ISO9001要求事項における情報システムの適用可能性に関する考察


ISO9000の情報化支援は文書システムだけではおかしい!

 下記はISO9001の要求条項の中で情報システムの適用が可能と考えられる記述部分について抽出したものである。なお、Dは文書ライブラリ、Rはデータ記録、Mは電子メール、Wは承認ワークフロー、Eはその他(プロジェクト管理、業務系システム等)の適用可能性を示している。ISO9000関連のパッケージソフトはこのうちD文書ライブラリ、Rデータ記録に関する機能を支援するものが一般的である。


4.1 経営者の責任
4.1.1 品質方針
 D品質方針を定め、文書にすること
4.1.2 組織 
4.1.2.1 責任及び権限
 D品質に影響する組織の責任、権限及び相互関係を文書化すること
 R品質に関するすべての問題を記録すること
 M解決策を通知又は提供すること
 W解決策実施の内容を検証すること
 W不適合品の後工程を管理すること
4.1.2.2 経営資源
 D必要な経営資源を明確にすること
4.1.2.3 管理責任者
 M品質システムの実施状況を報告すること
4.1.3 マネジメント・レビュ−(経営者による見直し)
 R品質システムの見直しに関する記録を保管すること
 
4.2 品質システム
4.2.1 一般
 D品質システムを文書化すること
 D品質マニュアルを作成すること
4.2.2 品質システムの手順
 D品質方針に合致した手順書を作成すること
4.2.3 品質計画
 D品質計画書を作成すること
 R品質記録を作成すること
 
4.3 契約内容の確認
4.3.1 一般
 D契約内容の確認及び調整するための手順を文書に定めること
4.3.2 内容の確認
 D要求事項を文書化すること
4.3.3 契約内容の修正
 D契約内容修正のルール及び伝達方法を明確にすること
4.3.4 記録
 R契約内容の確認の記録を維持すること
 
4.4 設計管理
4.4.1 一般
 D製品設計を管理し検証する手順を文書に定め、維持すること
4.4.2 設計及び開発の計画
 D設計及び開発の各業務に対する計画書を作成すること
 E設計及び開発の活動は適切な手段を与えられた有資格者に割り当てること
 D計画書は、設計の進展に応じて更新すること
4.4.3 組織上及び技術上のインタフェ−ス
 M異なったグル−プからの設計インプット情報を文書化し正確に伝達すること
4.4.4 設計へのインプット
 M設計にインプットする要求事項を文書化すること
4.4.5 設計からのアウトプット
 M設計からのアウトプットは文書化すること
4.4.6 デザイン・レビュ−(設計審査)
 W設計結果の文書による審査を計画し、実施すること
 R審査の記録は維持すること
4.4.7 設計検証
 R設計検証の手段は記録すること
4.4.8 設計の妥当性確認
 W設計の妥当性確認を確実に実施すること
4.4.9 設計変更
 W設計変更及び設計修正は文書化し、権限者が承認すること
 
4.5 文書及びデ−タの管理
4.5.1 一般
 D要求事項に関連する全文書及びデ−タを管理する手順を文書に定め、維持すること
 (規格及び顧客の図面のような外部の文書も含む)
4.5.2 文書及びデ−タの承認及び発行
 W文書及びデ−タは発行に先立ち、権限者がその適切性について審査し承認すること
 D文書の最新版の状態を確保すること
 D無効、廃止文書が確実に利用されないようにすること
 D法律、知識保存目的のために保持されている廃止文書は適切に識別されていること
4.5.3 文書及びデ−タの変更
 W文書、デ−タの変更は最初に確認承認を行った同じ機能・組織が確認承認すること
 D確認及び承認の根拠となる裏付け情報を利用できること
 D変更の性質をその文書中又は適切な添付文書で明確にすること
 
