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'70年代後半、大英帝国がその帝国の末期の不況にあえいでいた頃、頭からオレンジ・ジュースをぶっかけてブロンド・ヘアーを逆立て不平不満をがなりたててたロンドン・パンクの中から、何故か平然と黒服に身を包んだ
Siouxsie は彼らの女王にまつりあげられて登場する。
確かに彼女のステージは異様に聴衆を昂ぶらせていたが、1st を聞けば分かるように決してピストルズやクラッシュの様に人を煽る音楽ではなく、もっとネガティブな狂気への精神的墜落を志向していたようにおもえる。そしてわたしにはそれが今の東京シーンに奇妙に投影されているようにみえてしまうのだが...
あえていうなら、かなり私は彼らのアルバムに裏切られている。1st アルバム以外はどれも買ってしばらくは耳を離せない程聞き入るのだけれども、しばらくすると何故か何処かにしまったまま二度と取り出す気になれない。ヴィデオも見かけると必ず欲しくなってしまうのだが、見て一度か二度...そしてそれでも私は
Siouxsie and The Banshees に時々手を止める。 |
1st アルバム THE SCREAM の頃のメンバーは左記の4人だがギターの
John Mckay はその後すぐにバンドをクビになっている。原因は実質的な音のイニシィアティブを握っている
Steven Severin が彼のもろバンクなギターに嫌気がさしたって事のようだが、その後のギタリストがあまりに普通な事を考えると、それはあまりいい選択ではなかったようにおもえる。 |
Siouxie Sioux |
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voice |
John Mckay |
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guitara, saxophone |
Steven Severin |
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bass |
Kenny Morris |
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drums |
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THE
SCREAM (1978 Polydor)
1.
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Hong Kong Garden |
2.
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Pure |
3.
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Jigsaw Feeling |
4.
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Overground |
5.
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Carcass |
6.
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Helter Skelter |
7.
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Mirage |
8.
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Metal Postcard |
9.
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Nicotine Stain |
10. |
Suburban Relapse |
11. |
Switch |
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どちらにしろそれ以外のアルバムは最近はしまったままなので、この
THE SCREAM にしぼって書いてみよう。一曲目の Hong Kong Garden はイントロにいかにもヨーロッパ人が東洋(または中国)をイメージする時のフレーズから始まるが歌詞の内容は香港の売春宿をイメージとしている。これはリリース当時日本でも何故か流行した曲だ。
Jigsaw Feeling はこの時期のメンバーの特色が一番現れている曲かもしれない。
Helter Skelter はこのアルバム中唯一のカバー(Beatles)で、最初はうんと遅いテンポから徐々にスピードを上げて演奏するその感触は、曲の破片を拾い集めて徐々に形をなしていくかの様な逆回しの映像を見ているような錯覚をあたえる。最後の
Switch は Cool だ。このバンドが決してパンクというより非常に音楽的に既成の社会を否定しようとしていた事が感じられる。(それは成功しなかったかもしれないが...) |