デビットカードに関する調査レポート


■デビットカードとは ?

 金融機関(銀行・郵便局)のキャッシュカードで買物などの支払ができる新しい決済方法(即時払い型カード)であり、買物・食事・ガソリンスタンド・医療や公共機関などのサービス機関などの支払が「今あるキャッシュカード」で出来るものである。

■サービスの特長

○NTTデータのCAFISセンター(Credit and Finance Information System、NTTデータが提供する共同利用型ネットワーク。クレジットカードの信用照会、売上管理業務等にも利用されている。) 、及び金融機関と加盟店のデータを集中管理するクリアリングセンターを設置するため、決済処理を円滑に行うことができる
○加盟店、クリアリングセンター、金融機関を結ぶオンライン間で伝送される電文(磁気ストライプの内容および暗証番号)は、強度な暗号化で処理してあるため、高いセキュリティが確保できる
○利用者の確認は、加盟店に設置された端末から入力された暗証番号と、予め届け出のある暗証番号との一致で確認することができる

■メリット

《利用者のメリット》
○手数料なしで日常携帯しているキャッシュカードが、そのまま「デビットカード」として利用できる。
○預金残高の範囲内で安心して買い物ができる
○買い物の際、所持金が足りなくてもATMやCDから現金を引き出す必要がない
○現金を持たずに買い物ができるので、現金の紛失や盗難の心配がない
《加盟店のメリット》
○確実にそして効率的に代金の回収が図れる
○現金のハンドリングコスト(集金、口座入金、釣銭準備など)を抑えることができる
○顧客管理が容易になる
○店の信頼度が上がる

《金融機関のメリット》
○新規の顧客開拓(利用者と加盟店)がスムーズに図れる
○手数料収入が得られる
○ハンドリングコスト(ATM、CDへの現金補給など)の軽減につながる

《社会全体としてのメリット》
○新たなビジネスチャンスの創出
○地域(商店街など)の活性化につながる
○経済全体の活性化につながる

■デビットカードの導入状況

 1999年1月4日にスタートしたデビットカードは、当初サービス中の加盟店13社、利用可能金融機関9行と少ないにもかかわらず、6月までの半年間でのべ18万人、46億円以上のご利用が報告されている。
 また下は数百円(コンビニ)から上は百数十万円の宝飾品や豪華旅行の支払いまで幅広く使われており、一回のご利用平均単価も徐々に高くなり6月には29、000円を超えた。
 なお、現在、日本デビットカード推進協議会には925の金融機関と約200社の加盟店及び多数の賛助会員(端末ベンダー、情報処理センター等)が参加しており、来年3月6日の第200フェーズスタートに向けて準備しているところである。
 また、今年の10月には、中小規模の加盟店のデビットカードサービスをサポートするための情報処理センターがにも多数立ち上がり、全国展開の基盤ができつつりある。
 海外に比較しカード化が遅れている日本にもいよいよ本格的なキャッシュレス時代がすぐそこに来ていると思われる。
 2000年3月6日にスタ−トが予定されている本格展開(第2フェーズ)に向けて、デビットカードサービスへの期待は、金融機関、加盟店において高まっている状況にある。
 利用者の認知率がまだまだ十分ではありませんが、利用した人のほとんどはその利便性に感心し、継続的に利用するリピーターになっているとの声が多数あがっている。

■利用可能な金融機関

 現在、以下の金融機関のキャッシュカードをデビットカードとして利用可能である。

○郵政省(郵便貯金)
○富士銀行
○第一勧業銀行
○三和銀行
○さくら銀行
○大垣共立銀行
○大和銀行
○東京相和銀行
○城南信用金庫
合計9機関

■日本デビットカード推進協議会会員

平成11年6月30日現在 計925行
都市銀行(8行)
富士銀行 第一勧業銀行 さくら銀行 あさひ銀行 三和銀行 大和銀行 東海銀行 住友銀行 信託銀行 (5行)
 三井信託銀行 安田信託銀行 東洋信託銀行 中央信託銀行 住友信託銀行 地方銀行 (64行)
(社)全国地方銀行協会
第二地方銀行協会 (58行) (社)第二地方銀行協会
外国銀行 シティバンク・エヌ・エイ
信用金庫 (396庫) (社)全国信用金庫協会
信用組合 (322組合) 全国信用協同組合連合会
労働金庫 (41庫) (社)全国労働金庫協会
農林系金融機関 農林中央金庫 (社)全国信連協会(29県)

■デビットカードの使い方

○購入金額を端末機から自分の暗証番号と続けて入力
○顧客の金融機関口座から購入金額分が引落される
○店舗へは振込み手続きがされ5日後に入金される
(金融機関と決済センターの手数料がかかる)
○本人確認の方法
 顧客がキャシュカードの「暗証番号」を押すことで、本人確認となる。クレジットの場合と違い「署名・サイン」の必要はない。連続して間違うと、そのカードは無効となる。
 無効となったものは、ATMでも利用できない。
○通帳への記入
 通帳の記帳は、利用日・金額・「JD+加盟店名」が印字される。
○利用時間  平日・土・日・祝とも24時間利用可能。
 但し、金融機関によって異なる。三和銀行は毎月第3日曜日21:00〜翌朝5:00の間は使えない。
 富士銀行は日曜日0:00〜7:00、日曜日21:00〜翌朝7:00の間は使えない。
○利用の限度額
 普通預金の残高の範囲内。富士銀行は1日500万円以内。