4.6 購買
4.6.1 一般
 D購買品が要求事項に適合することを確実にする手順を文書に定め、維持すること
4.6.2 下請負契約者の評価
 W下請負契約者を評価し、選定すること
 D下請負契約者に対して供給者が行う管理の方式及び範囲を明確にすること
 R受入可能な下請負契約者の品質記録を作成し、維持すること
4.6.3 購買デ−タ
 D購買文書に発注物品を明確に記述したデ−タを含めること
 (仕様書、図面、工程要求書、検査指示書など)
 W購買文書の発行に先立ち権限者が確認し、承認すること
4.6.4 購買品の検証
4.6.4.1 下請負契約者先での供給者による検証
 D下請負契約者先で購買品を検証する方法を購買文書に規定すること
4.6.4.2 下請負契約された製品の顧客による検証
 
4.7 顧客支給品の管理
 D支給物品の検証・保管及び維持の管理に関する手順を文書に定め、維持すること
 R紛失、損傷、その他使用に適さない支給品については記録し、顧客に報告すること
 
4.8 製品の識別及びトレ−サビリティ
 D製品を識別する手順を文書に定め、維持すること
 D個々の製品又はロットの固有の識別をするための手順を文書に定め、維持すること
 R個々の製品又はロットの識別を記録すること
 
4.9 工程管理
 D工程を明確にし、計画すること
 D工程に関する手順書を作成すること
 E適切な工程パラメ−タ及び製品特製を監視及び管理すること
 W権限者によって工程及び設備が承認されること
 D作業のできばえの基準を明確に実際的な方法で規定すること
 (規格書、標準見本又は図解)、
 D関連する設備及び要員を含む工程作業の認定に対する要求事項を規定すること
 R認定された工程、設備及び要員について記録を維持すること
 
4.10 検査・試験
4.10.1 一般
 D検査・試験業務の手順を文書に定め、維持すること
 D必要な検査・試験及び作成すべき記録は品質計画書又は手順書に規定すること
4.10.2 購入検査・試験
 W適合性の検証は、品質計画書及び/又は手順書に従って実施すること
 R購入検査の量及び内容を決めるにあたっては、下請負契約者先での管理の程度及び提供された適合の証拠を示す記録を考慮すること
 R緊急に製造するために検証前に搬入製品を使用する場合には、その製品が規定要求事項に対して不適合であると判明したときに早急に回収及び交換が可能なように、確実に識別して記録すること
4.10.3 工程内の検査・試験
 W品質計画書、手順書の規定通りに製品の検査・試験を行うことを管理すること
 W規定された検査・試験を完了するか、又は必要な報告書を受領し検証するまでの製品保留を確実にすること
4.10.4 最終検査・試験
 Wすべての最終検査・試験を実施することを確実にすること
 W品質計画書、手順書に規定しているすべての活動を問題なく完了し、関連デ−タ及び文書を作成し承認するまでは製品を出荷しないことを確実にすること
4.10.5 検査・試験の記録
 R製品が検査・試験を受けた証拠となる記録を作成し、維持すること
 D不適合品の管理に関する手順を作成し、確実に適用すること
 R記録には次工程への引渡し又は出荷を許可する検査責任者を明確にしておくこと
 
4.11 検査、測定及び試験装置の管理
4.11.1 一般
 D検査、測定及び試験装置(試験用ソフトウェアを含む)を管理し校正し維持する手順を文書に定め、維持すること
 Rこれらの点検の範囲及び頻度を定め、管理の証拠としての記録を維持すること
4.11.2 管理手順
 D適切な検査、測定及び試験装置を選定するための測定項目及び必要な精度を明確にすること
 D校正に用いた基準を文書化しておくこと
 D校正に用いるプロセスを定めること
 E校正状態を表示するため、適切な標識又は承認されている識別記録によって、検査、測定及び試験装置を識別すること
 R検査、測定及び試験装置の校正記録を維持すること
 D検査、測定又は試験装置の校正基準からの外れが発見された場合、過去の検査・試験の結果の妥当性を評価し、文書化すること
 D検査、測定及び試験装置の取扱い、保存及び保管には、精度及び使用適合性が維持されることを確実にすること
 
