(4)食物繊維を多く含むこと


 食物繊維はリクガメの消化を助けます。食事の中の食物繊維が不足すると、リクガメは便秘や下痢になったり、不活発になったりします。また疝痛(突発性の腹痛)を起こしたりもします。飼育下のリクガメでは、軟便の個体も多いようですが、これも繊維質が少なく、水っぽい市販野菜ばかりを与えていることが一因となっています。
 野生のリクガメは飼育下のものよりはるかに多くの食物繊維を摂取していることが、その糞の調査から知られています。食物繊維は、腸内の寄生虫を排出するのを助けるはたらきもするのではないか、とも言われています。ですから、食物繊維を十分に摂取できていないと、腸内の寄生虫を必要以上に繁殖させてしまうことの一因にもなり得ます。
 食物繊維は様々な植物に含まれていますが、特にアルファルファーや干し草、バナナの葉(入手が難しいが)などに多く含まれています。芝は食物繊維の供給源としてとても優れていますが、地中海リクガメの仲間に限って言えば、芝は好んで食べない個体の方が多いようです。これらの種には、他の雑草を与えることで食物繊維の不足を補ってあげるといいでしょう。また、市販野菜の中では、モロヘイア、大根葉、キャベツ、カリフラワーなどが比較的、多くの繊維質を含んでいます。