chelsea girl

1.

The Fairest of the Seasons 4:06

corpland/brone

2.

These Days 3:30

Jackson Browne

3.

Little Sister 4:22

Cale/Reed

4.

Winter Song 3:17

Cale/Reed

5.

It Was a Pleasure Then 8:02

Nico/Cale/Reed

6.

Chelsea Girls 7:22

Reed/Morrison

7.

I'll Keep It with Mine 3:17

B.Dylan

8.

Somewhere There's a Feather 2:16

Jackson Browne

9.

Wrap Your Troubles in Dreams 5:07

John Cale

10.

Eulogy to Lenny Bruce 3:45

Tim Hardin

produced by Tom Wilson 1968 Verve MGS 1066 (LP, US)

electric guitar のアルペジオにストリングス/フルート、そして NICO のヴォイス...ドラム&ベース・レスのこのアルバムは Velvet Underground のカオスをくぐりぬけた後のかわいた静けさすら感じさせる。10曲中5曲に Lou Reed / John Cale / Sterling Morrison が曲を提供している。またいくつかの曲では彼らも演奏に加わっているようだし、プロデューサーの Tom Wilson は VU の White Light White Heat のプロデュースも行っている。とはいえ時期的にも丁度そのすぐ後になるこのアルバムで聞けるのは、そのカオスの頂点をきわめた VU とはまるで最北端に位置するかのような音だ。 White Light... の時期にはすでに VU を去っている(または追放された) NICO にとって、これは彼女がそこで本当に唄いたかった歌のセレクションなのかもしれない...また、このアルバムのもうひとつのサウンド・イニシアチブは未だ10代であった Jackson Browne にある。ストリングス(John Cale?) との微妙なゆれの中に不思議な風景を映し出している。
ところで Chelsea Girl ってどんなニュアンスなんだろうか? 後に NICO のキーボード奏者となる James Young が初めて NICO に会った時「すでに Chelsea Girl ではなく...」という印象を述べている。 実は最初にこのタイトルを見たとき、Chelsea ってロンドン郊外ケンジントン宮殿のそばの地域の事かなと思った。 掲示板で流れ者さんから 「NYのホテルの名前」 とのご指摘をうけた。 なるほどそれで部屋の番号が出てくる訳だ。 無知を恥じると共にこの場にて感謝! 26,sep'99)


すこし気になる曲をピック・アップしておこう

Chelsea Girl

「ここは506号室、それだけでも彼女にとっては憂うつの種。Bridget(?) は全部アルミホイールでラップされてる。彼女はそれを全て開ける事が出来るのかしら?」 この一節から始まるこの曲は次々にいろんな少女(少年)達のほんの一辺の憂うつを拾い上げていく。

These Days (*)

「わたしは歩いてる。わたしはあまり話さない、それらの日々の事を...」 果たしてそれは何時の事をさしているのだろうか?いろんな出来事に立ち会い、いろんな出来事の中にいて、そしていろんな出来事を起こしてきた彼女にとっては...それは振返ってはいられない自己の軌跡なのかもしれない。

Wrap Your Troubles in Dreams

「トラブルは夢の中に閉じ込めて捨ててしまえばいい...それをボトルの中に入れて海に投込めば...」 というフレーズから始まる John Caleの曲。Box Set PEEL SLOWLY AND SEE に Lou Reed の唄うデモ・テイクがあるが Velvet Underground の正式アルバムでは未発表の曲。アレンジは John Cale 的中世の香りを感じる。どちらかといえば Lou Reed よりは NICO にぴったりの曲のような気がする。( Lou Reed はJohn Cale の間違い)

Eulogy to Lenny Bruce

Lenny Bruce はU.S.の有名なコメディアンであり50年代を代表するビートニック詩人。'66年にヘロインの過剰摂取で死んでいる。題名を直訳すると 「Lenny Bruce をたたえる」 となるが、内容は決してそう単純にうけとれない。例えば最後のフレイズは「あなたがモルヒネが必要な事がどうして彼女にわかる?どうして友達の注意に耳を傾けなかったの?わたしにはわかる。それが何であるかを知らない人の言葉をあなたが聞く気になれなかったってことは...」

ちなみにこの曲の作者 Tim Hardin は60年代中期から70年代前期にかけて活躍したシンガーソングライター。NICO 以外にも Rod Stewart ("Reason to Believe") Scott Walker ("Lady from Baltimore") といったアーティスト達も彼の曲をカバーしている。 残念ながら1980年にドラッグの過剰摂取で死亡。

1,May'99 by seven

Jackson Browne

1972年にシンガーソングライターとしてデビューしているが、その曲調はここで聞ける彼の作曲/演奏とはかなりイメージが違う。ちなみにわたしは最初にこの名前をアルバムに見た時、それがあの Jackson Bworne だとは思いもよらなかった。
とはいえここで彼が提供している曲 These Days は実は彼が最初に作曲した曲のようで、彼の 2nd アルバム FOR EVERYMAN (1973) で彼自身によるテイクがある。 また 1967年以降の Demo テイクを集めた The Nina Music Demo では I've Been Out Walking という曲名で多少歌詞の違う These Days のバージョンが収められているが、これがおそらくは最初のテイクではないだろうか・・・(このアルバムには Somewhere There's A Feather も含まれている)

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12,Sep'99 by seven