Hurdy Gurdy Man.



へたな意訳は気にしないで...でも意味はそんなにはずれてはいいないハズ。この唄の主題である Hurdy-Gurdy とは結構メカニカルな楽器で18世紀頃にヨーロッパで作られ、主に大道芸人が演奏する楽器として知られている。右手でハンドルをまわすと弦がこすられて、それによって鳴り出した音を左手で鍵盤(にあたるもの)を押さえながら演奏する楽器である。 Led Zeppeline が好きな人なら、彼らのライブ映画の中で Jimme Page が湖のほとりで弾いている楽器といえばわかるかも...またこのページに来る人なら灰野敬二氏が最近ライブで弾いているのを見た事があるかもしれない。だが本来の Hurdy-Gurdy の演奏はそのどちらとも違う。あえて言えば Jimme Page の奏法はバグパイプ的だし、灰野敬二氏の奏法はその延長線上にあるようにおもえる。本来の奏法はどちらかといえばメリーゴーラウンドのパイプ・オルガン(といってわかるかなあ?)といった風情で、とにかくメランコリックな楽しさを感じさせるものが多い。とはいえその構造上、弦が擦られて生み出される倍音と持続音は異様に心を躍らせてくれる。そう昔サーカスがやってきた事を知らせるチンドン屋が街をねりあるきはじめると、子ども達は異様にこころを浮き立たせて親の顔を見上げたものだ。その夢見心地がこの唄の背景にも見えるような気がする。

さてもう少しこの曲について詳しく説明すると、US,UK共にヒットチャートの5位まで流行った曲で、'68年4月3日ロンドンでの Hurdy Gurdy Man セッションでの録音された。プロデュースは Micky Most またその時の演奏メンバーは
vocal, acoustic guitar and tambura Donovan
electric guitars   Allan Holdsworth and Jimmy Page
bass and arrangement   John Paul Jones
drums   John Bonham and Clem Clatini

となっている。よくみるとほとんど Donovan + Led Zeppeline という構成。ちなみに Zeppeline 自体は未だ New Yardbirds の名前だった頃で John Bonham は未だ参加していない。ゆえにこれは Robert Plant を抜きにすれば最初の Zep の録音といえるかもしれない。ちなみに Alan Holdsworth も未だ Soft Matchine に参加する以前で、そう考えるとすごいメンバーといわざるをえないだろう。(ちなみにこのメンバーでのセッションはこの一曲だけである)

また未確認な情報ではあるが、最初の詩はビートルズのジョージ・ハリソンが創ったのだけれども、Donovan はそれを自分のLSD体験にもとずきまったく書き直して録音したという説もある。

まあ、そんなどうでもいい説明をぬきにしても、この曲は是非聞く価値があると思う。それは夢を見るこころがあるうちは、何処かに響く音をもっているハズだから...