桜井章一さんって御存じですか?
麻雀打つ人なら1回くらいは名前を聞いた事があるかも知れません。
伝説の裏プロで20ウン年無敗という、その道では神様みたいな人です。
で、その神様みたいな人が経営している雀荘が牌の音でして。
ところで、当事のボクは常に世間を斜めな角度から見る傾向がありまして。
当然こういう神様みたいな麻雀打ちがいると知れば、なにもかも全否定したくなるのは必然なワケで。
行きました、下北沢店に。
どの程度か1回見てみるのも面白いと思いまして。
9年くらい前の事ですが、今でもかなり詳細に記憶しています。
ああ眼をつぶると蘇ってくる当事の思いで・・・
店に入った時から、なにかこう・・・独特の雰囲気が漂っているのは感じていました。
店員からルールを聞いた後、なにか違和感を感じながら、卓に座りました。
見た目は普通っぽい常連らしき人達と同卓になりました。
普通っぽいンですが何か違う・・・
当事はうまく表現できる言葉がなかったンですが、今なら表現できそうです。
アレです、宗教団体が持つ雰囲気に近かったンですよ。
かもしだすモノが。
ボクが起家。第1打:東。
「ああ初めての人?」
「はい」
ここは第1打は字牌を捨てちゃいけないンだよ。
これは効きました。もの凄い先制攻撃です。東1局で親倍振り込むより効きました。
なンかその理由を、得意げに偉そうな講釈つけてボクに説明してくれていますが、
かなり余計なお世話である事を認知してないようです。イっちゃってます。
どんなにご立派な理由があったとしても麻雀のルールとは違う部分だろソレ。
しかももの凄く勝ち誇った表情がイヤすぎます。コイツはもう虫です、ボクにとっては。
眼鏡かけてたんでトンボ野郎と名付ける事にしました。
羽むしって足で踏みつぶしたい気分です既に。
あっ、ボクは根本的な事を間違っていたのかもしれません。それならば悪いのはボクの方です。
急いで確認します。
「え、えーとココはひょっとしてフリー雀荘じゃなかったですか?」
明らかに嫌そうな顔で返ってきた返事。
「いやフリーだよ、なんだと思ったの?」
道場かなと思いました。麻雀以外の。
動揺を悟られないようにしながらなンとか牌勢を立て直していきます。
トンボがリーチ!、ヤばい筋を掴みましたが処理しきれません。
「カンです」
ああ、リーチ後のカンは禁止だよ
完全試合達成。はいおめでとう。
初めてです、半荘終わる前に戦意喪失どころか気持ち悪くなったの。
ところがこれだけじゃ勘弁してくれませんでした。
「いや、彼がテンパイしてるならルール上は問題ないんじゃないか?」
「いや、しかしこの場合のケースでは、なんたらかんたら」
朝までやっててください。ここはいったいナンですか?国会ですか?
ついでに何のルールですか? 少なくとも”麻雀に類似した何か”のルールみたいです。
半荘終了後、逃げるようにその店を後にしました。
フリー雀荘でこんな怖い思いしたの初めてです。世間は広いよママン。
後でなにかの本で知りましたが”牌の音”では麻雀を通して、
「周りの人達を常に思いやり、人様にできるだけ迷惑をかけない立派な人間になる為の人格形成」
を教えてくれるそうです。
余計なお世話だ虫野郎、つーかやっぱ道場ジャン。
ボクはテメエらの金を毟りにココに来ているンです。
なンでダチでもなンでもない初対面のヤツらから”人格者とは”とかいう体中が痒くなる
ようなテーマを教えて貰わなきゃならないンでしょうか。
大体そんなもの他人に教えてもらおうと思っている時点で終わってないですか?
どんなに立派な理想を掲げていても、それを裏付けるだけの要素があろうとも、
フリー雀荘ってのは見知らぬモノ同士が麻雀打って、お互いの金を取り合う賭場なンですよ?
仲良くなるのはアリだけども、その根っこの部分を忘れて馴れ合ってねえか?オイ。
と当事は熱くなったモンですけどね。
今考えるとそれはそれでイイと思うンですよ。
どんな宗教団体に入ろうがソイツの勝手だし。
ただそれならばフリー雀荘の看板を掲げちゃあダメですよね。
当然、そういう考えとは異なる考えを持つヤツらも大勢いるンだから。
ネットにおいても現実においても同じ事が言えそうですよね。
自分の基準がすべてはいいけど、それを他人に押しつけますか?
ボク自身ヤばくなったら自問自答する事にしています、とりあえず。