■店舗の加盟方式

 小売業やサービス業が「デビットカード」取扱い店として加盟するのに、「直接加盟」と「間接加盟」の2つの方法がある。

(1)直接加盟方式
 金融機関(各銀行・郵便局)と個別契約し加盟する。
 以下は、金融機関とのオンライン接続を「情報処理センター」経由で行う手続き資料等である。

@加盟店登録申請書
A基本情報登録票
B加盟店契約予定証明書
C各種証明書(登記簿謄本、決算書等)
D郵政省の端末設備認定通知書(金融機関と結べる証明)
E協議会認定の証明書(端末機の安全基準を満たすことの)

(2)間接加盟方式
 「情報処理センター」と契約し、CAFIS等と連結する。
 「情報処理センター」が金融機関と加盟契約を結び、且つお店と間接加盟店契約を結ぶ。
 金融機関とのオンライン接続は、「情報処理センター」経由で行う。
 加盟者は、銀行手数料(送受双方分)とセンター処理手数料をまとめて、センターに手数料合計として支払うことになる。

■「デビット」:「クレジット」比較表

項 目      デビットカード     クレジットカード
利用できる店舗  J-Debit参加加盟店   クレジット会社契約店
店舗表示     J-Debitステッカー表示 クレジット会社表示JCB,VISA,UC,AMEX等

■デビットカードの利用可能店舗

○京都の商店街団体 四条繁栄会商店街他、12商店街
○きょうと情報カードシステム(京都市内の有名店約650店が加盟)
○近畿日本ツーリストの支店200店 大阪府下17店 滋賀・2店、京都・4店、兵庫5店、奈良2店、和歌山2店
○日本交通公社(JTB) コンビニマルチメディア端末で使用可能
○西武百貨店23店 大阪府下2店・高槻店・八尾店・滋賀・大津店、兵庫・塚新
○松坂屋名古屋店、名古屋駅店、岡崎店、四日市店4店のみ 近畿は無し
○名鉄百貨店 名古屋のみ(本館・セブン館)
○ビッグカメラグループ16店 近畿は無し
○ローソン25店 近畿は、無し
○メルパック・ぱるるプラザ17店 メルパック大阪
○全国旅館環境衛生同業組合連合会24店 熱海の旅館から
○全日本空輸 関西空港など空港設置の自動発券機 エアーニッポンも取扱可
○コスモ石油 全国の約2 000のガソリンスタンド
○ジャパンエナジー 首都圏の一部ガソリンスタンド
○ 大和証券(一部店舗のみ)

■デビットカード対応の端末機

○アンリツ(株)C-HAT カードターミナル「DA3400」
クレジットカード・デビットカード・ポイントサービス対応
表示:液晶(LEDバックライト)方式、全角15字×4行
外形寸法:155(w)×268(D)×95(H)mm、重量:3kg以下
価格:約12万円
特徴:ピンパッド機器接続可能
ISDN回線対応、1回線最大8台まで接続可能・同時使用可。
高速プリンターサイマルラインドット方式最大80mm/s。
オプション:POS接続機能、ICカード対応予定

○アンリツ(株)DA4500A(ピンパッド)、DA4510A(デッキ)
外形寸法 W79×D145×H35mm、重量約200g、磁気カードリーダー
JIST,JISU同時読取り、コードレス仕様・通信系赤外LEDを用いた光通信
充電系・デッキ部よりのバッテリー充電
表示・最大16文字 X2行/バックライト付ディスプレイ
価格:約4万円
特徴:小型計量のピンパッド方式、コードレス仕様を採用
キャッシュカードをリード後、暗証番号を入力、ディスプレイに金額表示される。
レジから離れての使用が可能。

導入実績:西武百貨店・全国23ヶ所約80台・NCR POSレジ対応で稼働中
○日通工(株)アイランド精算セルフシステム、(ガソリンスタンド向)
外形寸法 W660×D700×H1595mm、磁気カードリーダー
表示・LCDタッチキー/バックライト付
紙幣収容量:1万円200枚・5千円100枚・1千円400枚
貨幣投入法:一括バラ投入、紙幣投入法:長手一括10枚
特徴:ガソリンスタンドに設置。ATM機能を持つ・G-CAT機能付・クレジット対応
今回デビットカードモデルが登場、オペは、音声ガイダンスに従う。
支払方法に現金・クレジット・デビット(その他カード)が選べる。
「有人セルフ」「セミセルフ」の2モデルがある。
導入実績:ガソリンスタンド

○ベリテック(株)The NPT System 多機能情報端末 フランス INGENICO社製
外形寸法: W95×D70×H220mm、磁気カードリーダー
スマートカードリーダー、ライター・ISO7816-2準拠・ISO7816-3対応済
カスタムセキュリティーモジュール、内臓プリンター付
磁気ストライプカード、メモリー又は、CPU付ICカード、デビットカード
等に対応し、コードレスタイプと一体型の2仕様がある。
バックライト付ディスプレイ
本体台付 745g、本体のみ 585g
特徴:本体・ピンパッド兼用として使える。
小型・軽量・プリンター付でデビット・クレジット・ポイントカードに対応している。
ヨーロッパ特有のデザイン性に優れる。
導入実績:世界第2位のクレジット端末メーカーで、ヨーロッパでは、NO.1の実績を持つ。

○オムロン マルチカードターミナル CATS250シリーズ
外形寸法: W163xD240xH107mm 重量約2kg 磁気カードリーダー
読取りカード・JIS-Itrack1 Track2 JIS-U
ディスプレー全角文字15x4行(半角カナ30字x4行)、バックライト付
サーマルプリンター紙幅58mm、外部I/F RS232Cx2
ピンパッドはオプション、拡張:POS連動機能
特徴:サイズは、B5,高速サーマルプリンター搭載、デビット・クレジット・ポイントカードに対応
導入実績:京都の商店街団体、四条繁栄会商店街他、12商店街稼働中

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