4.12 検査・試験の状態
 E製品の検査・試験の状態は、実施した検査・試験に関しての製品の適合又は不適合を示す適切な手段によって識別すること
 
4.13 不適合品の管理
4.13.1 一般
 D規定要求事項に適合しない製品の意図されない使用又は据付けを防ぐことを確実にするための手順を文書に定め、維持すること
4.13.2 不適合品の内容確認及び処置
 D不適合品の内容確認の責任及びその処置の権限は明確に規定すること.
 R受け入れられた不適合及び修理の内容を実際の状況を示すために記録すること
 W修理、手直しした製品は、品質計画書及び/又は手順書に従って再検査すること
 
4.14 是正処置及び予防処置
4.14.1 一般
 D是正処置及び予防処置を実行するための手順を文書に定め、維持すること.
 R是正処置及び予防処置に伴う手順書の変更を実施し、記録すること
4.14.2 是正処置
 R製品、工程及び品質システムに関する不適合の原因の調査結果を記録すること
4.14.3 予防処置
 E不適合の潜在的原因を検出し、分析し、除去するための、製品の品質に影響を与えるすべての工程及び作業、特別採用、監査結果、品質記録、サ−ビス報告書及び顧客の苦情のような適切な情報源を活用すること
 
4.15 取扱い、保管、包装、保存及び引渡し
4.15.1 一般
 D製品の取扱い、保管、包装、保存及び引渡しの手順を文書に定め、維持すること
4.15.2 取扱い
 D損傷又は劣化を防ぐ製品の取扱い方法を設定すること
4.15.3 保管
 D使用又は出荷待ちの製品の損傷又は劣化を防ぐために指定した保管区域又は貯蔵室における搬入、搬出を承認するための適切な方法を規定すること
 E劣化を検出するために、保管中の製品の状態を、適切な間隔で評価すること
4.15.4 包装
 E包装、梱包及び表示の工程(使用材料を含めて)を管理すること
4.15.5 保存
 D製品の保存及び区分けのために適切な方法を定義し、実施すること
4.15.6 引渡し
 D最終検査・試験の完了後の製品の品質保護の対策を定義し、実施すること
 
4.16 品質記録の管理
 D品質記録の識別、収集、見出し付け、利用、ファイリング、保管、維持及び廃棄のための手順を文書に定め、維持すること
 R下請負契約者から提出される関係品質記録を入手し維持すること
 D品質記録は読みやすく、劣化又は損傷を防ぎ、また紛失を防ぐのに適した環境を備えた施設内で、容易に検索できるように保管し、維持すること
 R品質記録の保管期間を定め、記録すること
 R品質記録は、合意された期間、顧客又はその代理人が評価するために利用できるようにしておくこと
 
4.17 内部品質監査
 D内部品質監査を計画し実施するための手順を文書に定め、維持すること
 R監査の結果は記録し、監査された領域の責任者にその内容を知らせること
 R是正処置の実施内容とその効果を検証し、記録すること
 
4.18 教育・訓練
 D品質に影響する活動に従事するすべての要員に必要な教育・訓練を明確にする手順を文書に定め、維持するとともに、教育・訓練を行うこと
 E適切な教育・訓練歴及び/又は経験に基づいて要員を資格認定すること
 R教育・訓練の適切な記録を維持すること
 
4.19 付帯サ−ビス
 D付帯サ−ビスが規定要求事項を満たすように実行する手順、及びこれを検証し報告する手順を文書に定め維持すること
 
4.20 統計的手法
4.20.1 必要性の明確化
 D品質工程能力及び製品特製を設定、管理、検証するために、統計的手法が必要か否かを明確にすること
4.20.2 手順
 D統計的手法の実施及び管理のための手順を文書に定め、維持すること


情報化ヒント集(Tips)に戻る情報化ヒント集(Tips)に戻る
ホームページに戻る ホームページに戻る