屋外の庭でリクガメを飼育したり、あるいは、近所の野草をとってきて与えたり
する際には、有毒な植物にも気をつけたいものです。以下の表は、いくつかの資料
の中からピックアップした有毒植物のリストです。
毒の強さはさまざまで、少量食べる分には問題がないもの、体調によっては深刻な事態になるものなど、いろいろ含まれています。
また、リクガメは野生の感のようなものから、自ら有毒なものを嗅ぎ分ける能力
が、ある程度備わっているとも言われています。さらに、ゆっくりとした消化の過
程で、ある種の植物に関しては、解毒作用を持ち合わせているとも言われています。
したがって、以下のリストは、あくまでガイドラインとしてご参照ください。
表中の症状は、必ずしもリクガメの症状ではありません。人間のものや小動物のも
のも含まれています。多くの症状はある程度、共通すると考えられます。
(過去に、海外でリクガメに関して死亡報告のあったものに関しては、*印が付いて
います。)
| 植物名 | 分類 | 有毒部位・症状など |
|---|---|---|
| アセビ | ツツジ科 |
生け垣などによく使われる。花、葉、樹皮など全 体に強い毒を含む。誤食すると嘔吐や下痢、重症 の場合は神経マヒや呼吸困難をおこしてしまう。 |
| アザレア | ツツジ科 | 葉、花 |
| *シャクナゲ | ツツジ科 | 葉、枝 |
| *アジサイ | ユキノシタ科 | 全草 |
| オシロイバナ | オシロイバナ科 |
全草(特に根や茎)が有毒。食べると嘔吐や下痢 、腹痛をおこす。 |
| フジ | マメ科 | 葉、種子、サヤ |
| トチノキ | トチノキ科 |
トチノキは薬草としても知られていますが、種子 にはサポニンを含み、生で食べると胃腸障害や下 痢をおこすことがある。 |
| アネモネ | キンポウゲ科 | 葉、花 |
| キツネノ ボタン | キンポウゲ科 |
セリに似ているが、コンペイトウのような実をつける。 全草に毒成分を含み、誤食 すると胃腸の炎症をおこす。 |
| オダマキ | キンポウゲ科 | 葉、花、種 |
| ウマノアシガタ | キンポウゲ科 |
キンポウゲの名で知られている。英名のバターカップでも 推測されるように光沢のある 黄色の小さい五弁花をつける 。 食べると胃や口がただれる。 |
| ヨウシュ ヤマゴボウ | キンポウゲ科 |
全草、とくに根に硝石などの毒を含む。誤食すると、嘔吐 、下痢、麻痺などをおこす。 |
| クサノオウ | ケシ科 |
黄色の4弁花をつけ、茎を折ると黄色の液汁を出す。全草 にケリドニンを含み、誤食す ると痙攣、麻痺をおこす。 薬草としても知られている。 |
| タケニグサ | ケシ科 |
大きな掌状の葉をもち、白い花をつける。茎を折るとオレ ンジ色の樹液を出す。 全草にプロトピンという強い 毒を含み、食べると嘔吐、麻 痺をおこす。 |
| アメリカ ノウゼンカズラ | ノウゼンカズラ科 |
つる性の花木で、赤橙色の花をつける。毒性はそれほど強 くないが、全体に含まれてお り、肌にふれるとかぶれるこ とがある。 |
| *キツネノ テブクロ | ゴマノハグサ科 | 葉、花 |
| ウラシマソウ | サトイモ科 |
天南星のなかま。毒成分は全草にあるが、とくに 球根に多く、食べると嘔吐、腹痛皮膚炎などをお こす。 |
| キツネノ カミソリ | ヒガンバナ科 |
全草にアルカロイドのリコリンを含む。食べると 嘔吐、下痢などをおこす。 |
| *トリカブト | ヒガンバナ科 |
猛毒のアルカロイドが全草に含まれていますが、 とくに根の部分は強烈。誤食すると呼吸困難や心 臓麻痺をおこします。 |
| ヒガンバナ | ヒガンバナ科 |
鱗茎、地上部など全体にアルカロイドのリコリン を含む。誤食すると嘔吐、下痢、場合によっては 呼吸困難により死亡することもある。 |
| アメリカ ハナミズキ | ヒガンバナ科 | 実 |
| *ドクゼリ | セリ科 |
地下茎に猛毒のシクトキシンやシモールを含み、 誤食すると嘔吐し筋肉が麻痺して死に至る。 セリとよく似ているが、セリはヒゲ状の白い根を 持つのに対し、ドクゼリはタケノコに似た地下茎 をもつことで区別できる。 |
