『九怨』レビュー

 『九怨』は、FromSofware から、PlayStation2 対応として発売された 3D アクションアドベンチャーゲームである。


【所感(一周目を終えて)】

 陰陽道の怪を題材にしたゲーム。主役は、芦屋道満の娘と芦屋道満の弟子である。恐怖映像や雰囲気作りは良いものの、主人公達が怨霊と格闘するゲームにしてしまったため、ホラーゲームと呼ぶには若干難がある。また、割と容赦なく人が死ぬ場面に遭遇するし、主人公達の行く末も容赦がないので、人を選ぶところもある。最後で萌えゲー扱いを受けそうなところも白々しくてちょっと……ね。

 ゲームバランスは、「普通」を選んでいる限りは、謎解き以外で詰まることはなさそう。大半の敵は直接攻撃だけで倒すことができるので、強敵相手に符を温存することができる。セーブアイテムの供給も過多気味なので、時間がないので進められないということもなさそう。実際、通しての一回のプレイ時間は 10 時間を切るだろう。

 ゲーム的にはアドベンチャー要素はかなり高く、入手した書物によるヒントや、通ってきた場所の状況をしっかり把握しておく必要がある。また、「陰の章」「陽の章」どちらからも始められるが、「陰の章」から始めることを推奨したい。


【難易度】

 一回クリアすると、最高難易度である「凄絶」の追加と共に、「苦行設定」というものが出現する。これには、九回ダメージを受けると GAME OVER になる「九撃設定」と、主人公も敵も一撃で死ぬ「一撃設定」がある。「一撃設定」は「九撃設定」でいずれかの章をクリアしないと出現しないが、これこそがこのゲームの真骨頂である。

 既プレイ者でないとわかりにくい記述になるが、「凄絶」設定にすると、餓鬼等の隣接位置になると掴みかかってくる敵に、一定時間掴みかかられるとダメージを受けるようになる。その上で、「一撃」設定にしてあると……想像は難しくないだろう。実際、「陽の章」+「凄絶」+「最強装備 OFF」+「一撃」での初プレイでは、二桁を軽く越える GAME OVER を迎えた。「最近のゲームはヌルくていかん」と思われる人は是非体験してもらいたい設定である。

 また、気軽にリプレイしたい人向けなのか、「最強装備」という設定も追加される。これは、符や回復アイテムも豊富に所持しているが、なぜか、セーブアイテムだけは、初期設定と同じである。この辺に、FromSoftware のこだわりが垣間見れる。


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