米国について
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おことわり
ここでは米国に来て、日本との違いを感じたことについて述べてみたいと思います。
これらはあくまでも吉野の私見であって、学術的な基礎調査があるわけではありません。
また、全米共通ということでもありません。サンディエゴ在住中に感じたことです。
ましてや、米国や日本の国民性を批判するものでもありません。
双方のことを理解するための一助になればと思っております。
<アイスホッケー観戦事故>
これは特に米国についての話ではないのですが、他に掲載するページがないので、とりあえず
ここに掲載します。
CNNテレビの報道によると、オハイオ州コロンブスで3月16日(土)に行われた
NHLのアイスホッケーの試合中、一方の選手の打ったパックを相手チームの選手がすぐ近くで
カットし、そのパックがスケートリンクの周りに張ってある透明のゴール裏のフェンスを超え、
客席で試合を観戦していた13歳の女の子の左こめかみを直撃したという事故がありました。
不幸にもその女の子は18日(月)に亡くなったとのことです。
なぜ、2日後に死亡したかというところが謎になっていて、今日検死官による原因の発表が
ありました。直撃したところは頭蓋骨骨折と打撲ということで、通常の外傷であり、致命傷では
ありませんでした。実際に、事故当日は自力で歩いており、それから死亡した日まで、
その女の子は意識があったようです。死亡原因は、パックが当たった衝撃で頭が後ろにガクンと
折れた状態になった時に、脊髄と後頭部との間の動脈がダメージを受け、動脈の中で血が固まって
(あるいは腫瘤が出来て)脳の血液の循環が悪くなったことによるものとのことです。
検死官の知人の医師もこのようなケースは25年間遭遇したことがないと言ってます。
たぶん、病院も気がつかなかったのでしょう。
この女の子は15列目に座っていたということですので、フェンスの上をライナーでパックが
飛んできたのでしょう。時速100マイル(約160km)に達していたかもしれないとのことです。
この後、こういった事故にはどう対処すべきか(責任問題)が議論されているようですが、
まあ、よく気をつけるか、覚悟して見てるしかないと思います。皆さんもスポーツ観戦には
十分気をつけてください。
ところで、この女の子は、今度の水曜日(20日)に14歳の誕生日を迎えることになっていて、
父親がその誕生日プレゼントとしてアイスホッケーファンの娘をアイスホッケー観戦に連れて
来ていたとのことです。
ご冥福をお祈りします。
(03/20/2002)
<人種に対する気の使い方>
こちらに来てから、すでに1年半が過ぎましたが、今のところ、他の人にわかるような人種に対する
偏見のそぶりを見たことはありません。まあ、この辺りは特にメキシコ系の人が多いのも影響して
いるのではないかと思うのですが、アジア系(中国系、日系、韓国系、フィリピン系)の人も多く、
いわゆるアングロサクソン系の人は半分いないのではないかと思われるほどです。従って、髪の毛の
黒い人は大変多く、珍しくありません。
しかし、やはり気を使っているなぁと感じたのが、おもちゃの人形の肌の色です。
おもちゃの人形は日本ではいわゆる「肌色」か「ピンク」だけですが、こちらの
おもちゃ屋には「こげちゃ色」も同じように
並べてあります。この辺りでは黒人の人はあまり見ませんが、このように大きくわかるものについては、
公平になるよう気を使っているのだなと思った次第です。
(02/17/2002)
<A Happy New Year!>
とは、Have a happy new year ! の略のようです。
というのは、こちらでは年末にハッピーニューイヤーといって分かれます。
日本で言う「あけましておめでとうございます」とちょっとニュアンスが違うようです。
といっても、元旦当日までハッピーニューイヤーと言うそうです。2日からはお仕事です。
ちなみに、週末(金曜日)の帰りの挨拶は Have a nice weekend ! です。
(01/13/2002)
<X'mas の飾付け>
Thanksgiving が終わると、こちらではもう、すぐにクリスマスのようです。
クリスマスを迎えるに当たって、こちらでは、家の軒にそって電飾
をつけます。
クリスマスが終わるまでずっと、夜になるとこの電飾に電気をつけ、家を飾るのが習慣のようです。
電力危機のカリフォルニアにおいては最近は控えめらしいですが、
中には鹿?がいる家も少なくありません。
(11/25/2001)
<Thanksgiving Day>
この日は基本的にすべての仕事を休んで「おやすみ」する日のようです。
スーパーマーケットは昼間はやっていましたが、夜はやっておらず、レストランも、通常年中無休
のところですら休業です。みんな家で過ごす日のようですね。日本の元旦に近いかも。
休日はどうやら必ず木曜日にするみたいで、次の金曜日は会社は当然休みで、ここは4連休になります。
テレビでは Holiday season と呼んでいます。2日目の金曜日はショッピングセンターが開くみたいで
まるで日本の初売りのように、入り口が開くと買い物客が先を争って中に入り、
おもちゃ等を買い物かごに入れる映像が流れています。この日について Post thanksgiving shopping と
言っており、どうやら Thanksgiving day の翌日は安売りをする特別な日のようです。
Thanksgiving 当日の夜は結局、24時間営業のスーパー(一部のRalfs, Rite Aide)しか開いていませんでした。
(11/24/2001)
<道路の整備>
日本ではよく年末になると道路工事があちこちで始まります。
これは、役所が、予算を使っておかないと翌年減らされるからということで、あわてて
年末に予算を執行するからと聞いたことがあります。
こちら米国ではそういう内情はわかりませんが、さすが車社会だけあって、ちょっと
がたがたしている道路はすぐきれいに舗装されます。
工事は夜中にやっているらしく、日中はほとんど影響ありません。しかも、短期間に
かなり広範囲にわたってさっとやってしまうので驚きです。
完成した新しい舗装もびっくりするほどなめらかで、大変走行感がよいです。
これは物量の問題なのでしょうか?
