The Herd who ???

そんな事知ったことじゃない...ちょっと人気があった60年だい後半のアイドル・バンド...メンバーに Peter Frampton がいて...なんていっても、もう「それ誰?」って...

でもこれが、意外にそんなに馬鹿にしたもんじゃないんだな...左上の一見若い頃のボウイを思わせるのが Peter Frampton...その後 Small Faces の Steve Marriott と Humble Pie を結成、後にソロになって U.S.に渡って大ブレークした人(といっても70年だいの事だけれども)...実はそれ以外のメンバーは誰がそうなのかは知らなかったりするのだけれども...一応ラインアップを書いてみると
Peter Frampton Guitar
Gary Taylor bass
Andy Bown keyboards
Andrew Steele drums
でこう並べてみるとボーカリストがいない。順当ならギタリストの Peter Frampton がと思うところだが、実は彼はこの頃は殆どギター小僧だったようで、殆どボーカルはとっていなかった。ただ一番女の子に受ける彼が唄わないのはセールス上問題って事でしぶしぶ途中のサビで少しだけ唄ってたりしていたよう...ちなみに彼らのヒット曲 I Don't Want Our Loving To Die(邦題”二人だけの誓い”が、しかし...) って曲で、そのやけにテノールなボーカルがちょっと聞けるが、Humble Pie の頃のひとり跳ね回ってギターを嬉しそうに弾いていた彼と見比べると面白いかもしれない...

少し彼らのプロフィールに触れてみよう...
1967 spring I Can Fly デビュー・シングルだが不発に終わる。意外に同時期のピンクフロイドをもう少しポップにした感じで面白いのだけれども...Peter Frampton のギターもちょっとハウリングしてたりして...
5, Aug From Under The World 2枚目のシングルはUKチャートの6位迄上がり、ヒットチャートに13週とどまり、 The Herd の名前を広める。 こちらはどちらかというとちょっと当時のヨーロピアン・ポップって感じで、ボーカルがもうちょっとうまいと、ウォーカーブラザースに近いかもしれない。
Paradise Lost 3枚目は15位まで上がるスマッシュヒット。ヨーロッパ風デキシーランド・ジャズ的イントロから強引に教会音楽的なハーモニーをバックにポップなメロディーがのっかって、最後はまたデキシー風なエンデングでフェイド・アウト...でもこれが意外に効果的...
1968 spring I Don't Want Our Loving To Die 彼らの最大のヒット曲でUK5位迄ヒットする。本当に67〜8年当時のUKチャートで流行りそうな曲...
Sunshine Cottage それまでの彼らの曲を書いていた Hen Howard & Alan Blackley からはじめて Peter Frampton と Andy Bown の書いた曲をシングル・リリースするが、これがセールス的にはまったく失敗してしまう。
Peter Frampton Humple Pie に参加する為にグループを脱退

グループはこの後も存続するが、殆ど目立った結果も残せずに消えてしまう。 でこの期間に出たアルバムは唯一 Paradise Lost ('68) があるだけなのだけれども、これは今でも THE HERD(Featuring Peter Frampton) として入手可能だ。正直いって、面白い曲、まったくいただけない曲、ごちゃ混ぜといったアルバムだけれども、逆にそんなところがいろんな事をしたくって、でもそれをやらせてもらえなかった彼らの真の姿が現れているのかもしれない。(そうアイドル・バンドはつらいのだ)

ちなみに Peter Frampton が Humble Pie に参加する時、Steve Marriott 以外のメンバーは彼がアイドルという事でかなり抵抗があったようだ。しかしさすが Steve Marriott は本当に Peter Frampton の才能を見抜いていたのだろう。上記のアルバムにはシングルでは聞けない多少ラリーコリエル等のジャズ・ギタリストの影響も感じられる独特なギタープレイをきくことができる。じゃあU.S.でブレークした後の Peter Frampton も面白いかって?(それはまた別の話し...)

2,Apr'99 by seven