ミミナガ
「ルシオン、こっちからは、イヤ
な感じがするよ。
たぶんモンスターがいるんじゃ
ないかな?
先に進む前に、自治会長に話を
聞いたほうがいいんじゃない?」
カネヨン
「グタグタ言ってねぇで、じゃん
じゃん倒しちまおうぜッ!」
エルゴート
「そういうのを蛮勇と言うのです
よ、カネヨン。」
カネヨン
「へへへ、そんなに誉めるなよ。
照れるじゃねぇか!」
エルゴート
「・・・。」
エルゴートは固まっている。
ルシオン
「じゃあ、自治会長さんのお話を
聞きに行こう!」
自治会長
「なんです、あなた達は?」
ルシオン
「船が出せなくて困ってるんでしょ
?」
自治会長
「ええ、そうなんです。この都市
はシャドウ・クイーンの支配下
にあります。
何が目的なのか知りませんが、
エッツナー号にたてこもってい
るのです。このままでは、商売
だけでなく生活にも困ります。」
ルシオン
「じゃあ、あたし達がシャドウ・
クイーンをやっつけてあげるか
ら、ポートアモンまで乗せてっ
てくれないかな?」
自治会長
「本当ですか?」
ルシオン
「任せといて!」
自治会長
「わかりました。
もしシャドウ・クイーンを倒し
てもらえるなら、ポートアモン
へ向う船を用意しましょう。
エッツナー号にはモンスターが
出没します。気をつけて下さい。」
ギュッ、ギュッ、ギュッ。
カネヨンは、鱗をこすって腕を
鳴らした。
ルシオン
「すごぉい、本当に腕が鳴ってるぅ
!」
カネヨン
「なんだ、こんなこともできねぇ
のか?
俺達にとっちゃなんでもないこ
となんだがな。」
ルシオン
「ボクもできるよ。音は出ないけ
ど、ほら。」
ミミナガは毛を逆だてた。
ルシオン
「わぁ、すごーい!」
エルゴートは、腕に力をこめた。
・・・力こぶができただけだっ
た。
カネヨン
「・・・。」
ミミナガ
「・・・。」
エルゴート
「・・・。」
ルシオン
「・・・よぉし、エッツナー号を
取り戻すよ!」
シャドウ・クイーン
<前達生きていたのか!
大樹リレハンメルと一緒に喰い
荒されたかと思ったけれど。
まぁ、いいわ、どのみち、お前
達の命もここまでよ!
死んでおしまいぃぃ!>
[ルシオン]
わぁ、すごい!
[ミミナガ]
へえ、きれいだね!
[エルゴート]
どうして、こんなところに、光
の壁が・・・?
「フィンデサイクル城のあたりに
は、簡単には近付けないって話
だぜ。」
ルシオン
「えー、どうして?」
「なんでも、魔法障壁ってのがあ
るんだって聞いたぜ。」
ルシオン
「魔法障壁・・・?」
「ああ。
あんた達、船でここに来たんだ
ろう?
だったら、沖合いで光の壁を見
たんじゃないか?」
ルシオン
「確かに見たよ!
そうか、あれが魔法障壁なんだ
ね!」
「ああ、そういうことだ。
魔法障壁を越えることは出来な
いんだそうだぜ。
俺も、詳しいことは知らないが
な。」