巷では、マリーが樽をみて「たーる」というとか、うにを投げるとき「うにー」 ということに、焦点があてられてしまっているようだが、そんなことは、SCDの 時代にやりつくされているのである。
こういうことは、私のような古くからのギャルゲーマーにとっては、何ら珍しく ないことで、今更、時代を繰り返してどうすんねんとも思うのであった。そういうことよりも、次世代機のパワーを使った演出に目を向けるべきだと思う。 最近(これを書いているのは、97年6月12日)では、[SS]ゲーム天国とか…。
鍛金術師おちこぼれのマリーが、アカデミー卒業を目指して、5年間、アイテム作成に いそしむゲーム。
アイテム作成に必要な材料は、街の外の山とか森とか湖とかに落ちていて、それを 調達に行くのだが、マリーだけでは、途中で遭遇する敵に勝てやしないので、冒険者 を雇うことになる。アイテムを作成するための知識は、一般的には、アカデミーで売っている書物から 得ることになっている。本を読まないと全くと言っていいほど、アイテムを作れない。 また、アイテムを作る時に必要な器具もアカデミーで売っていて、それを買うことに よって、アイテム作成確率が向上するようになっている。
酒場では、特定のアイテムの作成依頼を出している。このアイテム作成依頼をこなす ことにより銀貨を得る。これで、冒険者を雇ったり、参考書・器具等を買ったりする ことが出来るようになっている。
その他、特定の条件で発生する各種イベントをこなしていき、ゆくゆくは、アイテム 図鑑を完成させることが、マリーの目的となっている(と思う)。
徐々に作れるアイテムを増やしていくという過程、それが、このゲームの面白さの 全てだと思う。各種イベントを探すのも確かに面白いけれど、それが、結局は、特定 のアイテムを作るための手段になっていたりするし。
つまり、最近のCRPGでは定番の「アイテムを集める楽しさ」を全面に押し出した ゲームだとも言える。個人的には、シナリオ型CRPGでアイテム集めが主体となるのは、 好かないし本末転倒だと思うので、こういう逆転の発想は好きである。あと、作れるアイテムが増えくると、やれることも増えてくるため、色々と試して いけるので楽しいし、自然にのめり込むことが出来る。ちょっと変わった魅力のある 良いゲームである。
ただ、無条件で褒めることは出来ない。なぜなら、システムにかなりの穴が見受け られるからである。まず、工房でしか出来ないことが多過ぎるということ。
ステータスチェック、武具の装備、現在の依頼内容の確認といったところが、工房 以外で出来ないのには、凄く不便である。特に、武具の装備に関しては、システム 画面のスケジュールでしか出来ないってのは、いくら何でもあんまりである。もう一つ、装備できるアイテムについて。
装備できるアイテムは、その道具を選択したときに、装備できるかどうかの選択が 出るだけで、えらく不親切だと思う。せっかく強い武器になるアイテムを作っても、 装備し忘れたため、無用の長物になってしまったりして悲しかった経験が多数。
もうちょっと、工夫の仕方があっただろうにと思うと、非常に残念である。そして、とっつきの悪さ。
とにかく、最初の半年は、やることが少ないので、最初のプレイでは、何をしていい のか、さっぱりわからない。もう少しバランスの調整をして欲しかった。
イベントも、酒場での張り紙でしか知ることが出来ないというのも問題である。 一度、見た情報は、いつでも引き出せるようにして欲しかった。
まー、面白かったです。ただ、攻略本を見るのは、最低1回、自力で遊んでからに した方がいいでしょう。イベント探しとかは、自分でした方が絶対面白いですし。
ボリューム不足というか最終目的が近過ぎるかな、と思わないでもないですが、 まあ、気軽に楽しめるゲームなので、よろしいんではないでしょうか。