Yo La Tengo


本当にまるで、学生がそのままいつまで学生を続けていけるんだろうってぐらい、ノー天気な奴等...でも、なんだか好きだなあ〜...やってる事って結構パクリだし、いつまでたってもルーリードみたいな声だしてて、でもいつまでたっても引きずるみたいなものが出てこなくって...結構色々とアルバムを発表してるみたいだけれども、このバンドについては、少し軽くあしらってみよう。

ELECTR-O-PURA 95年発表のアルバム。一応86年から7枚目のアルバムになる様だ。最初っからファズ+トレモロのズレズレの音で遊びだしてる。焦点が定まらない?それこそ、彼らの地ってもんでしょう。でも意外と聞くにつれて心地よい気になってしまうのは、やっぱり遊びがわかってるって事? ちなみにこれは日本版がある。でも最初がこれからって人、大変だろうなあ〜?
GENIUS+LOVE 88年から95年にかけての彼らの遊びの寄せ集め的アルバム、CD2枚組み。"I shot Andy Warhol" のサウンド・トラックになってる曲も入っていたりして、なんでもその映画(まだ見ていないんだけれども)ベルベットの役で演奏していたそうだ。以前MLで"それなあに?"って聞いてヒンシュクをかった事がある。1枚目は唄中心、2枚目はインスト中心て事になってるけど、ようはおんなじ唄の唄在り/無しが1〜2枚目にわりふられてるって感じ。といってがっかりしちゃいけない、それはそれで結構楽しませてくれる。で、私はこのアルバムから好きになってしまった。
I Can Hear The Heart Beating as One. で、彼らの最新版がこれ。大体、アルバム一枚聞く程、ましてや最近の一枚60分以上もの時間を聞かせてくれる程コマめな人たちではないので、やはり途中で飽きてしまう。でも本人達はいたって元気で、そんなこちらの気分などおかまいなしに、どんどん遊びまくってくれている。大体何が気持ちいいかじゃなくって、やってみたらきもちよかったってほうのバンドだから、こちらもついつい一緒に楽しまなきゃって気になってしまうから不思議!でも、これって大事だよね。音ってたのしんで音楽だもの...(Goooooooooong!)そういえば、Little Honda なんて Beach Boys の曲のカバー、すごくいいよ。

メンバーについて紹介してみる。

Georgia Hubley Drums  
Ira Kaplan Guitar  
James McNew Bass  
元々 Georgia と Ira を中心に84年からスタートした Yo La Tengo は、初期には色々と Bass や Guitar のパートに変動があった様だが(例えば86年の1st Album "Ride the Tiger" には他に Dave Schramm(G) Mike Lewis(B) といった名前も見れる)、James McNew が参加してからはほぼ安定している。 Georgia は元々アニメーションの仕事をしたりしてたみたいで、彼らのアルバム・アートのいくつかは彼女の作品だ。 Ira は元々音楽関係のライターだったとかで、最初はステージで演奏するなんて気はさらさらなかったという。ちなみに Georgia と Ira は結婚している。また James McNew は他に Dump という名でのソロプロジェクトも続行しており、こちらでも数枚のアルバムを出しているようだ。

少しまじめに評価してみよう。

まず女性ドラマーである Georgia はやはり Velvets の Maureen Tuccker 的な繊細さを持ち合わせているが、音楽的には Maureen 程の斬新さはない。また Ira のボーカルも適当に Lou Reed 的なのだけれども、良くも悪くも、もっと軽い。 つまり彼らの音の隅々に Velvets の影がちらつくのだけれども、それはあくまでも好きな音がそうだからという程度の事で、彼ら自身の音は例え意識的にノイズを多用しようとも、基本的には非常にポップだ。

思うに、これは非常に専門的/技術的になりすぎた現代の音に対しての、彼らなりのポリシー/スタンスである様だ。 例えば演奏する事自体の技量とかそのコンセプトとかにエネルギーを使う暇があったら、何か色々とやってみたほうがおもしろい事ができるんじゃないだろうか? といった様な....そして簡単に出来る事なんてすでに殆どやりつくされてしまった様に思える今という時代においては、彼らのやりかたは案外可能性をもっていないだろうか?

ところで最近のステージでは、あの DEVO の Gates of Steel なんて曲のカバーをやってるらしい。勿論彼らの場合は原曲が何かすぐわかる様にはやらないから(というか出来ないから)、意外と全然他の曲のカバーなのかもしれないけれど....


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