neutral milk hotel

on avery island:1995  
recorded '94 to '95 
1. song against sex
2. you've passed
3. someone is waiting
4. a baby for pree
5. marching theme
6. where you'll find me now
7. avery island/april 1st
8. gardenhead/leave me alone
9. three peaches
10. naomi
11. april 8th
12. pree-sisters swallowing a donkey's eye
 
実は最近このアルバムに聞き入っている。ドラムの音がどこかビートルズに思えてしまうし、歌はとてもキンキー(てわかる?)で...2曲目は何処か Tommorow never knows を思いうかべながら、でも実は病院でこれから死へと旅立とうとしている女性の歌であったり、4曲目はシド・バレットばりのずれずれの歌が極日常的狂気をかなでて、ノイズ音に心をゆさぶられてる間に牧歌的な世界を奏で始めてる。 
でも、何故かいつも何処かで音がひび割れていて、それがすりガラスの水滴をなぞった、その向こうに見える現実の社会の様に、私の心の中に心像風景を浮かび上がられる。そうだこのエクスタシー感って PROCOL HARUM の Solty Dog かもしれない。10曲目の naomi ってとても素敵な曲だね。(ひょっとして Naomi Young の事?)そんな事を考えながら... 
殺伐とした視点はマイナでもメイジャでもない。とても醒めた視点で捉えられた現実とその上に画家が描こうとしているラブ・シーン...おや、そういえば最後の buzz buzz(noize の事?)はカサノバ(映画)のラブ・シーンのテーマに聞こえてこない?
 
jeff mangum   guitar, drums, voices, bells, xylophone, air organ, casio, tapes
robert schnieder   air organs, home organs, fuzz bass, xylophone, horn arrangements
lisa janssen   fuzz bass on "you've passed" and "gardenhead"
rick benjamin   trombone on "Avery island"," song against sex" + "gardenhead"


上記のアルバムでは Olivia Tremor Control の協力もあった様で、確かに音的には近いものがあるかもしれない、なんて思ってたら、逆に Olivia Tremor Control のアルバムにも Jeff mangum や robert schnieder が手伝ってたり(Jeff は初期には正式なメンバーだったようだ)して、殆ど仲良しクラブみたい...ちなみに私の記事からはあたかもイギリスのバンドと思われる方も多いかと思うが、このバンドの中心メンバー jeff mangum は26才まで Louisiana(Texas) で育ったそうで、それからもわかる様にU.Sはテキサスあたりのバンドである。なお98年2月には新しいアルバム In The Aeroplane Over The Sea がすでに発表されているが、このアルバムはカナダのバンクーバーで録音されている。で上記の Olivia Tremor Control も含めて the elephant 6 グループ(結社?)というのが存在するようで、他に the Apples in stereo というバンドもふくまれているらしい(???)
にしても、Texas って本当に不思議な音を作り出すところだと思わない???


ところで、もう少し詳しい情報が彼らのHPに載っていたので書いておこう。 neutral milk hotel は基本的に Jeff mangum のソロ・プロジェクトと考えてもいい。というのも on avery island:1995 も殆どが彼の自宅の4Tr録音により作られていたりする訳で...(驚き)。このところ自宅の4Trで録音するってのがU.S.でもかなり流行っているようだけれども、これも新しいガレージ・パンク(サイケ?)の動きとして注目。(がしかしやってることがまるで私と一緒だな(~~;) また Olivia Tremor Control のやはり中心人物である Will Cullen Hart も Jeff と同様に Louisiana の出身で、どうも昔は一緒にパンク・バンドをやっていたか、または最低パンク仲間ではあったみたいだ。その関係は Athens(Georgia州) に移り住んでからも継続している様で、上記の the elephant 6 というのも彼らの他 Apples in Stereo の Robert Schneider 等を含む6人(他にBill Doss,  Hilarie Sidney, Jim McIntyre)を中心に運営されているレコード会社のようだ。(どうも普通のレコード会社というには少し性格が違うようだが...?でも一応 the elephant six recording company という名前ではある)
the official neutral milk hotel page

昨日 "In The Aeroplane Over The Sea" が届いたので今朝電車の中で聞きながら感じた事考えたことを書き出してみたい。 

いつものように彼らのアルバムは子供の頃に親に読んでもらったお伽噺しのような風景からはじまる。にしても人参の花の王様ってとても子供じみてて笑えるじゃない... 

なんて思ってると"I love Jesus Crist, Jesus I love..."突拍子もない声で突然こんな歌詞が耳に飛び込んでくる。これもおなじみのベタで書かれた歌詞のその部分は a song for an old friend and a song for a new friend and now a song for jesus christ and since this seems to confuse people i'd like to simply say that i mean what i sing although the theme of endless endless on this album is not based on any religion but more in the belief that all thing....なにがいいたいのか??? 

The Aeroplane Over the Sea とは死んだ時その自分の灰/魂を運んでいってくれる空を飛ぶ機械の事のようだが、といってそれは悲しい歌ではなく、それとの対比のうえでの今生きている美しい時間への観察であるような...

でも歌っていったい何なんだろうか?

 

In The Aeroplane Over The Sea 
 
10 February 1998 Merge Records MRG136LP / MRG136CD (US) 
  1. The King Of Carrot Flowers Pt. One
  2. The King Of Carrot Flowers Pts. Two & Three
  3. In The Aeroplane Over The Sea
  4. Two-Headed Boy
  5. The Fool
  6. Holland, 1945
  7. Communist Daughter
  8. Oh Comely
  9. Ghost
  10. .....
  11. Two-Headed Boy Pt.Two
Jeff Mangum の、そして Neutral Milk Hotel の曲はとても歌詞が良く聞こえるような気がする。けっして美しく歌いあげるというタイプではなく、どちらかといえばがなりたてているに近いその歌は、でもなぜかとてもウタとして聴くものの心に今そこに生きている一人の人間の描いているイメージを結ばせてくれる。それはまるでとめどのない無駄話しのように、でもなぜか耳を傾けていたくなる...
 
例えばそれが単にお伽噺しの世界だとして、しかしそれが心の中にいだかせるイメージは私たちに何をもたらしているのだろうか?ファンタジーである事がより写実的である事より現実にひとりの人間の心情風景をよりよく描き出しているとしたら...それはよりS.F的になりすぎた現代からの逃避ととらえるのもいいだろう。またはそれ(今)があまりにも人間を受け入れない中でのひとつのアンチテーゼであると考えるのもいい。
 
ただ ”ひとりの人間が感じられる、それが私のこころをうるおしている” その事の不思議さを私はこのアルバムから感じている。
さてお昼ごはんは何処に食べにいこうか...


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