My Eyes Have Seen You / doors

 Strange Days の8曲目に収められたこの曲が、最初に録音されたのはロビーが参加する前(1965年)のワールド・パシフィック・サウンドのデモ。 ジム・モリソンが1965年の夏にヴェニスの屋上で書き上げた曲のひとつでもある。 だがそんな些細はどうでもいい。 この曲の焦点は題名でもある My eyes have seen you の一節だ。 直訳するなら「オレの眼はお前に会ったことがある」。 また see の「確認する」というニュアンスを強調するなら「オレの眼はお前を確認したことがある」。 他にも「理解」や「経験」と置き換えて読んでみるのもいい。 例えば英訳聖書で "she knows him" の know は単に彼を知るのではなくセックスの婉曲表現だが、ここでの see の用法にも同様に「見る」というよりはより体験的、つまり「目撃した」というニュアンスがある。 では彼はナニを「目撃」したのだろう? チャック・クリサファリはその著書「ムーンライトドライブ」で次のように解説する。 「この曲が屋上で書かれたことを考えると、モリソンがタイトルのフレーズを繰り返し唸っている理由も理解できる---つまり、これは覗き行為に対する、ロックンロール界最高のトリビュート・ソングなのである。」 おもしろい観点だが、その彼も三節以降で歌詞が不気味さをましていることを認めている。 つまり「テレビジョン・スカイ」とは観察されている側の空であり、ここで覗いている側は急遽その自分を観察している側の存在に気付く。 ではその相手とは誰なのだろうか? CIA? 幻しのインディアン? または後に彼を奪い去っていった死神? とにかく私たちは彼の眼を通してその存在と向き合い、そしてジムは執拗にその「存在」への脅しを繰り返す。 「オレの眼は見てたんだぜ・・・」

translated by seven. 2003,Jan'19.