(11/18/2001)
<訴訟社会>
「米国は訴訟社会だ。」とよく言われますが、どうしてそうなるのでしょう?
これは米国民が訴訟が好きか、なんでもかんでも訴訟で決着をつけないと気がすまないように
聞こえますが、それはちょっと違うような気がします。
これは「訴訟せざるを得ない社会」としたほうが良いと思います。
米国はもともといろいろな価値観の人が集まっている社会です。従って、Aさんにとっては
些細なことでも、Bさんにとっては重大なことであることがあるのです。もし、こういった
物事についてAさんがBさんの物事を侵害した場合、Aさんが「大した事ないね」ですませて
しまった場合、Bさんは間違いなく訴訟を起こします。日本ではほとんどの人がほぼ同じ
価値観を持っているので、めったにこのような事は起こりません。侵害した人は悪いことを
したと思って必ず修復にかかります。
ただ、これはあくまでも価値観の違いによるもので、Aさんは悪いことをしたとはこれっぽち
も思っていません。価値観が違うというだけなのです。
例としては、私の駐車場に何度も車を止める隣人がいるのですが、たぶん「今、止まってないから
止めてもかまわない。戻ってきたらどかせばよい。」と思っていると思います。しかし、
日本人の私は「私の契約している駐車場に他人は1秒たりとも止めるべきではない」と思っています。
この人と直接話しても無駄ですので(価値観が違う)、管理人に言うことになります。
この前、バックでぶつかってきた人もバンパーにちょっと傷がついたくらいタッチペンで直ると言って
立ち去ろうとしたので、バンパーを交換するから弁償しろと言うと、5ドルでタッチペンが買える
からと言って5ドルを出そうとしたので、5ドルでは買えない10ドル出せというと、
その娘と思われる子供がそんなに出す必要はないと横槍を入れてきました。
まあ、既に5ドルの話からあほらしくなって、バンパーの修復はどうでもいいと思っていたので、
一言 I'm sorry. と言ってくれれば、こちらも気が済んだのですが、謝るどころか私がぶつけたんでは
ないかなどと言い始めたので、彼らが悪いことをしたという証拠にお金を徴収することにしました。
未だに机の上に飾ってあります。
自分が悪いことをしてもこうですから、価値観にもいろいろあると思った次第です。
当然「訴訟せざるを得ない」ですね。
(09/15/2001)
<常識>
英訳すると Common Sense になりますが、Common Sense は日本語で言う「常識」とは
ちょっと違うような気がします。
いわゆる日本語の「常識」という言葉は米国にはないと思います。
といっても日本語で言う「常識がないやつだ」という意味ではありません。
日本で言う「常識」は村社会の不文律であり、世界人としてではなく日本「村」社会人として
諸先輩方の作ってきたもので、日本でのみ通用するものだと思います。
米国人はみな自由なので、もともとそういう考えはないと思います。
(09/15/2001)
<自分は正しい>
友人から聞いた話ですが、こんなことがあったそうです。
ある車庫付きのアパートに入居し、指定されたアパートの駐車場に車をとめようとしたところ、
他人の車がすでにとめてあって、とめられませんでした。
管理人に苦情を言うと「Tow Away(牽引して撤去すること)」のシールを渡され、
これを貼っておくように言われたので、貼っておいたら、その車の持ち主は車を移動させるどころか
シールをはがすので、何度も貼り直したら、その持ち主はアパートの管理人に「シールを貼るやつがいる」と
苦情を言いに行ったそうです。
なぜなら、その車の持ち主も正規の駐車場利用者だったからです。
つまり、アパート側がダブルブッキングをしていたのですが、自分たちがそのようなミスを
おかしていることなどまったく考えてなかったので、ここまで来てやっと気がつくということに
なったようです。
(08/18/2001)
<自己防衛せざるを得ない>
よく米国においては「自分のことは自分で守る」と言われます。
日本では安全なのが当然で、何かあったら警察はどうしてるんだ!ということになります。
「村」社会においては、村八分という言葉があるように、問題のある人間は社会全体から
はじかれてしまいますので、誰もが人と同じようにしようとします。
すると自動的に、大体みな同じような人間になり、実際に他人も自分と同じような人間なので、
安心して他人と接することができます。
しかし、「自由」な社会では他人に干渉しませんから、そのようなことは起きません。
社会にそのような均一化システムがない以上、他人はどんな人間かわからないので、
わかるまでは基本的に警戒態勢をとり、相手に敵意を感じれば、やられる前にやっつけるということになります。
米国ではみなさん知らない人同士でも気軽にあいさつしたり、笑顔を見せたり、声をかけたり、話したりします。
しかし、これは誰とでも仲が良いのではなく、自分は敵意がないことを表明しているのだと思います。
何も言わないでじっと見ていると何か勘違いされて、やられるかもしれませんから...
(08/10/2001)
<自由が基本>
米国は自由の国と言われていますが、自由とはなんでしょうか?
決められた義務を最小限果たしていれば、あとは「自由」ということのようです。
日本のように「ほとんどの人は大学に入るんだから、自分の家の子供も入れなければ」
といったような横並び意識はなく、それぞれ自分の思うとおりに生活し、
当然それをどうこういう人もいません。日本でも基本的にはそれでも法律に反することもなく
問題はないのですが、「村」社会独特の「みんなと同じでなければならない」という
目に見えない「不自由」に縛られているような感じがします。
(08/10/2001)
<農耕民族と狩猟民族>
どうやら、日本と米国の違いの本質はここにあるようです。
追って説明していくこととします。
(08/10/2001)
米国について
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