| *ドクニンジン | セリ科 |
全草有毒だが、とくに種子に猛毒のコニインが含 まれ、食べると筋肉が麻痺し呼吸困難を起こす。 |
| ノウルシ | トウダイグサ科 |
全草。とくに根茎に毒が多く、汁が皮膚に触れるとかぶれ る。 |
| ツル ニチニチソウ | キョウチクトウ科 | 麻薬タバコ。全部 |
| スズラン | ユリ科 |
全草(特に根茎)に心臓毒を含み、食べると心臓 マヒをおこす。また、利尿作用をおこし血液凝固 をおこす。 |
| ホオズキ | ナス科 |
全草。古くから 民間薬としても利用されています が、子宮の緊縮作用をおこす物質のヒストニンが 含まれている。 |
| フクジュソウ | キンポウゲ科 |
アドニトキシンという毒成分を含み、誤食すると 心臓麻痺をおこす。 |
| 植物名 | 分類 | 有毒部位・症状など |
|---|---|---|
| *スイセン | ヒガンバナ科 |
スイセンの仲間はすべて有毒。球根、葉、花 などにコリンを含み、食べると下痢、嘔吐、 胃腸炎をおこす。 |
| ヒヤシンス | ユリ科 | 球根、葉、花 |
| チューリップ | ユリ科 |
球根、葉、花。球根には、アレルギー物質の ツリパリンを含むので、かぶれることがある 。また、心臓毒も含まれているので、誤食に 気をつけよう。 |
| アマリリス | ヒガンバナ科 | 球根、茎、花 |
| *クロッカス | アヤメ科 | 球根 |
| シクラメン | サクラソウ科 |
葉、茎、花など。サポニンが根茎に含まれて いるため、食べると嘔吐や胃腸のただれをお こす。 |
| シャコバサボテン | オシロイバナ科 | (Euphorbia) 全部。 |
| ポインセチア | トウダイグサ科 | 葉、花、樹液 |
| デルフィニューム | キンポウゲ科 | 球根、葉、花、種子 |
| クリスマスローズ | キンポウゲ科 | 葉、花 |
| ストレリチア | バショウ科 |
ゴクラクチョウカの名でも知られている観葉 植物。葉、花が有毒。 |
| カラジューム | サトイモ科 | 全部 |
| カラー | サトイモ科 | 全部 |
| ディフェンバキア | サトイモ科 | 葉 |
| フィロディドロン | サトイモ科 | 全部 |
| アボガド | モチノキ科 |
葉の部分は強い毒性を持ち、誤食すると死亡 します。 |
| ユーカリ | フトモモ科 | 新鮮な葉、実 |
| アイビィ | ウコギ科 | 別名ヘデラ。葉、実。 |
| *チョウセン アサガオ | ナス科 | 葉、花 |
| アサガオ | ヒルガオ科 |
種子にファルビチンを含み、多く食べると下 痢をおこす。 |
| 三色スミレ | スミレ科 |
種子や根茎にビオリンなどを含み、誤食する と嘔吐、神経マヒをおこす。 |
| ジャスミン | モクセイ科 | 葉、花、とくに花蜜。 |
| ロベリア | キキョウ科 | 全部 |
| ケマンソウ | ケシ科 | 葉、花、根 |
| ポピィ(ケシ) | ケシ科 |
ただし、カリフォルニア産のものは例外。 果実を傷つけたときに出る乳液を乾燥させた ものが阿片で、モルヒネの原料となる。現在 、一般には栽培は禁止されている。 |
| スイートピー | マメ科 | 茎 |
| エニシダ | マメ科 | 種子 |
| ニセアカシア (ハリエンジュ) | マメ科 | 樹皮、新芽、葉 |
| タロイモ | ー | 葉 |
| 植物名 | 分類 | 有毒部位・症状など |
|---|---|---|
| リンゴ | バラ科 |
種の中身。消化器官の中で、もし種が割れてしま うと毒。用心のため、種は取り除いて与えよう。 |
| アプリコット | バラ科 | 種の中身 |
| サクランボ | バラ科 | 種の中身 |
| モモ | バラ科 | 種の中身 |
| ナス | ナス科 | 葉のみ |
| トマト | ナス科 | 葉のみ |
| *ジャガイモ | ナス科 | 新芽、生の花。 |
| ローズマリー | シソ科 | 種類によっては葉が有毒なものがある。 |
| セージ | シソ科 | 種類によっては葉が有毒なものがある。 |