゴート
    <馬鹿なっ!
    そんなこと、無理に決まってる!>
    ルシオン
    「そうかなぁ?
    ミミナガちゃんはどう思う?」
    ミミナガ
    「ん〜。
    怖いのは嫌だけど、ルシオンが
    行くっていうんなら、ボクはつ
    いて行くよ。」
    エルゴート
    「・・・。」
    ルシオン
    「決まり〜☆
    デスシャドウを倒しにフィンデ
    サイクル城へ行こう!」
    アーヤ
    「フィンデサイクル城に行くため
    には、海を越えていかなければ
    なりません。
    ですから、どこかで、船を手に
    入れなければならないでしょう。
    北の砂漠地帯にあるウィルダネ
    スという町を訪れるとよいでしょ
    う。
    そこでなら、船を手に入れられ
    るような場所について、何か知
    ることができるかもしれません
    から。」
    ルシオン
    「だってさ、エルゴート。」
    エルゴート
    「・・・分かった、分かったよ。
    私も一緒にいく。」
    アーヤ
    「あの、エルゴートさん・・・獣
    人化のことですけど・・・。」
    エルゴート
    「このままでいい。
    これからも旅を続けるなら、獣
    人のままでいる方が役に立つ。
    そのかわり、他の村を襲ったり
    するのは止めるんだ。」
    アーヤ
    「・・・はい。
    でも、信じて下さい。
    あなたを助けるには、獣人化さ
    せるしかなかったんです。」
    エルゴート
    「あのまま死んだ方がマシだった
    ・・・。」
    アーヤ
    「そんな・・・。」
    ルシオン
    <命の恩人に向かってそんな言い方
    ないじゃない!>
    エルゴート
    「余計なお世話だ。」
    ルシオン
    <なんですって!>
    アーヤ
    「ルシオンさん!
    ・・・いいんです。
    エルゴートさんが私を嫌う気持
    ちも分かります。
    ・・・でも、私は、あなたを見
    殺しにできなかったんです!
    どうしても、あなたを生き延び
    させたかった・・・。」
    エルゴート
    「・・・。」
    アーヤ
    「ごめんなさい。」
    エルゴート
    「悪かった。
    ひどいことを言ってしまったよ
    うだ。
    私が生きていられるのは君のお
    かげなのに・・・すまない。」
    アーヤ
    「エルゴートさん・・・。」
    エルゴート
    「・・・デス・シャドウを倒した
    ら・・・。」
    アーヤ
    「え?」
    エルゴート
    「デス・シャドウを倒したら戻っ
    てくる。
    その時に元の体に戻してくれ。」
    アーヤ
    「は、はい、喜んで。」
    ルシオン
    「にゃは☆
    これで一件落着ぅ☆」
    アーヤ
    「ルシオン、あなたに渡すものが
    あるの。
    受けとってくれるかしら?」
    ルシオン
    「にゃはっ☆
    なに?なに?プレゼント?」
    アーヤ
    「ある意味では、そう・・・プレ
    ゼントね。
    私の持つ魔法をあなたに授けま
    しょう。」
    ルシオン
    「わぁ、ありがとう。」
    アーヤ
    「旅人よ、汝に魔法を授けよう。
    汝の辿る旅路の道添えとして。」

    ルシオン
    「す、すごい。」
    アーヤ
    「あなた達の旅に役立てばいいん
    だけど・・・。」
    ルシオン
    「大助かりだよっ!」


    もどる
    E-mail: shoda@st.rim.or.jp